- 寝ている間の音に敏感な人でも、神経質にならず落ち着いて眠ることができる
- 無料アプリで手軽に聞けるピンクノイズを紹介!今夜からすぐに実践することができる
- ピンクノイズの科学的な有効性がわかる
眠っているときにエアコンの室外機の音や空調の音、外から聞こえる雑音などが気になって安心して眠れない経験はありませんか?一度気になるとなかなか眠れなくなってイライラしてしまいますよね。
そこで今回は、睡眠の質を高めてくれるピンクノイズの活用法を紹介します。
雑音を雑音で相殺!ピンクノイズで睡眠の質が上がった!
周りの音が気になって眠れない人におすすめなのが「ピンクノイズ」です。ピンクノイズやホワイトノイズと呼ばれる雑音は睡眠の質を高めてくれる効果があります。
ホワイトノイズ・ピンクノイズとは?
「ホワイトノイズ」とは全ての周波数(=1秒間に繰り返される振動の回数)をほぼ均等に揃えたノイズのことです。例えば、エアコン・冷蔵庫・換気扇・テレビ・パソコンのノイズなどの「サー」「ザー」「ゴー」などと聞こえる雑音です。ホワイトノイズは騒音だと感じる周波数の音も含んでいるので騒音を打ち消す効果があります。
↓実際に聞いてみましょう。

ホワイトノイズと似たノイズの種類に「ピンクノイズ」があります。
ピンクノイズとは音のエネルギーと周波数が反比例するノイズのことです。つまり、高い周波数の音ほど弱くなります。ホワイノイズがすべての周波数をほぼ均等に含んでいるのに対して、ピンクノイズは高い周波数の音ほど弱くなる点で異なります。聞いた感覚としては、ホワイトノイズよりも低い音に聞こえます。
例えば、強い雨や滝の音などのように「ザー」と聞こえる音などが当たります。他にも、強風・扇風機・加湿器・木の葉のカサカサという音・エアコンなどがあります。
↓ピンクノイズも実際に聞いてみましょう。

ピンクノイズを聞きながら寝ると睡眠の質が23%アップ!
さて、ピンクノイズですが、寝ている間に聞くことによって眠りをサポートすることができるのです。2012年に北京大学が行った研究では、ピンクノイズを聞きながら眠ると睡眠の質が上がったと示されています。

- 被験者:平均年齢23.4歳の40人(スクリーニング後)
- 介入:ピンクノイズを聞いているときの脳の活動をEEGで観測。また、夜間の睡眠中にピンクノイズを聞かせたときに睡眠の質が上がるかを調べた。
実験①
ピンクノイズを聞いているときの脳波を調べる実験。被験者のうち6人には昼間に眠ってもらい、脳の活動を計測した。
- 10分間静かになる
- 10分間ピンクノイズが聞こえる
以上の手順を5回ほど繰り返す。なお、ピンクノイズの音量は被験者の好みによって20dBから40dBにコントロールされた。
実験②
夜間の睡眠の質を調べる実験。被験者40人がすべて参加し、実験室で1日目と2日目の夜に眠ってもらい、脳の活動を計測した。その際、1日目と2日目は以下の別々の介入を行って比較(被験者によって順番はランダムに入れ替えた)。
- ピンクノイズを聞きながら眠ってもらう
- 静かな環境で眠ってもらう
なお、ピンクノイズを聞きながら眠ってもらう日に関しては、ピンクノイズの音量は実験①と同様に20dBから40dBにコントロールされ、ピンクノイズは一晩を通じて流された。
結果
- 実験①において、静かになるときと比べてピンクノイズを聞いているときには脳波が低レベルに落ち着いていた
- 実験②では、睡眠時間全体に対しての深い睡眠の量が示された。静かな環境で眠ってもらう日では深い睡眠が平均47%だったのに対して、ピンクノイズを聞きながら眠ってもらう日では深い睡眠が平均58%に達していた(23%の増加)。
考察
つまり、ピンクノイズを聞きながら眠ることによって、睡眠の質が高くなると言えるでしょう。理由としては、ピンクノイズは「サウンドマスキング」によって睡眠を邪魔する雑音や騒音を打ち消す効果があるからです。
サウンドマスキングとは、環境音を流して他の音を聞こえにくくする仕組みのことです。寝ている間に周囲に騒音や雑音があると、とても敏感に反応してしまいます。そこで、あえて他のノイズを流すことで、耳障りな騒音や雑音をかき消すことができるのです。流すべきノイズは、穏やかで規則的なものが好ましいです。ピンクノイズの音は、雨や水のような音に聞こえて穏やかであり、ある程度の規則性もあるのでぴったりです。
【今日のクエスト】BetterSleepで環境音を流しながら眠ろう!
ステップ1:ピンクノイズを流せるアプリ「BetterSleep」をインストールしよう
ピンクノイズはアプリやYouTubeの動画などで探すことができます。筆者のおすすめのアプリはこちらです。
心地よい環境音を流してくれるアプリ「BetterSleep」

↑アプリを開いたら「サウンド」をタップ。「川」「風」「夜」などの様々な環境音がずらっと並んでいます。
ステップ2:ピンクノイズに近い環境音を探そう
アプリ内の環境音は多種多様で、研究で使われた「ピンクノイズ」もあります。残念ながらピンクノイズは有料会員でないと使えないようです。今回はピンクノイズに近い滝・雨・波などの音を聞いてみましょう。↓
↑「ピンクノイズ」もあるので、アプリが気に入ったら有料会員になって聞いてみるのもアリ。
↑「ホワイトノイズ」もピンクノイズに近いので代わりに使うのもアリ。ただ、テレビのザーッという音に聞こえるので、筆者個人的にはあまりリラックスできない(笑)
↑「激しい雨」「激しい雷雨」「滝」あたりはピンクノイズに近い。
↑「波打ち際」もおすすめ。
よく聞くサウンドはお気に入りに登録しておきましょう。
↑登録したいサウンドのアイコンを長押しすると、ハートが「ぴろろーん」と出てお気に入りに追加されます。
↑「お気に入り」を選べば登録したサウンドをすぐに選ぶことができますね。
ステップ3:タイマー機能を使って睡眠時に30分ほど流そう
研究では一晩中ピンクノイズが流されましたが、ノイズを長期間聞くのは避けるのが無難です。なぜなら、眠っている時であっても周囲の脳を常に処理しているためです。眠っているときにもうずっとノイズを聞き続けると、脳がエネルギーを余分に消耗してしまいます。なので、30分から1時間程度の短時間を目安に試してみましょう。タイマー機能を使えば自動的に音が消えるので安心です。
↑まずは聞きたいサウンドのアイコンをタップ。その状態で「現在のミックス」という箇所をタップすると詳しい設定ができます。
↑画像のような画面が開きます。「タイマーを追加」をタップ。
↑「10分」「20分」「30分」などから選べるので自分が眠りに落ちるまでの時間を考えて適当に設定しましょう。
ステップ4:音量をうっすら聞こえるぐらいに調整しよう
研究で示されているとおり、20dBから40dB程度の音量で試してみるといいでしょう。20dBから40dBの大まかな目安を以下に示しておきます。
- 40dB:周りで鳴っていても、会話に支障がないぐらいの大きさ。市内の深夜・図書館・静かな住宅地の昼などが目安。
- 30dB:非常に小さく聞こえる。郊外の深夜・ささやき声などが目安。
- 20dB:ほとんど聞こえない。木の葉の触れ合う音などが目安。
ステップ5:習慣のレシピを作ろう!
【獲得経験値】
【関連知識】

↑アプリを使うときにはブルーライトの影響を受けないようにスマホにナイトモードアプリを入れるのがおすすめです。アプリを操作する少しの時間でもなるべくブルーライトを浴びないように気をつけましょう。
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