仲良しだった人たちから仲間はずれにされた
クラスで孤立している
今回は「仲間外れにされた心のダメージは思ってる以上に辛いよ~。だから気をつけて」というお話です。
仲間外れ=肉体的痛み
まず、仲間はずれの痛みは僕たちが思っている以上に辛いことだと知っておきましょう。
脳レベルで言うと、仲間はずれになるのは身体を痛めつけられるのと同じぐらい辛いのです。
実際に、「サイバーボール」というゲームを使った非常に面白い研究によると、仲間はずれにされているときには肉体的な痛みを処理するときと同じ脳領域が活動していることが分かっています。
ナオミ・アイゼンベルガー博士らの研究。
被験者の大学生に協力してもらい、 fMRI スキャナーに入った状態で「サイバーボール」(※)というゲームを行ってもらった。
※「サイバーボール」はコンピューター上でキャッチボールをするゲーム。
仲間外れにされる状況を作り出す
被験者には「隣り合ったMRI 室にいる同じ年頃の二人の仲間と一緒にゲームに取り組んでもらう」と伝えられた。しかし実際には被験者以外にはおらず プレイするのは仲間ではなくコンピューター。(被験者には内緒)
実験者はコンピューターを操作して、被験者を仲間はずれにする
- 被験者はスイッチを操作しながら画面上でキャッチボールをした。 ゲームは最初のうちはうまくいき 被験者二人の仲間(実際はコンピューター)と それぞれ同じぐらいボールのやり取りをしていた
- しかし、10分後には被験者の学生は仲間はずれにされ、コンピューター同士でキャッチボールが行われる
仲間外れにされたときの脳の活動を調べる
被験者が仲間外れにされた時の脳の活動を調べた結果、肉体的な痛みを処理する脳の領域(※)と仲間はずれを経験した時の脳の領域は同じであった
※肉体的な痛みを処理する領域:「島皮質」と「前帯状皮質」と呼ばれる領域。
島皮質と前帯状皮質は脳の中の警報装置のような役割があり、異常が起こった時に散らしてくれる 領域
つまり、仲間外れによる心の痛みは生命の危機にもつながる体の痛み と同じように感じられるということです。
痛みを避ける
鞭で身体を痛めつけられたら「もうやめてくれ!」「苦しみから解放されたい」と願うでしょう。
仲間はずれにされたときにも同じです。「この苦しみから逃れるためにはどんなことだってする!」と思ってしまいます。
そこで気をつけなくてはいけないのが薬物です。
仲間から拒絶される痛みを避けるために 薬物に手を出したり、お酒を飲んだり、危険な性行為をしたり…などが起こり得ます。
前頭前野を鍛えれば仲間はずれに強くなれる!?
サイバーボールの実験では、他の人よりもダメージが少なかった人たちもいました。仲間外れの心の痛みに強い人は、前頭前野 がより活発に働いていました。
前頭前野のなかには人が感じる精神的な苦痛の大きさを調整する領域があります。
前頭前野は大脳辺縁系を制御します。精神的苦痛を感じる島皮質や前帯状皮質は大脳辺縁系に含まれます。
前頭前野の活動が活発な人は 仲間外れによる精神的な痛みをコントロールすることができるのです。
前頭前野がうまく働いていないと衝動的な行動を取りやすくなります。自殺はもっとも避けなくてはなりません。
【今日のクエスト】前頭前野を鍛える瞑想に取り組んでみよう
瞑想に取り組むことで、衝動をコントロールする能力を鍛えることができます。↓

仲間外れになると伸びる能力もあります。友だちに認められるだけが人生ではないのです。↓

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