朝からぶっちぎるには「睡眠慣性」を吹き飛ばせ
朝からトップスピードで仕事や勉強に取り組むためには、睡眠慣性を軽減する必要があります。
「睡眠慣性」で26時間の徹夜よりも頭の回転が落ちる!?
「睡眠慣性」とは、目覚めたときの意識が朦朧としている状態のことです。朝目が覚めた後も頭がぼーっとして何も手につかない経験は誰にでもあるでしょう。
個人の体内時計によって睡眠慣性の長さは変わってきます。例えば、朝型の人なら数十分で回復するでしょうが、夜型の人は数時間睡眠慣性が続くこともあります。
2006年のコロラド大学ボルダー校の研究によると、睡眠慣性によって徹夜するよりも認知機能が下がってしまうことが知られています。
- 被験者:9人
- 内容:研究室で睡眠をとってもらい、起床直後に認知能力のテストを受けてもらった
介入
被験者に研究室で眠ってもらい、シャワー・朝食・運動などの時間は一切与えず起床直後に認知能力を測るテストを受けてもらった(なお、テストは二桁の足し算問題)。
結果
- 午後に同じレベルの問題を解いた時に比べて、朝の正答率は明らかに低かった
- 26時間眠らずに起き続けた後、同様の問題を解いた時の成績よりも睡眠直後の成績の方が低かった
考察
理由としては、睡眠慣性が起きている時には前頭前野の働きが鈍るからです。前頭前野は脳の認知能力に大きく関わる部分です。記憶・集中・判断力といったハイレベルな思考を司っているので、睡眠慣性の状態で知的な作業をするのはとても難しいです。たとえるなら、コンピューターを起動する時に時間がかかってしまうのと同じです。
睡眠が浅い段階で目覚めることが重要
睡眠慣性を軽減するには、眠りが浅い段階で起床することがポイントです。
睡眠には深い睡眠と浅い睡眠の段階がいくつかに分かれています。まずは、睡眠の4つのステージについて理解しておく必要があります。睡眠は眠ってから朝目覚めるまでの間に4つの段階があります。
ステージ1:覚醒から睡眠への移行段階
夜の睡眠の2%から3%を占める。眠りに落ちるときと睡眠中に一瞬覚醒するときなどに当たり、この段階で目覚めると眠った気にはならない。
ステージ2:睡眠が深まり脳波が次第に緩やかになってくる段階
体温と心拍数が下がり筋肉が弛緩する。睡眠の50%を占める。この段階からの目覚めが簡単。
ステージ3およびステージ4:最も深い段階
脳波がゆっくりなデルタ波に切り替わる。眼球運動は起こっていない。成長ホルモンが分泌され、組織が修復される。睡眠の20%を占める。体温が一番低くなっている。この段階から目覚めるのに一番苦労する
レム睡眠:ステージ3およびステージ4よりは浅い睡眠の段階
眼球が動き、心拍数・血圧・体温が上昇するが、筋肉は動いていない。脳波が速くなり、覚醒している時と同じぐらいになる。夢を見る。睡眠の25%を占める。この段階から目覚めるのは難しい
睡眠慣性を軽減するには、睡眠が浅く覚醒が簡単なステージ2で起きる必要があります。浅い睡眠の時に起きるのにおすすめのアプリは「Sleep Cycle(スリープサイクル)」です。スリープサイクルは睡眠をモニタリングし、睡眠が浅くなっている時間帯にアラームを鳴らしてくれます。
日光を浴びて覚醒のリズムを刺激しよう
睡眠慣性から抜けるためのもう1つの対策は、朝起きたら日光を浴びるようにすることです。
なぜなら、日光が体の覚醒のリズムを整えてくれるからです。自然と日光を浴びるためにはカーテンを開けっ放しで寝るという方法もあります。しかし、夜眠る時に外から街灯などの明かりが入ってくると睡眠の質が落ちてしまうので、あまりお勧めできません。
朝目覚めたらすぐにカーテンを開けて窓のそばで過ごす、もしくは外を散歩するといったルーティンがおすすめです。
【本日の行い】「Sleep Cycle」のアプリで起床アラームを設定しよう
↑「Sleep Cycle(スリープサイクル)」の詳しい設定の仕方はこちらで解説しています。
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