認知症予防には「認知的予備能」がカギだった!

探究力
この記事はこんな方にオススメ
  • 認知症が怖い
  • 脳の衰えを防ぐにはどうしたらいい?
  • 認知症のなりやすさと頭のよさって関係があるの?

今回は、認知的予備能を鍛えておけば認知症の症状が出にくくなるぜ~というお話です。

 

 

「認知的予備能」を鍛えるには学び続ける

「認知的予備能」とは、脳のバックアップシステムのことです。脳が機能を失うような問題(例えば認知症とか)に直面した時に、速やかに対処する能力の高さです。

 

脳のネットワークを何本もの道だと捉えると、認知的予備能が高ければ予期せぬ問題が起きてどこかの道が通れなくても別のルートを使えます。

そして、認知的予備脳は学習によって培われます。つまり、たくさん勉強をしている人の方が、より強固な認知的予備能を持っているのです。

 

衰えているのに衰えていない!?

1980年のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究によると、ある介護施設に入所している高齢者において、明らかに認知症の症状が見られていないのにもかかわらず、死後解剖したところアルツハイマー病を示す脳の構造が発見されたとのことです。

Clinical, pathological, and neurochemical changes in dementia: a subgroup with preserved mental status and numerous neocortical plaques - PubMed
Postmortem examination was performed on 137 residents (average age 85.5 years) of a skilled nursing facility whose mental status, memory, and functional status ...

つまり、脳はアルツハイマー病っぽいのに症状には出ていなかったことを意味します。これは認知的予備能というバックアップがあることによって、脳の機能を脅かす問題が起きたとしても別のルートが使われていたことで回避できていたというわけです。

 

 

学歴に関わらず学び続けることが大事

認知的予備能を鍛えるには脳を教育し続けることです。ただし、学歴が高いことが直接認知的予防につながるわけではありません

 

 

根拠となる研究

2019年の研究では、学歴が高いかどうかと認知機能の低下は関係がないことが分かっています。

Education and cognitive reserve in old age
To assess the contribution of education to cognitive reserve.Analyses are based on older participants in a longitudinal clinical-pathologic cohort study who had...
介入

平均年齢78歳の約3000人を対象に、8年間追跡調査を実施。なお、参加者は平均16.3年の教育を受けていた。

参加者を教育レベルによって3つのレベルに分け、それぞれの被験者に思考力や記憶力のテストを受けさせた

 

結果
  1. 追跡の結果、研究期間で700人が認知症を発症
  2. 調査を開始した時点では思考力や記憶力のテストで、高学歴な人ほど成果が良かった
  3. しかし、学歴の高さと認知機能が低下する進行速度には相関関係が見られなかった
考察

つまり、教育レベルが高い人ほど年をとっても頭がいいということは分かったものの、認知症になりやすいかどうかに学歴は関係ないということです。

 

【今日のクエスト】継続的な学習をしよう

認知症の進行を予防するには学歴だけでは足りず、継続的に学習・読書・社会的な交流などを続ける必要があります。

例:

  • 興味のある分野の本を買って読書する
  • 図書館で本を借りて読む
【獲得経験値】

 

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