- 「スマホを使う機会がない…」という親でも自分が好きなことを通してスマホの使い方を学べる。「使いこなしたい!」と思える
- 高齢の親にも便利なアプリを使いこなしてもらって、若者文化を知ってもらえる。「便利だね」と理解してもらい、新しい文化を共有できる
- イライラせずに根気強く教えてあげることができる
今回は、年寄りでもスマホを使いたくなる徹底解説です。年を取ってからでも、まだまだ長い人生が続きます。デジタルへの移り変わりについていくための第一歩として、スマホの使いこなしを学んでいきましょう。
インターネットを使いこなして「スーパーエイジャー」になろう!
まずは、「スマホを使いたい!」と思えること大事です。というのも、そもそも高齢者がスマホを使いこなせない理由は「自分の生活に必要ない」と思っているからです。必要性を感じなければ使おうとしませんし、使わなければ上達しないのも当然です。
そこで、まずはスマホを使いこなすことによって得られるメリットを見ていきましょう。
趣味を充実させられる
仕事の引退を考えはじめる時期になると、老後の趣味を持とうと思う人も多いはずです。また、健康寿命を維持するために食事や運動など基本的な生活習慣の見直しをしようとしている人も多いでしょう。スマホは趣味や生活をサポートする上でとても役に立ちます。
例えば、運動・読書・映画鑑賞・資格の取得・スポーツ・囲碁や将棋などのボードゲーム・料理・英語学習・子供や孫との会話…などを充実させられるのです。
趣味や生活をサポートするスマホの使い方
- 運動→散歩 などの運動をするときに歩数・心拍数・消費カロリーなどを測定できる
- 読書→スマホの画面で読書ができ、何冊でも持ち運んで好きな場所でも読める
- 映画鑑賞→一定の月額料金を払えば映画やドラマが見放題で楽しめる
- 旅行→店の名前で検索してスマホにナビしてもらうことができる
- 将棋などのボードゲーム→相手がいなくても対局を楽しむことができる
- 料理→使いたい食材や料理法で指定して、レシピを探すことができる
- 英語学習→単語カードのように英単語を効率的に学習することができる
脳の可塑性を高めて「スーパーエイジャー」に!
「スーパーエイジャー」とは、80歳以上の年齢にも関わらず中年と同じぐらいの脳機能を維持している人たちのことを指します。
スーパーエイジャーになるためには、実際に、ノースイースタン大学の研究ではスーパーエイジャーほど新しいことに積極的にチャレンジしていることが分かっています。
よく「自分は年寄りだからデジタルが使いこなせない」という言葉を聞きます。しかし、ある研究では年をとってからでも人間の脳は新しいことを 学習 するたびに変化していく(=可塑性がある)ことが分かっています。
「自分は年寄りだから覚えられない」と考えるのではなく、「年寄りだからこそ未知のことに積極的に挑戦して、脳を若々しく保つことが大事なのだ!」と考えましょう。
インターネットの利用が生活満足度を高める!
機械が台頭してくる時代では、積極的にチャレンジできる人ほど楽しい老後を送ることができます。
実際に、2016年のアリエル大学などの研究によると、インターネットの利用が高齢者の人々の生活満足度を高めると示されてきています。
理由の1つとしては、インターネットを活用することによって高齢者が友人や家族たちだけでなく、 若い世代とのコミュニケーションの機会を増やせるからです。インターネットは新しい世界に挑戦する扉なのです。
若い世代と一緒に学ぼう!スマホ操作の基本
「タップ」って何?基本的なタッチ操作
携帯電話なら使えていたという人も、スマホになると使えなくなったという人が多いです。なぜなら、スマホは物理的なボタンを押すのではなく、タッチ操作をするからです。
まずは基本的なタップから教えるのが良いでしょう。最初のうちはカタカナを使うと混乱するので、擬音を使って表現してあげるといいでしょう。例えば、「タップして」の代わりに「ポンって押してみて」などと表現するなどです。
実際に、タップという言葉を理解していない人も多く、画面をグッと押し込むように押す人もいます。これは携帯電話の物理的なボタンのイメージが強いため仕方がないことです。なので、教えるときにはお年寄りの立場で基本的な操作から教えることが大事です。
「アカウント」は銀行口座だ!既知の言葉で置き換えてわかりやすく
スマホでアプリやサービスを使おうとすると、「アカウント」「ブラウザ」「クラウド」「SNS」などカタカナの用語が多いです。カタカナの用語は、高齢者がスマホを理解して覚えるためのハードルになっていると言えます。
新しく出てくる用語は、既知のものに言い換えてイメージしやすいように教えてあげましょう。
例えば、「アカウントを作るためにはIDとパスワードが必要」と言ってもチンプンカンプンです。また、アカウントを理解していない人には、「一度何かのアプリで設定したIDとパスワードは他のアプリでも同じように使える」と間違えて理解している人もいます。そこで、アカウントを銀行口座にたとえて解説してみましょう。
「アカウント」は銀行口座のようなもので、「ID」は口座名、「パスワード」は銀行口座に入るための暗証番号だよ。
アカウントは複数のアプリやサービスを使う場合、それぞれに必要なんだよ。銀行口座も複数持っている場合、それぞれに暗証番号があるよね。それと同じでいろんなアプリで使うときは、それぞれパスワードが必要なんだよ。
とにかくこれに尽きる!「アカウント」と「ログイン」
高齢者がスマホを使う上で大きなハードルとなっているのがアカウントづくりとログインです。インターネットを活用する上で欠かせません。
しかし、高齢者にとっては(というより、ほとんどのインターネット初心者にとっては)難しいため、アカウント作りでつまずいてしまってアプリやサイトを使いこなせないという状態になりがちです。
対策としては、ログインを簡単にする機能を積極的に活用することです。例えば、パスワードがややこしければ指紋認証や顔認証といった生体認証で設定してみるといいでしょう。もしくはスマホのパスワードを覚えてくれる機能を積極的に活用してみましょう。アカウントの作り方は、実践編のステップ2・3で徹底的に解説していきたいと思います。
本人にアプリやサイトを操作させてあげよう!
スマホに慣れていないうちは、画面のどこに触れていいかがわからないと思います。というのも、スマホを日常的に使っていて、さまざまなアプリやサイトを閲覧している人は画面内のアイコンやメニューなどタップできる場所が分かります。
しかし、高齢者の場合見たことのない画面が表示されると、何を触っていいのかが分からなくなり固まってしまうのです。
操作に慣れていくためにはさまざまなアプリやサービスを使って慣れていくしかありません。例えば、「アプリやサイトの端っこにある三本線のマークを押すと、メニューを開くことができるんだな」と分かってきます。
画面の操作に慣れるためには自分自身で操作してもらうことが大事です。隣で指示を出すだけならいいですが、教える側が操作しながら説明するのはよくありません。なぜなら、画面の切り替わりが早いと、どこ押したのかがよくわからないからです。
まずはこれだけ!スマホを使いこなす上で必要な基本用語一覧
今すぐすべての用語を覚える必要はありません。何となく「こんな感じかな?」と理解していただけたら結構です。
また、この機会に若い世代の皆さんも用語を復習しておきましょう。自分たちが感覚的にわかっている用語も、言葉で説明できるようにしておいたほうがスムーズに教えることができます。
- インストール: アプリをスマホの中に入れること
- アプリ:スマートフォンに入っているアイコンのこと
- ホーム画面:スマホの最初の画面のこと。「ホームボタン」を押すとホーム画面に戻ることができる
- ホームボタン:スマホの下画面の中央に表示されている丸いボタン。
- アカウント:それぞれアプリを使用する上で必要になるもの。銀行口座のようなもの
- ID:アカウントに登録しておく名前のこと(電話番号やメールアドレスが使われる)。銀行口座でたとえるなら口座名
- パスワード:アカウントに登録しておき、認証するときに使うもの。銀行口座でたとえるなら暗証番号
- ログイン:作ったアカウントに「入る」こと。銀行口座でたとえるなら、お金を引き出したり振り込んだりするために自分の口座に入ること
後述する実践編では、これらのキーワードを復習しながらアプリのインストールとアカウントの解説をしていきます。
アプリ
↑「アプリ」はスマホの画面に入っている丸いアイコンのことと覚えておきましょう。アプリはそれぞれ何かの機能を持っています 。アイコンをタップするとその機能を使うことができます。例えば、 料理のアプリだったら料理のレシピを調べたり、動画のアプリだったら 映画やドラマを視聴したりできます。
ホーム画面とホームボタン
↑ホーム画面はスマホを開いたときに最初に見える画面のことです。ホームボタンはスマホの下画面の中央に表示されている丸いボタンです。
ホームボタンを押すとホーム画面に戻ることができます。
↑例えばこのように何かのアプリを開いているときでも、画面下のホームボタンを押すとすぐにホーム画面(一番最初の画面)に戻ることができます。便利なので覚えておきましょう。
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