- 自分の子供が発達障害かもしれない
- 発達障害の子供に手を焼いている
- 落ち着きのない子供に手を焼いている
発達障害の子供は周りの子供ができることができなかったり、親や先生が指示通りに行動が出来なかったりと様々な弊害が出てきます。
そこで今回は発達障害(特にADHD)とワーキングメモリーの関係性について説明していきます。
ADHD とワーキングメモリを鍛えて直せる!?
ADHD の子供は脳の運動野が異常に活発化しているために落ち着きのない行動を取るようになります。
ADHD の場合、ワーキングメモリが運動野の活動を抑えるのに全ての力を使い果たしてしまうので、目の前のことに集中するところまでカバーできていない状態になっています。
机に座って授業を受けるというシチュエーションにおいても、 「今すぐ立ち上がって体を動かしたい!」という衝動を抑えるのにワーキングメモリが全ての能力を使い果たしてしまって、教科書を読んだりノートを取ったりさせることまで手が回っていない状態です。
ADHD の子供には指示をひとつだけにする
ADHD の子供に有効なのは指示をたった1つに絞ることです。
ADHD だと一度に複数の指示を覚えておいてそれを実行することができません。
例えば、「今からこのワークシートを埋めてください。分からない時は教科書やノートを見て回答を埋めて行ってください」
このような指示を出したとします。
周りの子はこの指示でワークシートを進めることができますが、ADHD の子には指示が難しすぎて実行することができません。
この指示を分解していくと、二つの指示が混ざっていることがわかります。
「ワークシートを埋めること」と「ワークシートが分からない時は教科書やノートを見ること」の二つですね。
同時に指示を与えてしまうと混乱してしまうので、ADHD の子には指示を分解することを意識しましょう。
「まずはこのワークシートをやってね」と指示した後、出来上がった後に「よくわからなかったところはない?」と確認し、「分からない所は教科書で調べていいよ」と指示する感じです。
指示を分解するということを意識するだけでも落ち着きのない子供をうまく指導することができます 。
その他の発達障害とワーキングメモリー
自閉症とワーキングメモリー
自閉症の特徴的な一面としては、コミュニケーションをとるのがとても苦手な割に、自分の興味のあることに関しては深い知識を持っていることです。
自閉症の子にもワーキングメモリーの低さが関係しています。
自閉症の子はコミュニケーションに関する情報を脳に止めて頭の中で処理することを苦手としています。
例えば、自閉症の子に「今日の調子はどう?」と質問してもうまく答えられなかったりします。
その代わり、「蛍はなぜ光る?」のと聞いたらすらすらと答えたりするので不思議なものです。
識字障害とワーキングメモリ
識字障害(ディスレクシア)の特徴的な一面としては、文字情報をうまく処理することができず、文字が読めなかったり書けなかったりすることです。
例えば、数字の「41」という数字を書こうとしても「14」と書いてしまったりします。
※子供が小さい時は鏡文字と言って、反転したような文字を書くことがありますが、これは識字障害ではないのでご安心下さい。
子供は文字を画像として認識しているので、文字に向きがあるということがよくわからないだけです。
像は右を向いていても左を向いていても像であることに変わりありません。ひらがなや数字もイラストとして理解するので「文字だけは向きが決まっている」というルールが理解できませんが、そのうち理解できてきます。
さて、識字障害の子は言葉の情報を脳の中に記憶しておくことが難しいので、長い文章で理解することや、紙の上にアウトプットすることを苦手としています。
このように、識字障害や自閉症もADHD と同じでワーキングメモリーが弱いことが原因の一つとなっています。
ワーキングメモリが原因の一つであるということは、ワーキングメモリを鍛えることによってこれらの障害を軽減することができるということです。
子供の頃からワーキングメモリーを鍛える方法に関しては次の記事でご紹介しています。
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