めんどくさいオタクに隠れたナルシシズム傾向の見抜き方

性格を活かす・見抜く

今回はオタク趣味からナルシシズムを見抜きたい人に向けた内容です。

  • 会話がいつも相手のアピールや専門語りで終わる。
  • 最初は対等なオタク仲間だと思っていたのに、いつの間にか上下関係が生まれ、「それは浅い」「にわかだね」と言われる。
  • 褒めると機嫌が良いのに、指摘すると不機嫌になる。

実は、自己愛の強い人はオタク文化にハマりやすいのです。もちろん、すべてのオタクがナルシストとは限りませんが、「有害なオタクかな?」と思ったら、早めに距離をとるのが賢明です。

 

自己愛の強い人はオタク文化にハマりやすい!?

2015年のジョージア大学などの研究者たちが発表した論文によると、ナルシシズム傾向がある人はオタク文化にハマりやすいことが示されています。

A Psychological Exploration of Engagement in Geek Culture - PubMed
Geek culture is a subculture of enthusiasts that is traditionally associated with obscure media (Japanese animation, sci...

なお、論文では7つの研究について書かれていますが、総合的な結果をまとめています。

 

内容

計2,354人を対象。オタク的活動に関与する度合いと、自己愛的傾向などのパーソナリティやメンタルヘルス、創造性について調べた7つの研究の実施とその分析を行った。

  • オタク文化への関与度合いを測る尺度:オタク的な活動・関心の領域・ライフスタイルを問う37項目のリストを作成。
    • オタク的な活動:テーブルトークRPG・アクションゲーム・ロールプレイングゲーム・コンピューターゲーム・コスプレ・インターネット掲示板への投稿・コンベンションへの参加・超常現象の調査・パペットなどの制作・ロボットの製作・演劇・創作活動の有無。
    • 関心の領域:ファンタジー・SF・アニメ・漫画・ホラーなどのジャンルに興味があるか。
    • ライフスタイル:ロリータやファーリーといったファッションをするか。
  • 性格:ビッグファイブの特性。
  • 誇大的自己愛:「私は注目の的になるのが好きだ」などの項目に回答。
  • 潜在型自己愛:「私は他人の長所や些細な言葉で簡単に傷つく」などの項目に回答。
  • 自己決定理論における基本的心理欲求:自分の意思で行動を選択できていると感じるか(自律性)。自分の能力を発揮し、課題を達成できていると感じるか(有能感)、他者とつながり、大切にされていると感じるか(関係性)などを測定。
  • 空想傾向:「子どもの頃、小人や妖精や、ほかのおとぎ話に出てくるような登場人物が実在していると強く信じていた」などの尺度に回答。
  • 乖離傾向:「鏡を見ても自分だと認識できない経験をすることがある」などの自分が自分ではない感覚の体験を問う尺度に回答。
  • 統合失調型パーソナリティの傾向:「テレパシーを信じているか」「誰も信用しないほうが安全だと感じるか」などの統合失調傾向に関する尺度に回答。
  • 知能:結晶性知能と流動性知能を測定。
  • 創造性:創作的な活動の有無や頻度、態度について問う尺度に回答。
  • 抑うつ:うつ病と診断されるほどではないうつ症状の有無を問う尺度に回答。
  • 主観的幸福感:自分の幸福感を評価。

 

結果
  • オタク傾向がある人ほど自己愛傾向が見られた。
    • 自己愛に対して現実が伴わないときにゲームやファンタジーに逃げることによって自己愛を満たすという考え方は一部正しいかもしれません。
  • オタク傾向がある人ほど、抑うつと主観的幸福感のスコアが高い傾向が見られた。オタク関与の傾向がある人ほど、ビッグファイブ性格特性のうち開放性が高い傾向が見られた。
    • 考察:抑うつ傾向がみられたのはオタク的活動をすることによって一時的な逃避としての役割があると考えられます。
  • 空想傾向・統合失調型パーソナリティ・乖離傾向のスコアが高い傾向が見られた。
    • 考察:空想傾向・統合失調型パーソナリティ・乖離傾向などは創造性に関連していると考えられています。オタクの人はオタク的なジャンルを通して創作的な活動に関心を抱いている可能性があります。
  • 結晶性知能は低い傾向が見られた。
    • 考察:「オタクの人は知的である」という一般的な見方は正しくなかったわけです。知識を貪欲に求めるというよりも、創作や表現への興味が強い活動に創造的な関心を向けていると言えるでしょう。
  • 自己決定理論における自律性が低い傾向が見られた。一方で、関係性のスコアはオタク傾向と関連が見られなかった
    • 考察:「オタクの人はオタク同士で交流する人間関係を求めている」とは必ずしも言えないということです。
  • 考察:主観的な幸福感が高いことと、自律性が低く、抑うつの傾向があることは矛盾しているように思われます。理由は、「現実世界をコントロールできていない」という無力感を感じているからこそ、オタク文化にハマり、自律性を保とうとした結果、幸福感が上がっているのかもしれません。

 

考察

研究の結果、オタク文化にはナルシシズムの傾向がある人が強く惹きつけられるということが示されました

もしかすると、社会においてナルシシズムの傾向が高まっている傾向とオタク文化が社会全体に浸透しているという風潮は関連があるかもしれません。

  • 理由は、自己愛に対して現実が伴わない場合、オタク文化によって自己愛を満たすことができるからだと考えられます。現実世界では実現が難しい自己像も、ゲームや物語の中では体験することができます。
    • 例えば、カリスマ的なキャラクターになりきったり、大いなる力を振るって敵と戦ったりなどです。
  • また、オタク的な分野に関しては専門性を発揮しやすく、周りからの称賛を手軽に得ることができる点も、ナルシシズム傾向のある人にとって魅力的なのでしょう。オタク文化には教育や資格といったものは不要で、オタク的な知識を極めることは他の専門領域を極めるよりも簡単です。
    • 例えば、ゲームに関する攻略や、物語に関するトリビアなどに詳しくなれば、同じオタク仲間から称賛を集めることができます。

 

注意点として、この研究ではオタク文化に興味のある人をネガティブに捉えているわけではありません。むしろ創造的なことに関心が強く、幸福感が高いなどの良い一面もあります。

「オタクの人たちは、自己愛や抑うつ、空想癖などの傾向があるかもね」といった具合で理解しておくといいでしょう。

 

ナルシシズム傾向のある人を見抜きたい人は、オタクであることだけで判断せず、他の手がかりと合わせて判断することが大事です。

 

【実践】オタク的振る舞いから、ナルシシズム傾向を見抜こう!

以下の流れで実践を進めていきましょう。

  1. 自然な会話の流れで「オタク的な話題」を振ってみよう
  2. 相手の反応を観察しよう
  3. 厨二病っぽさを観察してみよう

 

自然な会話の流れで「オタク的な話題」を振ってみよう

例:
  • 「最近ハマってるものある?」
  • 「これだけは語り出すと止まらない、みたいなのある?」
  • 「人から見るとニッチだけど、自分的には刺さってるものってある?」
  • 「詳しいジャンルとか、長く追ってるものってある?」

 

具体的な作品名が出てきて、自分も知っているものがある場合、「私も最近見始めたんだよね」などと話に乗ってみましょう。

  • 「自分、まだ浅いんだけど、どこから入るのがおすすめ?」
  • 「ファンの中でも、派閥とかあるやつ?」
  • 「初心者がやりがちな勘違いってある?」

 

相手の反応を観察しよう

自己愛的ではない回答例:
  • ・知識を共有しようとする:
    • 例:「そこ面白いよね。背景にこういう設定があってさ」「もし興味あったら、この回だけでも見てみて」
  • 相手の理解度に合わせて説明を調整する
    • 例:「専門用語多いから、ざっくり言うとね」「この辺、初見だと分かりにくいよね」
  • 謙虚で話を盛らない
    • 例:「昔から好きだけど、途中で離れて、最近またハマり直した感じ」「ライト層もコア層もいていい」
    • 指摘されたときには、「あ、そうだったっけ。ありがとう」

 

自己愛的な回答例:
  • 「普通の人とは違う」に寄せてくる
    • 例:「にわかじゃ、ここには気づけない」「普通の人はそこまで考えないと思うけど…」
  • 自己顕示が多い
    • 例:「そのレベルなら、まだ初心者」「そこまで分かってる人、ほとんどいない」
    • ゲーム・作品内での称号、レア実績、ランクの話になると饒舌
  • 相手が知らないことを楽しむより、優位性を誇示する
    • 例:「まあ、そこまで知らない人多いよね」「説明しても分からないと思うけど」「それ説明必要?」
  • 線引きが激しい
    • 例:「それは本物のファンとは言えない」「そこだけ好きなのは違う」「そこ分からないと本質見えてない」
  • 訂正されると不機嫌・防衛的
    • 例:「いや、細かい話だから省略しただけ」「それは解釈の違い」
    • 急に話題を変える、黙る、トーンが下がる

 

筆者もゲームやアニメなどはそこそこ好きです。好きな作品に対しては、こだわりや選民意識が働いてしまっている節はあります。筆者も自己愛的な一面があるのかもしれません。例えば…

  • 好きなアニメに関して、「1話から見ずにYouTubeで切り抜き動画見ただけで、『その作品を見た』みたいな感じ出す人嫌だ」みたいに思ったり、
  • ゲームに関して、「最近のゲームはダメだな。グラフィックにこだわってばかりで、本質であるシステムの部分の難易度調整ができてない。本編は簡単すぎてやりがいがないのに、オンラインになると敵がガチ勢ばかりで勝ち目がない。これじゃライトユーザーが楽しめる環境を作れてない」と思ってみたり…

このように、こだわりや思想について、自分の頭の中で思うのは自由ですが、自分なりの楽しみ方をしている他の人に向けて押しつけてしまうと嫌な顔をされるでしょう。

他人に自分の楽しみ方を押し付ける人は、考察でも述べたとおり、「自分が一番わかっているということを誇示したい」という自己愛的な心理が働いているのだと言えそうです。

 

厨二病っぽさを観察してみよう

会話から情報を引き出すのが難しい場合、その人の言動に注目するのでもいいでしょう。

例:
  • 語尾や言い回しが明らかにキャラ由来
  • 「俺は◯◯タイプだから」「◯◯系の人間なんで」とカテゴリ化する
  • 「あのキャラの考え方、完全に俺」

 

アニメや漫画などの作品をオマージュして日常会話で使うのは、適度にやればユーモラスですし、メジャーな作品なら理解できる人も多く場が盛り上がるでしょう。

しかし、あまりにも作品からの引用が多い場合、登場人物に自分を重ねて酔っている自己愛的な人の可能性が高いと言えます。

 

まとめ

  • オタク文化への強い関与は、自己愛傾向と関連することが研究で示されている
  • 問題なのは「オタクであること」ではなく、優位性や特別感を誇示する関わり方
  • 会話の仕方や反応を見ることで、自己愛的な傾向はある程度見分けられる

オタク趣味そのものは、創造性や幸福感を高める健全な側面も持っています。

しかし、知識や世界観を使って上下関係を作ろうとする場合、そこには自己愛的な動機が隠れているかもしれません。

オタクは誰しもこだわりが強い生き物です。大切なのは自分が消耗しない距離感を選ぶことでしょう。

 

 

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