「意志が弱い」は関係なし!?カールトン大学が示した続かない理由

意志力

目標を達成するために意志力を発揮しようとしている人に向けた内容です。

  • 「今日こそ3時間勉強する」と決めたのに、気づいたらスマホを触って1時間経っている。
  • ダイエットを決めたのに、コンビニの前を通ると気持ちが揺らいで「今日くらいはいいか」とスイーツを買ってしまう。
  • 「今日は早く寝よう」と決めたのに、ベッドでスマホを開いてしまう。

目標に向かっているときに、遭遇する誘惑と戦って勝つのは困難です。実は、目標を達成する上では誘惑に打ち勝つ意志力よりも、誘惑そのものを取り除く方が重要かもしれません。

 

意志力の有無は目標達成に関係なし!?

2017年にカールトン大学などの研究者たちが発表した論文によると、誘惑に対して抗うよりも誘惑物とそもそも接触しないほうが目標を達成しやすいことが示されています。

例えば、ダイエットに取り組みたい場合、通勤路にファーストフード店があったり、同僚からお菓子を勧められたり…などの誘惑が多いほど目標達成は遠のいてしまうわけです。

 

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内容

159人の大学生1年生を対象。研究の大まかな流れは以下の通り。

  1. 4つの目標を自分で設定してもらった(例:成績向上、健康改善など)
  2. 1日のランダムなタイミングでアンケート調査に回答した
    1. 誘惑をどの程度感じているか
    2. その誘惑をどれだけ我慢したか(意志力を働かせたか)
    3. その瞬間の疲労感
  3. 1日の終わりに疲労感を評価するアンケート調査に回答した
  4. 学期末までに目標を達成できているかどうかをチェックした

 

結果

目標達成を左右する要素については…

  • 目標達成を左右するのは意志力の強さではなく、日常で経験する誘惑の多さだった
  • 被験者同士を比較した場合、普段から強い誘惑を多く経験している人ほど、学期末の目標進捗が低かった
  • 一方、「どれだけ我慢したか(意志力)」は、目標達成に貢献していなかった。

 

誘惑を体験することと疲労感については…

  • 強い誘惑に駆られたときには、より意志力を発揮する必要があり、その結果疲労感が増えていた。
  • また、単純に誘惑に遭遇するだけでも疲労感が増える
  • 誘惑が多い人は少ない人と比べて疲労感が増えていた。 

 

疲労感と目標の達成率については…

  • より強い誘惑を経験することで1日の終わりの疲労感が増え、その結果目標の達成率が低くなっていた

 

考察

研究のポイントを簡単にまとめると以下のようになります。

  • 意志力が強い人が成功するというよりも、誘惑が少ない環境にいる人のほうが成功しやすい。
  • 誘惑を我慢するときに疲れるだけでなく、単純に誘惑を体験するだけでも疲れる。

つまり、最も重要なのは環境設計と言えるでしょう。目標達成のために疲れ果ててしまう場合、「自分は意志が弱い」と自己評価するのではなく、誘惑が多すぎる環境にいないかを見直すべきです。

例えば、スマホ通知を切る、勉強場所を変える、間食を家に置かないなどの工夫が有効です。

 

【実践】誘惑を取り除く環境設計をしよう!

おすすめの習慣プラン
  • 会社を出て帰宅する前には…
    • →会社から出る前に低カロリーおやつを食べる(空腹対策)。
  • 娯楽的なサイトを閲覧した後は…
    • 検索履歴を削除して、調べもののときに候補に挙がらないようにする。

 

ステップ1:自分の目標と対立する誘惑について考えてみよう

まずは誘惑に遭遇する瞬間を特定する作業を行いましょう。誘惑そのものだけでなく、自分の行動の流れや時間帯などを思い返してみるといいです。

例:
  • 勉強を習慣化する→「時間を無駄にしてしまう」
    • スマホを見て時間を無駄にしてしまう。
    • 勉強アプリを開こうとしても、ついついネットサーフィンをしてしまう。
    • ゲームアプリを開いてしまう。
    • リビングでテレビがついていると見たくなる。
    • 家に置いてあるゲームをしたくなる。
  • ダイエットする→「つい食べたくなる」
    • 家に置いてあるお菓子を食べたくなる。
    • 仕事帰りのコンビニでスイーツを買いたくなる。
    • 休みの日はなんとなく冷蔵庫のアイスが食べたくなる。
    • 職場で差し入れをもらう。
    • 「頭を使ったから」と言って、デスクの引き出しのおやつをつまむ。
    • ストレスが溜まった日にドカ食いしたくなる。
  • 睡眠の質改善→「ついスマホを見てしまう」
    • ベッドに入って「少しだけSNS」と考えてしまう。
    • メッセージで通知が入ると見てしまう。
    • 「アラームを設定しよう」「ちょっとヒーリング音楽を聞こう」などとスマホをいじって、そのままインターネットを開いてしまう。

 

ステップ2:誘惑に遭遇しないで済む対策を考えてみよう

例:勉強
  • スマホを見てしまう
    • 勉強中はスマホを別室に置く(机に置かない)。
    • タイマーはキッチンタイマーを使う。
  • ネットサーフィン、SNS、ゲームアプリに流れる
    • YouTubeのトップページをブロックして、通知をオフ。
    • 検索エンジンのトップページの「今話題の記事」をオフにする。
    • 検索履歴を削除して、調べもののときにゲームの攻略情報や芸能ニュースなどが候補に挙がらないようにする。
    • 勉強用と趣味用でスマホを使い分ける。
  • 家にあるテレビ、ゲーム
    • 勉強は図書館・カフェなど別の空間で行う。
    • 家族に「この時間は消してほしい」と共有。
    • 目標達成日までゲームを箱にしまう。

 

例:ダイエット
  • 家にあるお菓子
    • そもそも買わない。
    • 透明容器に入れない。
    • 代替として低カロリーおやつを固定。
    • 食後すぐ歯磨き。
  • 帰りのコンビニ
    • コンビニやファストフード店が少ない通勤路に変える。
    • 空腹で帰らない(プロテインや健康おやつを持参する)。
  • 職場の差し入れ
    • 「今はダイエット中なんです」と先に宣言して、受け取らないようにする。
  • ストレスでドカ食い
    • ストレス対処リストを事前に作って先に実践(10分散歩する、好きな音楽を聴く、紙に書き出すなど)。

 

例:睡眠の質改善
  • ベッドでスマホ
    • スマホは寝室に持ち込まない。
    • スマホのアラームではなく、目覚まし時計を別で用意。
  • 通知を見てしまう
    • 21時以降は通知をオフにする。
    • 睡眠モードを自動設定。
    • アラームは固定時刻に設定するなどして、スマホを触るきっかけを減らす。

 

まとめ

  • 目標を達成できないのは、意志力の弱さよりも誘惑の多さ。
  • 誘惑を我慢するだけでなく、遭遇するだけでも疲労感は増える。
  • 疲労感が積み重なることで目標達成率が下がる。
  • まずは誘惑に遭遇する瞬間を特定し、物理的に遠ざけることが重要。

目標達成を妨げているのは、あなたの意志の弱さではないかもしれません。本当に重要なのは、意志力を鍛えることよりも、誘惑に遭遇しない環境をつくることです。

もっと頑張るよりも、もっと減らすのが成功への近道です。

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