平凡な人でも「頭がおかしい人レベルのひらめき」を得る手法は存在します。
今回のキーワードは夢・統合失調症・創造性です。
論理展開としては、「統合失調症の人は創造性が高い」→「健全な人が見る夢は統合失調症の空想と似ている」→「だから夢には創造性を高める期待ができる」という感じで進めていきます。
統合失調症の人は創造性が豊か!?
統合失調症の患者は創造性が高いことが示されています。
アイスランドで実施された研究では86000人以上の遺伝子プロファイルを調べたところ、統合失調症または双極性障害のリスクを高める遺伝子を持っている人は、俳優・舞踏家・音楽家・視覚芸術家・作家の全国的協会に所属している確率が高かったと言います。
統合失調症とはドーパミン活性が高い人
そもそも統合失調症とは普通の人よりもドーパミン活性が高い人のことを示します。
「ドーパミン」とはご存知の方も多いように、何かを期待した時に分泌されるホルモンのことです。
ドーパミン活性が高いことは創造性が高いこととも関連性があります。
統合失調症の原因は「サリエンシー」の暴走
統合失調症の人 はサリエンシーが普通の人よりも異様な形で起こることが原因です。
「サリエンシー」とは 自分にとっての物事の重要度のことです。
例えば、自分の近くで 仲良しグループが会話しているとしましょう。そのグループはたわいもないことで話しています。この時点では自分にとって仲良しグループが話す会話の内容は重要度が低い、つまり「サリエンシーが低い」と言えます。
しかし、その中の会話で自分の名前が出たとしたらどうでしょう。「何について話しているんだ?」と急激に興味が湧くはずです。この時には「サリエンシーが高くなっている状態」になります。
サリエンシーが高くなる際にはドーパミンが分泌されます。グループの会話から自分の名前が出たらワクワクする気持ちになることは、経験則からわかるでしょう。
統合失調症の人はドーパミン活性が高いゆえに、サリエンシーが異様な形で出ます。自分にとって本来は関係のないことでも自分に関連性があると思い込み、こだわりを持つようになるのです。
例えば、自分のアパートの前に知らない車が停まっているとしましょう。 普通の人なら興味を抱きませんが、サリエンシーが暴走している統合失調症の人は「あの車は自分を監視しているんだ!」というような妄想を繰り広げます。
重要でないことへのこだわり=創造性
自分にとって重要度が高いか低いかというのは潜在抑制機能にも関連があります。
「潜在抑制機能」とは自分にとって重要なものと重要でないものを分ける脳の働きです。
脳は膨大な情報を処理していますがその全てを意識しているわけではありません。例えば、僕たちが歩く時にも「右足を一歩前に、左足を一歩前に…」という風にいちいち意識していたら、脳がパンクしてしまいます。
膨大な情報に脳がパンクさせられないために、潜在抑制機能によって必要な情報と不必要な情報を分けているのです。
しかし、統合失調症の人はこの潜在抑制機能が低いと言えます。そのため、自分にとってどうでもいいことのはずなのに異常なこだわりを見せたりします。
逆に言えば、潜在抑制が低いことは普通の人なら見逃してしまいがちなことにも 重要だと判断すると言えます。
よって統合失調症の人は、他人とは違う視点から物事を考えることができるので、創造性が高いというわけです。
凡人でも統合失調症レベルに創造性を引き上げる
夢のなかでは誰もが統合失調症?
統合失調症の人でなくても、統合失調症の人と同じように創造性を高めることができます。
それが夢を活用する方法です。僕たちが寝ている間に見る夢では支離滅裂な空想が繰り広げられると思います。夢で見る空想は統合失調症の患者にみられる空想ととても似ていると言われています。
イタリア・ミラノ大学の研究チームは、健康的な人の夢に登場する奇妙な創造を、覚醒状態にある健康な被験者および統合失調症患者の空想と比較しました。結果、健康的な人の夢が精神病と空想と似ていることがわかりました。
つまり、僕たちが夢を見ている時には統合失調症レベルで創造性が爆発しているということです。
夢のなかのウロボロスからアイデアを得た化学者
フリードリヒ・アウグスト・ケクレは産業界で重要な化学物質であるベンゼン分子の構造を突き止めたことで有名です。
フリードリヒのひらめきも夢の中で得られたとされています。
ある日フリードリヒは考え事をしている最中に眠りに落ち、夢のなかで 一匹の蛇が自らの尾をくわえてグルグルと旋回している 夢を見たそうです。
「自らの尾をくわえた リング状の蛇(ウロボロスと呼ばれる)」の 夢が、「ベンゼン分子六つの炭素原子が環を形成している」というひらめきにつながったそうです。
夢を培養せよ
夢を創造性に活用する際には、寝る前に自分の問題解決したいテーマを思い浮かべておくことが重要です。
ハーバードメディカルスクールの心理学者で夢を研究しているディアドラ・バレット博士の研究を見てみましょう。
- 被験者に自分にとって重要な問題を選んでもらう
- 次に被験者たちに夢の培養テクニックを実践してもらう
- 被験者たちは毎晩夢の内容書き留め、およそ1週間それを続けてもらった
- その結果、被験者のおよそ半分が問題に関係する夢を見ており、問題に関係する夢を見た人の70%は解決策を見出していた
僕たちもこの実験にならって、以下のポイントで夢を活用してみましょう。
- 自分が解決したいテーマを決める(例:「副業で稼ぐにはどんなことをしたらいいか?」など)
- 寝る前にテーマを思い出す
- 起きたら夢の内容をメモに書き留める(関係なさそうでも)
これを習慣化すると、思いもよらない解決策が見いだせるかもしれません。
【今日のクエスト】テーマを決めてから眠り、起き抜けに夢で見たことをメモしよう
【獲得経験値】
【今日のマインドマップ】
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