完璧思考大辞典

完璧主義から脱出コース

今回の記事では完璧主義の人が陥りがちな思考を辞典としてまとめてみました。

物事に過剰にこだわりすぎてしまう完璧主義は、人生のあらゆる点において自分を苦しめてしまいます。そんな完璧主義者たちに考え方のコリをほぐしてもらえるような内容にしました。

 

辞典の見方

サラサラ~と見ながら「自分に当てはまっているな」と思うところをピックアップして読んでみてください。

  1. 完璧主義の思考
  2. その思考に対する根拠(=なぜそう考えてしまうのか)
  3. その思考に対する反論(=こんな考え方もある)
  4. 代わりに提案するちょうどいい思考

という四つのポイントを押さえています。1つの完璧思考について検討し、自分なりにちょうどいい考え方を見つけてみてください。

 

メンタル系の完璧思考

思考1.完璧主義の自分を直さなくてはならない

なぜそう考えてしまう?
  • 完璧主義はメンタルに悪いから
  • こだわりすぎることで時間を無駄にしてしまうから
こんな考え方もある

完璧主義な性格は几帳面で忍耐力が強い。決して悪い性格ではない

★ちょうどいい思考

丁寧にゆっくり物事を進めることを楽しみながらも目的を忘れないように取り組もう

 

勉強においての完璧思考

思考1.完璧なノートを作らなければならない。すべての情報をまとめないといけない

なぜそう考えてしまう?
  • 全ての情報をまとめればノートを見直すことで あらゆる情報を引き出せる
  • ノートが蓄積していく様がかっこいい
  • デジタルツールならキーワードで検索すればいろんな情報を引き出せる。自分の記憶に頼る必要がなくなる
こんな考え方もある

全ての情報を書き出そうとしなくても自分の記憶で補える部分もある

 

★ちょうどいい思考
  • キーワードだけでサクッとまとめて詳細は自分の記憶にとどめるようにする
  • まとめるのが問題ではなく知識を楽しむことが大事

 

思考2.学習の科学を全て取り入れたい

なぜそう考えてしまう?
  • 科学的に証明されたメソッド使わなければもったいない
  • 知っていることを実践しないのは自分の価値観に反する
こんな考え方もある
  • 科学的に証明されたと言っても万人に効果があるわけではない
  • 新しいメソッドを次々とを取り入れようとすると勉強法をとっかえひっかえすることになってしまう
★ちょうどいい思考
  • 今のやり方で効率よく回っているのならそれがベスト
  • ある程度効率的な要素が入っているなら とりあえず1年間は続けてみる
コメント

学習の科学については他の記事でも解説しています。最優先するべきは「想起学習の要素が入っているか?」という点です。想起学習とはできるだけ見ずに思い出す学習のこと。

それ以外のノートまとめなどのテクニックは余裕があればで大丈夫です。すべてのメソッドを取り入れようとすると勉強の際にやることが増え逆に効率が落ちてしまうからです。

 

創作活動においての完璧思考

思考1.わかりやすくて説得力のある構成のブログを書かなければ!

なぜそう考えてしまう?
  • ブログは人を惹きつけるようなキャッチコピーや明確なターゲットが定まっていないと読んでもらえない
  • ネット記事を読む人はそこまで気合を入れて読まないのでわかりやすく書かないとスクロールされてしまう
  • ブログの教本に書いてあった通りにやらないといけない
こんな考え方もある
  • ブログは一つの完璧な記事を書いて終わりではなく継続していくことが大事
  • 最初から完璧でなくてもブログなら後から編集することもできる
★ちょうどいい思考
  • ひとつだけ伝えたいメッセージを明確にしていれば、多少文章が下手くそでも大丈夫!
  • あなたなりの「ちょうどいい思考」も考えてみよう

 

思考2.イラストを描く際、上手く描くためのテクニックを全部頭に入れていないとと気が済まない

なぜそう考えてしまう?
  • 下手くそなイラストを書いても見られるのが恥ずかしい
  • 構図の取り方や線の書き方が違っているならいくら練習しても上達しない
こんな考え方もある
  • テクニックを学ぶのも大事だが実際に描いてみることも大事
  • スキル習得には理論よりも実践が大事。描いているうちにペンの使い方や、画材やソフトに慣れていくことができる
★ちょうどいい思考

玄人からの教えを学ぶことは大切。だけどその理論を完璧に覚えることではなく、1つでもいいので実践してみる

コメント

完璧主義の人はスキルを身につけるときにも苦しみます。

例えば、イラストを学ぶ場合。ペンの握りかた、ブラシの選び方…などすべてがきちんとできているか不安になって前に進めないときがあります。イラストの口座を受けたら内容をノートにまとめ出したり。ノートはしっかりまとめるけど実際にイラストの練習が進んでない…なんてことも。

 

 

何もかも統一しないと気が済まない系

趣味のコレクションを全て統一したい

例:フィギュアやカードのコレクションを全て同じシリーズで統一したい。

なぜそう考えてしまう?
  • 同じシリーズで揃えてコンプリートしたいから
こんな考え方もある

コレクションはあくまで自分の歴史。商品の完全コピーではなく、自分が手に入れられず妥協したところも逆に味となる

コメント

「同じシリーズで統一したい欲」についてはイメージが沸きにくいかもしれないので、具体例を出しましょう。

 

僕は家にあったポケモンのフィギュアをすべて同じシリーズで統一したい欲に駆られていました。「モンコレ」というシリーズなのですが、ポケモンのフィギュアはモンコレ以外にもあるのです。例えばガチャポンで出てくるフィギュアや別の商品の特典など。シリーズは違うものの、モンコレと並べても違和感がないものもあります。

ただし、「モンコレ」で統一したい僕にとって他のシリーズは邪道。「揃っていない感じがして気持ち悪い」と考え、危うく売っ払ってしまうところでした。

 

「揃っていないなら要らない」という思考はのちのち解説する「全か無か」の思考の陥ってしまった典型的な例です。一時的な感情で大切なものまで手放してしまうのには注意が必要です。

 

僕は「モンコレで統一したい症候群」を乗り越えるため、「コレクションって言うのは未完成で終わるから味があるんだよ」という考え方をするようにしました。

例えば、「どうしても手に入らなかったフィギュアがあった」という場合、「コレクションが完成しなかった…。なんだか愛着も冷めちゃったな」と考えるのではなく、

「どうしても揃わなかったから、このフィギュアだけはガチャポンで出てきた安いやつで妥協したんだよな~。懐かしいなぁ」という思い出自体を楽しむようにするのです。コレクション系でで完璧思考に陥っている人は参考にしてみてください。

 

意識高い系の完璧思考

思考1.仕事専用の部屋を作りたい。でも部屋数が少なくて作ることができない。こうなったら部屋のものを全部とっぱらってやる!

なぜそう考えてしまう?
  • 「仕事専用の部屋を作ることで邪魔するものがなくなり集中しやすくなる」という情報を知ったから
  • 空間自体を「仕事のためのもの」と位置づけることで脳が集中モードに入りやすいから
こんな考え方もある
  • 部屋自体を丸ごと変えなくても目の前に邪魔するものがなければいい
  • 部屋自体を仕事のためと位置づけなくても、「この机は仕事のため」と位置づけられればいい
★ちょうどいい思考

脳が集中モードに入りやすいように特定の机を「仕事のためだけに使う」と決めておく。視界に入らないのなら「多少他のものが部屋にあっても構わない」と割り切る

 

遊びの中の完璧主義

思考1.ゲームの中でも完璧にアイテムを拾いたい

なぜそう考えてしまう?

もしもゲームを効率よく進めるようなアイテムを見落としてしまったらもったいないから

こんな考え方もある

「何でも効率よくやらないといけない」という考えに縛られていないか

ちょうどいい思考
  • 遠回りすること自体も楽しむことができる
  • 効率よく進める感じを味わいたいなら 2週目のプレイで行うこともできる
コメント

完璧主義者はゲームのなかでも几帳面すぎる性格が出てしまうもの。例えば僕はポケットモンスターシリーズが好きですが、「ポケモンを捕まえるモンスターボールの種類にもこだわりたい!」だとか「ポケモンの性格にもこだわりたい!」だとかで、ゲームが苦行になっていた時期があります。

「すべて統一したい」という完璧主義に縛られてしまっていたのですね~

 

全ての完璧思考に共通する認知の歪み

一度完璧主義的な考えに陥ってしまうと、勉強・趣味・生活など様々な点で見られます。なぜなら、それぞれの完璧思考は同じ根源的な理由を持っているからです。

それが「全か無か思考」です。

 

 

全か無か思考とは「100%でなければやる意味がない」といった考え方。完璧主義の人が陥っている歪んだ思考の根本原因です。

全か無か思考を持っていると、勉強でも「すべて効率的に進めたい」という沼にはまり、様々な学習法に惑わされてしまうことになります。

イラストの勉強でも、ペンの握り方や画材の選び方まですべての情報を集めてからでないと実践できない症状が出ます。ゲームをしていても「効率的に進めたい」と思うあまり、役立つアイテムがないか何度も見直してしまうのです。

 

 

全か無か思考は趣味でも現れます。フィギュアやカードのコレクションでも「全て同じに統一しなければならない」という考えに苦しめられてしまうのです。

 

自分のなかに沸いてくる全か無か思考に気づいたときには、「もっとちょうどいい思考をしてみよう」と心がけてみてください。

まとめ

さて、様々なシチュエーションでの完璧思考をまとめてみました。実はほとんどの完璧思考は僕自身が体験しているものです。

「共感できるなぁ」と思っていただけると幸いです。

 

 

※随時更新予定

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