- 専門分野にとらわれず、さまざまな分野の知識を集める「雑食スタイル」で、自分だけの価値を示す
- ノートアプリでメモや読書ノートをコレクションし、自分だけのアイデアを自在に引き出せる
- 周りの人が白紙の企画書の前でうなっている中、最速で斬新な企画を出せる
あらゆるジャンルのビジネスマンはすべて創造者である
「創造力」とは、何もない状態から独自の新しいものを生み出す能力のことです。「クリエイティビティ」とも言われます。
創造力が必要な職業といえば、まず先に思い浮かぶのが「クリエイター」でしょう。クリエイターとは何かを創り出す人のことです。クリエイターの分野は多岐にわたります。「○○クリエイター」と名のつくものだけでなく、プランナー・デザイナー・ライターなども含むからです。
クリエイティブな業種の代表例:
- プランナー:例えばゲームプランナーなら、ゲーム画面のレイアウト、ルール、キャラクター、シナリオなどの企画を提案
- イラストレーター:キャラクターや背景のイラストを描く
- シナリオライター:ストーリーを作り込み、台詞や文章を考える
- プログラマー:プログラミング言語を用いてゲームやアプリの動きを作っていく
- UI/UXデザイナー: Webサイトやアプリの見た目や操作性を設計する
しかし、創造力はクリエイターなどの特定の業種だけでなく、あらゆる職種で必要です。例えば、ビジネスにおいては創造力があることによって、多くの企画を考え出して実践することができます。
創造力の活用例:
- 営業・人事・事務:クライアントに高く評価されるサービスを提案する。効率的な仕事の進め方を考え出したりする…など。
- 商品開発:革新的な商品やサービスを開発する
- 研究開発:新しい研究テーマを見出す
- マーケティング・経営:ユーザーの心をつかむために斬新な戦略を考える。新しいビジネスモデルを生み出す
- 教育:効果的な指導法の開発。教材の開発
このように、創造力は何かを企画したり、新しいものを取り入れたりするときに必須のスキルなのです。
創造性を高めるカギは興味関心を増やし、「雑食」になること
創造力を高めるためには、興味関心を高めて様々な分野の情報に触れることが重要です。なぜなら、畑違いの分野から思わぬ発見を得ることができるからです。
ダートマス大学教授で経営学が専門のアルバ・テイラーとノルウェー経営大学院教授のヘンリッヒ・グレーブは、知識の幅の広さがクリエイティビティにどんな影響を及ぼすかを検証しました。具体的には、コミック本をクリエイティブに生み出すクリエイターの特徴を検証しました。
コミック本に関わるクリエイターを対象に、クリエイターのどんな要素がコミック本の商業的価値を高めるのかを検証した。
結果
- 商業的価値が高いコミックを生み出す要素は、コミックの22のジャンルのうち、クリエイターがいくつのジャンルに関わったことがあるかだった(例えば、コメディ・犯罪・ファンタジー・アダルト・実話・SFなど)
- 経験年数はクリエイターの差別化にはつながらなかった
要約・考察
つまり、より幅広いジャンルを経験しているクリエイターの方が、平均的に商業的価値が高いコミックを生み出していたということです。
これはクリエイターではない業種のビジネスマンでも同じように言えることです。分野にとらわれず「雑食」になるためには、知識やアイデアを日頃からストックすることが重要です。
具体的には、読書とメモの二つの習慣を実践してみましょう。メモの習慣で問題点に気づき、読書の習慣で解決するための知識の引き出しを増やし、相互に組み合わせることによって、創造性を高めることができます。
美味しいところだけつまみ読みすればOK!読書で知識のストックを増やす
創造性を高める上で知識のインプットを増やすことが重要です。なぜなら自分の専門外の知識が創造の種になるからです。それだけでなく、社会の動向・発展してきている技術・人間の心理などを知っていたほうがビジネスでアイデアを出す上で役に立つでしょう。
なので、本を読む時にはビジネスに関係するものだけでなく、様々な分野でインプットするのが良いでしょう。例として、筆者が最近読んだ書籍を挙げておきます。
RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる
歴史を変えた創造性がどのように発揮されていたのかを解説しています。専門分野を極めるのではなく、専門外の分野の知識や技術を応用することによって創造性が発揮できるというマインドセットを養うために読んでみるといいでしょう。
「選択的シングル」の時代30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」
「結婚するのが幸せ」という常識にとらわれず、独身のままで生きることについての本です。結婚への興味が薄れてきているという社会の動向をつかむために読んでみるといいでしょう。
科学的な適職
体の健康やメンタルヘルスに良い働き方とは何かについての本です。適職選びについての本ですが、すでに働いている人が職場をどのように改革していくかについて考える際にも役に立ちます。
コミュ障でも5分で増やせる超人脈術
「コミュニケーションスタイルや価値観などの類似性が高い相手との方が親密度が高まりやすい」など、人と親密になるための方法を心理学の研究をもとに解説されています。若者や高齢者の孤独が問題になってきている現代で、どのようにコミュニケーションスキルを伸ばしていくかを考えるきっかけになるでしょう。
「読書が苦手」という人は勉強のイメージがあるからでしょう。そこでオススメなのが、読書は勉強ではなくアイデアのための材料探しなのだと捉えることです。例えば、「ブログの記事を執筆するため」「プレゼンの資料を作るため」「企画のアイデアを出すため」といった目的を定めて本を読むのです。
例:
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読む目的:「コミュニケーションが苦手な若者向けの新しいSNSサービスを作るアイデアを思いつきたい」
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参考になりそうな知識:「コミュニケーションスタイルや価値観などの類似性が高い相手との方が親密度が高まりやすい」
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アイデア:価値観をマッチングするマッチングサービスはどうか?プロフィールにはパーソナルな部分を深掘りする項目を書きこめる。価値観の合うビジネスパートナー、真に心を開ける友だち、生活や子育てで価値観が合いそうなパートナーを探すことができるサービス
読む目的を決めたら、実際に書籍を開いて読んで思いついたことがあればメモしていくだけ。書籍を全て読み通そうとする必要はありません。自分が欲しいアイデアに関連ありそうな箇所だけを読んでいけばいいのです。
その分野に詳しくなって専門家になろうとするのではなく、美味しいところだけを味わうのが雑食スタイルです。
「気づき」をメモしてアイデアの起点にする
ビジネスのアイデアを考える上で知識を増やすだけでは不十分です。なぜなら、解決するための知識があっても解決する問題が明確でなければ使いどころがないからです。
そこでメモの習慣を実践してみましょう。メモを取ることによって世間で問題とされているテーマに気づくことができるからです。
特にビジネスのアイデアの起点となりやすいのは、生活や仕事の中での違和感や不便さです。「不便だな」と思うことやイラッとすることを書き留めておくことによって、「どうすればそれを解決することができるだろう?」とアイデアを生むことができます。
例:
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アイデア:インターネットで服を買うことに特化したアプリ。アプリ内で自分のアバターを作り出して、服の似合う度を評価できる。ファッションアイテムをアプリ上で組み合わせて、コーディネートをシミュレーションできる
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アイデア:プレゼント選びに役立つ情報サイト。プレゼントを渡す相手の趣味・性格・生活習慣などを問う質問に回答をすると、おすすめの商品を紹介してくれる機能もある
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アイデア:通販サイトで似たレビューをまとめてくれるAI。その商品に欲しい機能をユーザーの属性ごとに分類し、商品開発に役立つ情報を提供できる
【実践】雑食スタイルで知識とメモを集め、アイデアを形にしよう
雑記データベースを使って「インプット→創造→アウトプット」の流れを作ろう
ビジネスアイデアに生かすための情報をストックする上でおすすめなのが「雑記帳」です。雑記帳は、頭の中に思いついたアイデアや読書メモなどをジャンルにとらわれずに書き留めていくためのツールです。
雑記帳はアナログのノートで作っていくよりもデジタルノートで作っていく方が効率的です。いわば雑記データベースです。
↓すべてを集約
デジタルの「雑記データベース」
雑記データベースの使い方の流れ
- インプット(メモノート):日常の不便さから「気づき」を得て走り書き用のメモ帳などにメモ。メモ帳から雑記データベースに入力する
- インプット(読書ノート):読書で「知識」を得て、雑記データベース内で読書ノートをつくる
- 創造:メモノートや読書ノートを定期的に見直して、「アイデア」を練る。アイデアをタグ付けしておく
- アウトプット:特定のタグで検索して関連するノートを探す。ノートのアイデアを組み合わせて形にする
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