- 情報や知識を深めて考えたい
- 自分なりの研究テーマを持ちたい
今回は、クリティカルシンキング(=批判的思考)を働かせるための「ビッグ6」と呼ばれる六つのフォーマットをご紹介します。
クリティカルシンキング(批判的思考)とは、常に批判的な姿勢を持ちきちんとした情報かどうかを吟味するテクニックです。
クリティカルシンキングを意識することにより1つの知識を深めることができます。
クリティカルシンキングのビッグ6
- 問題となるテーマは何か?
- その問題はなぜ重要なのか?
- 見落としている点はないか?
- どうやって今の結論にたどり着いたか?
- その情報は誰からの情報か?
- 考え残している点はないか?
自分の判断について上記の6つを問いかけることによって、
例えば、ダイエットのために食事改善をするというケースについて考えてみます。
- 起きているか問題のテーマは?→太ってきたから 体型をどうにかしないといけない。とりあえず脂質制限をしてみようか
- なぜ重要なのか?→このままの体型では様々な病気にかかってしまうから。太っているままではモテないから
- 見落としている点はないか?→脂質制限のダイエットが果たして続くのか。本当に有効な手法なのか
- どうやって今の結論にたどり着いたか?→ 脂質は栄養素の中でもカロリーが多いと聞いたことがあるから
- 誰からの情報か?→ネットで調べてみたらなんとなくの情報
- 考え残している点はないか?→そもそも何かを制限せずに痩せる方法はないか
2番目の「なぜ重要なのか」という問いかけが大事です。この問いかけによって目的意識をはっきり持つことができます。例えば「脂質はカロリーが高いから制限しよう」という決断を見直すことができます。事実、脂質を制限するダイエットは腹持ちが少なくストレスが溜まりやすいですし、肌の潤いが失われパサつきやすくなるといったデメリットもあります。「なぜ痩せることが大事なのか →モテたいから」という目的意識を持っておけば、「脂質を制限して痩せたとしても肌が荒れてしまうんだったら意味ないじゃん」と大事なことを忘れずに済みます。
自分の考えを持つためのクリティカルシンキング
本やネットからの情報によって何かを学び取ったとき、その問題を深く掘り下げたい時にもクリティカルシンキングは活用できます。自分なりの疑問や研究テーマを持ちたい人はクリティカルシンキングによって新しい発想を得ることができるでしょう。
例えば、スピノサウルス水棲説について考えてみます。
- 何が起きているか問題のテーマは?→スピノサウルスは果たして 水の中で自由に泳ぐことができる異端的な恐竜だったか。自分には水中で生活していたように思える(=今の結論)
- なぜ重要なのか?→恐竜の仲間で水の中を泳ぐことができる大型の恐竜は珍しいから。「珍しいからそうであってほしい」という主観が入らないようにしないといけない
- 見落としている点はないか?→反対意見として、水中では姿勢を保つのが難しいというシミュレーションの2018年の研究や、鼻腔の位置からして水中で過ごすと呼吸がしづらいという意見も見逃せない
- どうやって今の結論にたどり着いたか?&
- 誰からの情報か→2014年にニザール・イブラハムが魚を捕まえるのに適した歯の形、細長い顎などから魚を食べていたことが示され水棲が出ているから。2020年の研究で幅広いしっぽを持っており水のなかで推進力を生み出すことができたと分かったから。2022年の研究では骨の密度が他の恐竜よりも重く水の中で重りとなる働きがあったと言われている
- 考え残している点は?→魚を食べていたからといって水中を泳いでいたとは限らない。幅広い尻尾や骨の密度が高いということが水に潜水する以外の用途で使うことができないか?
こうしたクリティカルシンキングの結果として、自分の考えをまとめると…
別の用途について→幅広い尻尾が泳ぐためではなく、異性にアピールするためのディスプレイという意見もあるが、ディスプレイとして働くのは背中の
鼻腔の位置が呼吸しづらい点について:まだ進化の途中だったからではないか。実際にクジラの仲間のバシロサウルスも明らかに海で生活していたが、今のクジラの仲間ほど高い位置に付いているわけではない
水中では安定した姿勢を保てないという点について:常にプカプカ浮かんでいる生活には確かに向いていなさそうだが、獲物をとるだけ潜っていただけなら大して問題にならないのでは。
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