子供を19倍幸せにする教育法「ストレングス・ベースト・ペアレンティング」

自己チューな子育て
 

自尊心ではなく、自己受容を育てる教育法の続きです。

前編の記事↓

「自尊心が高い子供ほど成功する」は大嘘だった!?子供の能力を50%高める教育法
自尊心教育の嘘 以前は自尊心が高ければ、将来的な成功や心身の健康などにつながるとされていました。     しかし、2002年に心理学者のロイバウマイスター がそれまでの研究の欠点を指摘しました。   自尊心に関わる研究の間違いは...

 

自己受容の精神を育てる

3.強みに注目する ~ストレングス・ベースド・ペアレンティング~

子供が苦手なことを改善しようとするのではなく、子供の強みに注目することで、自己受容の精神を高めていきましょう。
 
僕たちの脳はどうしても悪い部分に注目するようにできています。(「ネガティビティバイアス」と言います。)
なぜなら、大昔の命の危険が伴う生活をしていた頃は、ネガティブな部分に注目する方が生存率が高まったからです。
 
 
しかし、子育てをする場合には、ネガティビティバイアスはむしろ逆効果になってしまいます。子供が数学ができなくても死ぬわけではありませんし、集中力が低くても 生きていけないわけではありません。

 

強みを知り、伝え、使わせる

ある実験によると、3年間親が子供の強みを知ってそれを使わせることによって、子供の学業成績が高まる・子供の人生の幸福度が高まりストレスが低下する・親のウェルビーイングが高まるという様々なメリットが得られることが分かってます。
 
 
メルボルン大学では「ストレングス・ベースド・ペアレンティング」という手法が進められています。これは子供の強みに沿った子育ての方法です。やることは簡単。
 
  1. 子供の強みを知る
  2. 子供にわかりやすく強みを伝える
  3. 強みを使わせる

 

強みを使えば子供は19倍幸せになれる

子供に強みを知らせ、使わせるだけでも、子供の幸福が大きく高まります
 
ニュージーランドで行われた研究によると、自分の強みを知らない人を1とすると、強みを知っている人は9.5倍、強みを実際に活用している人は19倍も幸福度が高いことが示されました
 
 

4.子供をコントロールするのをやめて楽になる ~自律性~

家庭が貧乏でも幸せになる方法→自律性

幸福度を高めるには、自分のことを自分で決める自律性がとても重要です。ある研究によると、自己決定は世帯年収や学歴よりも幸福度に関連が強いということが示されています。
 
というのも、自分のことを自分で決めるという欲求は食欲と同じように生まれながらにして持っているものだからです。
 

好きでやっていることにご褒美を与えてはいけない:アンダーマイニング

アンダーマイニング効果とは、もともと好きでやっていることに報酬を与えられると、逆にやる気をなくしてしまうという現象です。

理由としては、他人にコントロールされていることを感じて、興味をなくしてしまうからでしょう。

たとえば、「絵を描くのが上手だね!すごいね」「恐竜について詳しいんだね!すごいね!」などといった言葉をかけていないでしょうか?

自尊心教育では、見境なく子供を積極的に褒めることが進められますが、科学的には不正解です。

 

「勉強したらゲームを買ってあげる」は無意味

アンダーマイニング効果があるからといって、子供にご褒美をあげるのはいけないことなのかと言うとそうとも限りません。重要なのは「~したら~してあげる」というような交換条件を出さないことです。
 
幼稚園児を対象にした実験を見てみましょう。
  1. 絵を描くのが好きな幼稚園児を三つのグループに分ける。
  2. 「絵を書いたらご褒美をあげるよ」という交換条件を示す
  3. ②ご褒美について知らせずに、絵を書いた後にご褒美を与える ③絵を書いてもらい、何も与えない
  4. 結果、交換条件を示した①のグループだけが、絵を描くことをへの興味を失っていた
よく親がやってしまいがちな「勉強したらゲームを買ってあげる」「言うことを聞かなかったら遊びの時間はなし」みたいな交換条件を出してしまうと、余計に子供はやる気を失ってしまうということです。
 
 
子供がご褒美よりも嬉しがるのは親からの信頼です。「ご褒美をあげなくても、あなたはできると思うよ」という親からの信頼は何よりも嬉しいものです。
 
ですから、親から見て子供の行動が気になっても手を出さないこと・助けたくなくても助けないこと・口を出したくなってもぐっとこらえることがとても重要となります。
 
親がコントロールしている感を出さなければ、子供はみるみるうちに自立していきます
 

叱りつけるのは疲れるだけ「共感・影響・提案」の会話術

子供の不適切な行動を注意したいときには、「共感・影響・提案」の会話術を意識してみましょう。
 
 
5歳児と6歳児を対象にした実験を見てみましょう。
  1. 幼稚園児に絵を書いてもらう実験。その際、被験者を二つのグループに分ける
  2. ①統制的な関わりをするグループ「絵の具をきちんと使いなさい!」「守ることをきちんと守りなさい!」
  3. ②自律性を尊重する関わりをするグループ 「絵の具をこぼして遊ぶのが楽しいのはわかるけど(共感) 、これは他の子も使うから(周りへの影響) 、部屋を綺麗に使わない?(提案)」
  4. 結果、②の自律性を尊重するグループの方が、部屋をきれいに使ったことが示された。
  5. また、何も知らない大人に描かれた絵を評価してもらったところ、②のグループの方が芸術性が高いと評価された
 
つまり、子供をコントロールすることを止めれば、子供は適切な行動をしてくれるようになりますし、実際にパフォーマンスも上がるということです。絵のクオリティに関しては何も指導していないのに、芸術性が高くなっているのは面白いですね。
 
 

無駄に疲れない!課題を切り分ける

子供の自律性を尊重するには課題を切り分けることが重要です。
 
例えば、子供がいる家庭にとって朝の時間は地獄です。子供の身支度が遅く、いつも家を出る時間がぎりぎりになるということが日常茶飯時なのではないでしょうか。
 
「早く支度しなさい!」という風に口を出したくなりますが、そこはグッと我慢です。なぜなら、「学校に間に合うように家を出る」という課題は子供さんの課題であって、親の課題ではないからです。
 
子供に「学校に間に合うためには何時に家を出ればいいかな?」「そのためにはどういう行動すればいいかな?」という風に相談してみましょう。
 
子供が自分で対策を立てた後は 、親は何も言わずに見守りましょう。
 
 
 

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