もう1つの心理療法「AWARE」も知っておこう

前記事の認知行動療法であるストレスレコードとセットで知っておいてほしい心理療法を紹介します。

 

「AWARE」という認知行動療法の手法です。AWEREとは認知行動療法の父と呼ばれるアーロン・ベックという方によるテクニックです。

  1. Accept(許す、受け入れる)
  2. Watch(観察する)
  3. Act(行動する)
  4. Repeat(繰り返す)
  5. Expect(現実的に期待する)

の頭文字をとってAWEREと覚えてください。

 

ストレスレコードはまとまった時間をつくって自分のストレスと向き合ってほしいのですが、AWAREはストレスを感じる度に使えるテクニックです。

  • ストレスレコード:1日のまとまった時間に
  • AWARE:ストレスを感じたときに

というイメージで使い分けましょう。

 

さっそくAWAREの手法を解説していきます。

1.Accept(許す、受け入れる)

まずは自分のストレスが生じたときに、いい感情であるとか悪い感情であるということを判断せずにありのまま受け入れてみましょう。

 

例えば、「道を歩いていて学校に通う小学生を見かけた。学校に行っていない自分が情けなくなった」というストレスを感じたとしましょう。

その際、「自分は情けない」という感情に対して、「あぁまたネガティブに考えてしまったな」とか判断する必要はありません。「自分は情けないと思っているんだな」とありのままに受け入れます。

 

2.Watch(観察する)

次に浮かんできた感情を観察してみましょう。具体的には、自分の感情や思考がコンピューターの画面に映し出されるところをイメージしてみましょう。

 

例えば、道を歩いていて「小学生でも学校に行けているのに行っていない自分は情けない」と思ったのなら、この文章をコンピューターの画面に映し出されるイメージをしてみましょう。

コンピューターに映し出したら文章を「編集」してみましょう。文字を大きくしてみたり、文字の色を変えてみたり、フォントを変えたりしてみましょう。

 

頭のなかではこんなイメージ↓

「小学生でも学校に行けているのに行っていない自分は情けない」

→「小学生でも学校に行けているのに行っていない自分は情けない

小学生でも学校に行けているのに行っていない自分は情けない

→「小学生でも学校に行けているのに行っていない自分は情けない

 

こうして編集作業をすることによって、自分の感情と距離をとり客観的に観察できるようになります。「今頭に思い浮かんでいることなんて無数に浮かんでくる思考の1つに過ぎないんだな」という感覚を覚えることができると思います。

 

3.Act(行動する)

次にやるべきは行動です。ストレスがあってもストレスを克服したかのように振る舞って行動を強行しましょう。

 

例えば、道を歩いていて通学している小学生を見つけ、「不登校の自分は情けないな」と思ったときは、あたかも何もなかったかのように歩き続けるようにしましょう。

 

 

行動プランはいろいろ考えてみましょう。「仮に不登校ではなくただの休日だったとしたら何をしたいか?」と考えてリストアップしてみましょう。

  • カフェに行きたい
  • 図書館で本を読みたい
  • スポーツをしにいきたい
  • 映画館で映画を見たい

その際に抵抗が生じるかもしれませんが、同じようにAccept→Watch→Actの手順を踏みましょう。

カフェに行きたい→学校に行っている人とばったり会ったらどうしよう→自分は家の外で誰かに会うことを恐れているんだな(Accept)→「不登校なのに誰かと会うのは恥ずかしい」という感情を観察(Watch)→無理やりカフェに行く(Act)

映画館に行きたい→学校に行っていないのに外に出かけることには罪悪感がある→自分は外に出ることに対する罪悪感を感じてるんだな(Accept)→「不登校なのに外出するのは罪悪感がある」→無理やり映画に行く(Act)

 

 

4.Repeat(繰り返す)

ステップ1から3の受け入れる・観察する・行動するを繰り返すのみです。

ストレスが浮かんでくる度に、受け入れて観察する→やろうとしたことを強行するという過程を繰り返します。

 

5.Expect(現実的に期待する)

最後のステップは現実的な期待です。自分のストレスにうまく対処できるようになる、ストレスをまったく感じなくなるはずだと過度な期待はしないことです。

行動を起こした後もスッキリと気分が晴れるとは限りません。というのも認知行動療法は長期的な取り組みになるからです。

 

行動を起こすことによって気分を変えるというよりも、「行動する前の予測が意外と外れていた」という感覚が大事です。

例えば、出かける前は学校の誰かに会ったら恥ずかしいと思っていたけど、「外に出てみたら意外と気にならなかったなぁ」とか、「映画を見てたら内容に集中してたなぁ」のような感覚が大事です。

 

また、ここから紹介していく様々な心トレも科学的に実証されているとは言え、効果は個人差があります。

自分が取り組む心トレで効果が出なかったからといって、「やり方が間違っているんじゃないか?やっぱり自分だけは救われないのか」と失望する必要はありません。

効果がなかったら別の方法という風に柔軟な考え方をしましょう。

 

 

【今日の心トレ】ストレスに気づいたら、Accept(許す)・Watch(観察する)・Act(行動する)をRepeat(繰り返す)

【獲得経験値】

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