好感度で情報の信憑性まで決まる!?説得力を上げる5つの要素

調和力

今回は、ビジネスやプレゼンの場で情報を提案する人に向けた内容です。

情報がしっかりしていても、伝える時の態度や印象によって信ぴょう性が落ちてしまうことを解説します。せっかく調べて論理的に整理した内容でも、人柄によって信ぴょう性が下がってしまうのはもったいないですよね。

伝え方を工夫することで、効果的に説得力を演出しましょう。

 

情報の信ぴょう性は好感度に左右される!?

情報を論理的に判断しようとしても、誰がその情報を伝えているのかに影響されてしまいます。

2021年のニューサウスウェールズ大学の研究者が発表した論文によると、好感度が専門家の説得力を左右することが示されています。

Likeability and Expert Persuasion: Dislikeability Reduces the Perceived Persuasiveness of Expert Evidence - PubMed
With the use of expert evidence increasing in civil and criminal trials, there is concern jurors' decisions are affected...
内容

アメリカ在住の陪審員資格を満たす成人218名(実験2では230名)。専門家の好感度や人当たりの良さが情報の説得力に影響するかを調べた。

  1. 陪審を対象に殺人事件の模擬裁判を開き、キャピトル殺人事件という事例を題材に刑事判断を行ってもらう。
  2. 専門家からの証拠(供述書)が出され、説得力を判断してもらった。
  3. その後、被告人に対して死刑か終身刑かを選択させる。

 

なお、証拠の質に関しては以下の2パターンを用意(専門分野・誠実で中立かどうか・証拠の裏付けのあり方・結論の明確さなどの要素を変えて実験者が用意した)。

  1. 証拠の質が低いパターン
  2. 証拠の質が高いパターン

なお、専門家の好感度に関しては、書類中の表現や言い回しで人柄を演出し、以下のパターンで比較。

  1. 高い好感度を演出するパターン
  2. 低い好感度を演出するパターン

 

結果
  • 好感度が低い専門家は高い専門家よりも説得力が低かった。また、証拠の質に関係なく、低い好感度だと説得力が低いと判断される傾向があった。
  • しかし、最終的な刑罰判断の際には好感度そのものが直接判断に影響することはなかった専門家の誠実さや、専門分野が妥当かどうか、証拠の裏付けのあり方、意見の明確さなどの側面が重要だった。
  • さらに、実験2では、好感度の条件に高い・低いに加えて中立の条件を追加したところ、高いと中立の間には説得力であまり差が出ず、低い好感度のパターンで際立って説得力を下げていた。

 

考察

つまり、その人柄が好ましいほど、情報が正しいと判定されやすいのです。なお、「好かれていること」が説得力を大きく上げるというより、「嫌われること」が説得力を下げる方が影響が強いようです。

理由としては、やはり論理的に判断しないといけない場でも人間は感情に影響されてしまうからです。嫌な感じの人が言うことは、たとえ正しい指摘だったとしても積極的に聞きたくないですよね。

 

だからこそ最低限の好感度をキープしつつ、情報提供をする必要があるのです。

情報の信ぴょう性を高め、説得力を高める要素
  1. 好感度
  2. 誠実さ
  3. 専門分野が妥当かどうか
  4. 証拠の裏付けのあり方
  5. 意見の明確さ

 

ただし、この研究では専門家と直接顔を合わせたわけではなく、あくまでも書類から人柄を推測しただけです。ですので、実際に対面でコミュニケーションを図る場合は、好感度の評価が若干違う可能性があります。

【実践】信ぴょう性を下げない情報の伝え方を工夫しよう!

ステップ1:第一印象を整えよう

清潔感のある服装や髪型はもちろん、姿勢や表情も印象を左右します。特にプレゼンや会議では、入室の瞬間から「信頼できそうだ」という評価が始まっています。服装・立ち居振る舞い・笑顔を日常的に意識するだけで、信ぴょう性の評価を自然と底上げできます。

  • 清潔感のある服装・整った身だしなみを徹底する
  • 姿勢や立ち方を意識し、堂々としつつも威圧感を与えない
  • 会場入りしたときから笑顔や柔らかい態度を心がける

 

ステップ2:話し方を工夫しよう

人柄の印象は、声や話し方から大きく左右されます。早口だと「焦っている」「信用できない」という印象を与えやすいので、意識的にゆっくり話すことを心がけましょう。

 

  • 早口を避け、適度な間をとって落ち着いたトーンで話す
  • 相手の理解を確認するように語尾を柔らかくする(例:「〜かと思います」「〜ですよね」)
  • 適度なユーモアや共感を交える

 

ステップ2までが、好感度を失うことによって情報の信ぴょう性を大きく損なってしまうことを防ぐ戦略です。ステップ3以降では、重要な決断で説得力を上げる要素をクリアしていきましょう。

 

ステップ3:誠実さを高めよう

  • 不確かな情報は「仮定です」と明示して伝える
  • 自分の主張だけでなく、反対意見やリスクも正直に提示する
  • 根拠があることは具体的に示す(出典、データ、過去の実績など)

 

ステップ4:自分たちの得意分野であることを示そう

  • 提案内容に関連する自分やチームの専門性・経験を冒頭で示す
  • 類似事例や過去の成功例を紹介し、専門知識が妥当であることを裏付ける

 

ステップ5:証拠の裏付けを示そう

  • データや事例を示す際は、計算方法・条件・前提を明確にする
  • 複数の根拠を組み合わせて、単一の情報に頼らない
  • 結論に至る過程を簡単に図やステップで示す

 

ステップ6:結論を明確に示そう

  • 結論を1〜2文で端的にまとめる
  • 「結論が導かれた理由」を簡単に箇条書きで補足
  • 複雑な情報は図表で整理して視覚的に理解できるようにする

 

まとめ

情報の信憑性は、内容の論理性や証拠の質だけで決まるわけではありません。誰がその情報を伝えるかによって、受け手の評価は大きく変わります。今回の研究からも分かるように、低い好感度の専門家が提示する証拠は、内容が同じでも説得力が低く評価される傾向があります。

ビジネスやプレゼンの場では、まず人柄の印象で大きく信頼を損なわないことが重要です。その上で、誠実さや専門性、裏付けのある情報、明確な結論を意識して提示するといいでしょう。

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