皆さんは自分の武器を負け戦に使っていないでしょうか。
就職のアドバイスでは「自分の強みを活かせる仕事に就こう」というものをよく聞きます。しかし、よくよく考えると自分の強みで職業を選ぶのは大間違いなのです。
「強み」が周りと被ると満足度ダウン!?
自分の強みを生かすことができれば仕事がうまくいくという考え方は間違いです。
ポジティブ心理学の生みの親である マーティン・セリグマンという心理学者が 行なった実験を見てみましょう。
- 約7000人の男女を集めて仕事と強みの関係性を調べた
- 結果、①強みと仕事の満足度の関係性はやや相関があるもののその相関はとても小さい
- ②自分と同じ強みを持っていない場合満足度が高まる
注目してほしいのは②の結果です。仕事を選ぶときには、周りに自分と同じ強みを持っている人がいるかを考える必要があります。
例えば「コミュニケーション能力」という強みを活かすために営業職に就く、という判断は一見合理的なものに思います。
しかし営業職では、周りの人も同じように高いコミュニケーション能力を持っている場合が多いです。その場合、自分の強みが埋もれてしまう可能性があります。
逆に同じ営業職でも、「戦略性」という強みを持っていればどうでしょうか。他の人が持っていないような強みなので、独自の戦略で商品を売ることができ仕事への満足度も高まります。
つまり、周りが持っている強みと自分の強みが被っていないとき、仕事で大きな満足度を得られるのです。
自分が持っている武器を誰も持っていない場所で使う
僕の場合なら、「向学心」という強みがありますが、だからといって研究職に就くのは短絡的と言えます。
研究者のなかに混じれば、自分が特別だと思っていた能力は平凡なものに見えてしまうからです。
自分と同じかそれ以上の強みを持っている人に対して、「自分の方が勉強熱心だ」「自分の方が詳しいんだ」と張り合うのは不合理です。上には上がいるものです。一番になるなんて無理なのです。
負け戦をするぐらいなら、逃げの戦略を使いましょう。
例えば、向学心という強みを持っている人がクリエイターになったらどうでしょう?
クリエイターになるような人は普通「創造性」「美的センス」という強みを使って凌ぎを削っていることでしょう。「俺のアイデアの方がイケてる!」みたいな。
創造性のフィールドで、あえて向学心を使うとどうでしょう。幅広い知識から周りが真似できないようなアイデアを出すことができ、オンリーワンの存在になることができます。
自分が持っている武器を、誰も持っていないフィールドで使うことによって、戦わずして勝つことができるのです。
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