- 自分は意思を曲げない方だ
- 人よりも勉強しているし、きっと賢い決断ができている
今回はいくら勉強をしていても知識の受け取り方が歪んでいると効果がなくなるかもよ~というお話です。
信念を持つとろくなことがない?
自分の「信念」に合う知識ばかりを集めてしまう
人間は自分の信念とは異なる情報を見たとき、解釈を歪めてしまいます。
心理学者のチャールズロードが行った研究(※)によると、人間は自分の信念によって知識の解釈を曲げてしまうぜ~ということが示されています。
介入
死刑制度について賛成派の人たちと反対派の人たちを対象にした研究。
それぞれの被験者たちに死刑制度に関する研究報告書を見せた。研究報告書はそれぞれ死刑反対を指示するデータと賛成を支持するデータがどちらも含まれていた
結果
賛成派の人はより賛成的に、反対派の人はより反対的になった
この研究のポイントは、被験者たちが自分の信念に合う情報は重要視し、都合が悪い情報を軽視する傾向が見られたことです。
例えば、死刑賛成派の人たちは死刑制度の有効性を裏づけるデータの方に「深く感銘を受けた」と解釈しました。逆に死刑反対を主張するデータに「この研究は穴だらけだ」と捉えたのです。
本当に「フェア」な情報収集をしてる?
信念による解釈の歪みは「自分はよく勉強している」と思っている人も注意する必要があります。
なぜなら、自分の考え方に沿った知識やデータなどを偏って集めている可能性があるからです。
例えば、以前の僕は「人のなかに群れずにで孤高で生きることがかっこいい」と考えていました。確かに「内向的な人の方が集中力が高い」という研究や「知能が高い人はひとりぼっちを好む」といった研究もあります。しかし、それとは逆に「孤独な人がタバコを吸っている人よりも健康に害が及ぶという研究を始め孤独な生き方を否定する知識もたくさんあります。
ですが以前の僕は「自分は例外だ」というふうに考えて自分の信念を補強する知識ばかりを集めていた節があります。「気をつけんといかんなあ」と思った次第です。
ですから、人間は自分に都合の良い情報ばかりを集めてしまうんだなという心のクセを知っておきましょう。
【実践】自分の勉強スタイルを吟味してみよう
「自分と反対の立場の人ならどう反論するか?」
「信念によって知識の解釈が歪むから気をつけよう!」と思っているだけでは不十分です。なぜなら解釈の歪みは無意識のうちに起きてしまうものだから。
そこで自分の情報の集め方を振り返ってみましょう。
新しい知識を獲得した時には「もしも他人のだったらどう考えるか」と視点を変えてみるのです。
例えば、「フルーツには糖質がたくさん含まれているので食べるとむしろ健康に良い悪い」という知識を得たとします。 普段あまりフルーツを食べる習慣がないフルーツ嫌いな人なら「やっぱりそうだよな!」と納得してしまうでしょう。自分にとって都合がいい知識だからです。
しかしそこで「自分ではない誰かだったらどういう風に考えるか?」と視点を変えてみるのです。
例えば、
- 自分と親しい友達だったらどう考えるか?
- フルーツ好きな人がこの知識を見たらどんな反論をするだろうか?
- 果物の生産に関わっている人ならどうか?
自分ではない誰かの視点をいくつか取り入れてみることでよりフラットな視点を手に入れることができます。よくよく調べてみると「フルーツには確かに果糖が含まれているが同時に食物繊維やファイトケミカルなども豊富に含まれるので健康に良い」という知識にも出会えるかもしれません。
【今日のクエスト】自分の知的生産を見直そう
【獲得経験値】
☑️自分の読書ノートを見ながら、「自分とは違う立場の人ならどんな反論をするか?」と考えてみた
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