- うちの親は早死だったから自分もそうだろう
- だから生活を変えても意味ないでしょ?
今回は病気になるかどうかはやっぱり環境で変えられるぞ!というお話です。
がんの90~95%は生活習慣病で改善
遺伝子で決まるというイメージが強いがんですが、実はその9割が生活スタイルなどの環境要因で決まることが分かっています。
実際、MD アンダーソンがんセンターによる研究(※)ではがんは生活環境で予防することができると結論づけられています。がんによる死亡の原因について以下のように分析。
- 約25~30%が喫煙によるもの
- 約30~35%が食生活によるもの
- 約15~20%が感染症によるもの
- その他の原因として紫外線・放射線・環境汚染物質・ストレス
ですので、禁煙する・高脂肪高糖質の食事を避け、野菜やフルーツをしっかりと食べる・予防接種をきちんとする・紫外線ケアをするといった対策を打てば十分に予防することができるのです。
アルツハイマー病や心臓病も生活習慣が鍵となる
がんに限らずアルツハイマー病や心臓病の遺伝の影響が確かにあります。しかしこれらも生活習慣を変えることで予防することができると考えられています。
アルツハイマー病の発症率3倍?「アポリポタンパクE」の変異
アルツハイマー病に関しては遺伝的な部分も影響します。「アポリポタンパクE」という遺伝子に変異が生じている人はアルツハイマー病にかかりやすいのです。
アポリポタンパクEとは血液中のコレステロールの増減に関わっている遺伝子です。アポリポタンパクEがは全ての人が共通して持っていますが、中には「アポリポタンパクE4」という変異が生じている人がおり、その場合血液中にコレステロールが溜まりやすくなります。
なので動脈硬化が起こりやすく、心臓病・脳卒中などの心血管疾患が起こりやすいと考えられます。また、脳につながる血管がふさがれることでアルツハイマー病にもかかりやすくなります。
実際に、アポリポタンパクE 4の変異を片方の親から引き継いでいる場合だとアルツハイマー病のリスクが3倍、両方の親から引き継がれている場合だと9倍になると言われています。
生活習慣が遺伝子を凌駕する証拠
「じゃあ、やっぱり病気は遺伝の影響が高いのでは?」と思われたかもしれません。
そこで「ナイジェリア・パラドックス」についてみてみましょう。
ナイジェリアパラドックスとは、ナイジェリア人において アポリポタンパクE4の変異が起こりやすいにも関わらずアルツハイマー病の発症率が低いという現象のことです。普通なら遺伝子的に アルツハイマーにかかりやすいのですが、ナイジェリア人の場合穀物や野菜などを普段から摂取している量が多いため血管を健康的に保つことができていると考えられています。
つまり、生活習慣は遺伝子の影響を凌駕するということです。
まとめ
さて、今回は病気は遺伝子によるところもあるけど生活習慣で大きく変わるんだという話をしてきました。ですので「うちの親は早死だったから自分もそうだろう」と諦めず、生活習慣の改善を挑戦してみるといいと思います。
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