注意散漫になりがちな「潜在抑制が低い人」を特徴づける2つの性格

外向性を活かす・見抜く

気が散りやすくて悩んでいる人に向けた内容です。

  • 資料を読み始めても、数分で別のことを考えてしまう
  • カフェやオフィスで、人の話し声や物音にすぐ意識が向いてしまう
  • 一つの答えに絞る作業が苦手で、可能性を考えすぎてしまう

注意力が散漫な人は「潜在抑制という機能が低いのかもしれません。しかし、潜在抑制の低さは才能でもあるので使いこなしていきましょう。

 

外向性と開放性が高い人は「潜在抑制」が低いが、創造的な才能も?

「潜在抑制(latent inhibition)」とは、意識に入ってくる刺激の流れを制御する脳の機能です。

一般的な人は、日常で数多く流れてくる感覚・情報のうち、自分の行動や目的には無関係なものを無意識に捨てて処理負荷を下げています。例えば、「壁の色」や「通り過ぎる人の服装」などは、目に入っていても細かく意識しませんよね。目に入ってくる情報をいちいち意識していると脳の処理負荷が上がりすぎてしまうので、潜在抑制が働いて抑えてくれるのです。

 

しかし、潜在抑制が低い人は、周囲の「通常なら無意識レベルで捨てられる刺激(視覚・聴覚・感触など)」を、意識的にかなり受け止める傾向があります。

そのため、潜在抑制が低い人は注意力が散漫ですが、人とは違う発想力を発揮しやすいというメリットもあります。なぜなら、見過ごされがちなつながりを捉えて、発想を飛ばすことができるからです。

潜在制止 - Wikipedia

 

潜在抑制の度合いはその人の性格にも影響されます。実際に、2002年にトロント大学などの研究者たちが発表した論文によると、外向性(=人と話すのが好きで活発な性格特性)と開放性(=新しいことに興味を持ちやすい性格特性)が高い人は潜在抑制が低い傾向があるようです。

Openness and extraversion are associated with reduced latent inhibition: replication and commentary
Latent inhibition (LI) is a preconscious gating mechanism that allows animals with complex nervous systems to ignore sti...

 

内容

79人(平均年齢22.2歳)の大学生を対象に、以下の項目が測定された。

  • 潜在抑制の度合い:潜在抑制の課題を受けてもらい、潜在抑制が高いグループと低いグループに分けた。
  • 性格テスト:ビッグファイブ(外向性、開放性など)を測定する質問に回答してもらった。
  • 創造的な人格テスト:性格的に創造的な人物かどうかをチェックする項目に回答してもらった。

 

結果
  • 潜在抑制が低い人ほど開放性が高い傾向が見られた
    • 考察:開放性が高い人は、新しい情報や発想を積極的に取り込もうとする傾向があるため、頭の中に情報が溢れやすいのかもしれません。
  • 潜在抑制が低い人ほど外向性が高い傾向が見られた。
    • 考察:外向性が高い人は活発に行動するため、新しい刺激に多く触れやすいためだと考えられます。
  • 外向性と開放性のスコアを合わせた「可塑性」という指標を使った場合、潜在抑制が高い人と低い人の違いがはっきり見られた。
  • また、潜在抑制が低い人の方が創造的な人格である傾向が見られた。

 

考察

潜在抑制の低下は、しばしば統合失調症などの精神疾患のリスクと結びつけられます。統合失調症は症状として妄想などが含まれますが、その一部に潜在抑制が関わっているからです。

しかし、潜在抑制が低下することは必ずしも精神病につながるわけではなく、創造性のアップというメリットにもつながります。実際に別の研究では、潜在抑制が低く知的能力が高い人は、創造的な成果を出しやすいことが知られています。より多くの情報が頭の中に入ってきても、それらの情報を使いこなす頭脳を持つ人は、意味のあるものを生み出しやすいからです。

 

【実践】性格や注意力から潜在抑制の度合いを調べてみよう

外向性が高い人の特徴
  • アイデアは頭の中より、口に出しているときに出やすい
  • 静かな環境が続くと、逆に集中しづらくなる
  • 思いついたら、とりあえずやってみたくなる
  • 予定が詰まっているほうが調子が出ることがある
  • 行動してから考えることが多い
  • 刺激が少ないと退屈や焦りを感じやすい

 

開放性が高い人の特徴
  • 一つのことを考えていると、関係なさそうな連想が次々浮かぶ
  • 「普通はこうだよね」と言われると、別の可能性が気になる
  • 新しい考え方や価値観の話を聞くのが好き
  • 正解が一つに決まらないテーマに惹かれる
  • 空想や妄想、もしも話を考えるのが苦にならない
  • 作品、文章、企画など「形のないもの」を考えるのが好き

 

潜在抑制が低めの人に見られやすい特徴リスト
  • 「今は考えなくていい」と分かっていても考えてしまう
  • 作業中に思いついたアイデアを無視できない
  • 一つの言葉や表現から、連想が次々に広がる
  • 必要以上に多くの情報を拾ってしまう感覚がある
  • 整理されていない段階のアイデアが大量に出てくる

これらの項目に当てはまっているものが多い人は、潜在抑制が低い人かもしれません。

もしも「自分は潜在抑制が低いのかも…」と思った人は、長時間集中しようとせず発想力が必要な場面で能力を使ってみましょう。例えば、集中力が発揮できない時間帯や環境では、思い切ってアイデアを広げる時間として使ってみるといいでしょう。

 

まとめ

  • 集中できない・気が散りやすい背景には「潜在抑制の低さ」という個人差がある。
  • 潜在抑制が低い人は外向性・開放性が高く、創造的な発想をしやすい傾向がある。
  • 潜在抑制の低さは欠点ではなく、使い方次第で強みになる。

 

今回の研究から、開放性や外向性などの自分の性格を知ることが、潜在抑制の低さに気づくきっかけにもなりそうです。

潜在抑制が低い人は、情報を広く受け取れる分、発想や創造性を発揮するチャンスに恵まれると捉えてみましょう。

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