今回は就活や転職を考えている人に向けた内容です。職業的な満足度が高い仕事にはどのような傾向があるのかを知っておくことで失敗しない転職をすることができます。
給料や安定性だけにとらわれて、もったいない選択をしてしまわないようにチェックしておきましょう。
やりがいのある仕事の3つの条件は「助ける・教える・創造する」
2007年にシカゴ大学の研究者によって発表された論文によると、職業満足度が高い職業が調べられています。その論文によると職業満足度が高い職業は共通して人を助ける・人に教える・創造するという要素がありました。
https://www.researchgate.net/publication/252482291_Job_Satisfaction_in_the_United_States
内容
198職業を対象に分析。仕事の満足度と一般的な幸福度を調べて、仕事の満足度が人生の幸福度にどのように影響するかを調べた。また、職業の社会的な地位(専門的な職種かどうかなど)も調べた。
結果
- 職業満足度が高いほど全体的な幸福度も高い。全体的に「自分たちがとても幸せ」だと評価する人は…
- 自分たちの仕事に全く満足していない人が15.7%
- とても満足している人は45.3%
- 一般的に職業満足度はその職業の権威やステータスによって向上していた。全ての労働者の47%が自分の職業にとても満足している。その中でも…
- スキルや知識が必要なく権威の低い仕事で満足している人は33.6%
- 専門性が求められ高い権威を持つ仕事では権威の高い仕事で満足している人は55.8%
また、 対象になった職業のうち、満足度が高い職業と低い職業がランクづけされた。
- 満足度が高い職業は…
- 聖職者、理学療法士、消防士、教師、作家、心理学者など。
- 特徴:人を助ける・教える・守る・創造する。
- 満足度が低い職業は…
- 屋根職人、ウェイター、レジ係、食品準備係、精肉作業員など。
- 特徴:低スキル、単純作業、接客・飲食系が多い。
考察
- 仕事満足度と人生の幸福度はやはり強く結びついている。
- 「社会的地位の高さ」と「満足度」はおおむね比例するが、医師や弁護士など権威が高くても満足度で上位には必ずしも入らない。
- 満足度が高い職業に共通するのは「人を助ける・教える・創造する」という要素。
- 低い職業は「単純作業・低スキル・接客中心」で、自分で決めたり何かを創造したりする要素が少なく、労働環境が厳しい。
論文で取り上げられた満足度が高い職業と、満足度が低い職業をより具体的にピックアップしてみます。人を助ける・教える・創造するという三つの要素に注目して見てみましょう。
満足度が高い職業(上位からベスト12位)
- 聖職者:礼拝を執り行ったり教義を教えたり、信徒の悩み相談もする。信仰の教えを広める・人を癒したり支える要素が強い。
- 理学療法士:怪我や病気の後遺症を改善するために運動療法などを提供。
- 消防士:緊急対応が求められ、危険を伴うことも多いが、その分「人を守る」意味が見えやすい。
- 教育管理者(学長、校長など):学校や教育機関で運営管理を担当。教育方針・学校運営を決める立場。教える・組織を導く要素がある。
- 画家・彫刻家:芸術的表現を通じてクリエイティブな仕事。作品を創造する過程に自己表現・創造性が強く関わる。
- 教師:子どもや学生に知識を教える、指導する職。教育内容を教える・育てるという「教える」要素が中心。
- 作家:文学作品や記事などを執筆する職。創造性・表現・独立性が求められる。
- 心理学者:心の健康や行動を研究・カウンセリングなどを通じて支援。人を理解したり助けたりする要素がある。
- 特別支援教育教師:通常の教育ではフォローが難しい生徒に対して支援教育を行う。個別対応・配慮が必要で、「助ける」「教える」要素が強い。
- 機械オペレーター(建設機械など):大型機械を操る技術職。物理的・技術的スキルが求められるが、人を助けたり教えたりする要素は他の上位職より弱め。
- オフィス管理職:事務所などの部門やスタッフを管理する立場。人間関係・指導力が求められる。
- 金融系営業(証券・投資顧問など):証券や金融商品を扱う営業職。対人関係が強く、営業スキル・交渉力が必要。創造性や「教える」要素が間接的に含まれることも。
満足度が高い仕事は、他人を助けたり、新たな知見を伝えたりする要素を持っていると考えられます。
例えば、
- 聖職者や心理学者は信者や患者の悩みに寄り添う。
- 療法士や消防士は患者や被害者の苦しみを救う。
- 教育者や芸術家は受け手に新しい情報や知見を与える。
満足度が低い職業(下位からワースト12位)
- 屋根職人:建築の一部の専門工。屋根を設置・修理する作業。屋外作業で体力を使う・危険も伴う。
- ウェイター・サーバー:レストラン等で客対応、注文取り、料理運搬などを行うホスピタリティ職。賃金や勤務時間・待遇面で制約が強いことが多い。
- 非建設系の肉体労働:工事関係外だが重作業を伴う肉体労働。環境や報酬・労働時間の厳しさが満足度低下の要因。
- バーテンダー:飲食業の一種。夜勤や不規則シフト・対人関係がストレスになることも。
- 手作業パッカー:商品の梱包や包装作業。繰り返し作業が多く、裁量ややりがいを感じにくい職種。
- 倉庫・荷物ハンドラー:倉庫での荷物の移動・仕分けなど。負荷が高く・変化が少ない作業。
- アパレル販売員:衣料品を販売。立ち仕事や顧客対応。ノルマ・シフト制などの制約があることも。
- レジ係:会計や接客を中心とした業務。反復が多く変化が少ない。
- 食品準備係:飲食店での準備作業(材料切り、盛り付け準備など)。創造性や裁量が少ないことも。
- クレーム対応:顧客やクレーム対応を含む窓口系業務。感情労働・プレッシャーがある場合も。
- 精肉作業員:食肉加工。重労働・臭気・環境要因などが仕事満足を下げる要因になる可能性あり。
- 家具販売員:家具などの販売。商品が大きく・配達なども関わる場合がある。ノルマ・重荷のある持ち運び・設置なども絡むことが。
一方で満足度が低い職業は単純作業で工夫の余地がない、労働環境が劣悪などの特徴が挙げられます。
まとめ
仕事の満足度は、人生の幸福度と大きく関わっています。特に「人を助ける・人に教える・創造する」という要素を持つ仕事は高い満足度につながりやすいことが示されています。
就職や転職を考える際には、給料や安定性だけでなく、自分の仕事が誰にどのように貢献できるかを意識して選ぶことが大切です。

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