- お酒を適度に飲んだ方が健康って本当?
- お酒を飲み過ぎないためには?
今回は、お酒を飲んだ方が長生きできるっていうのは間違ってた研究だぜ~というお話です。
「お酒飲んだ方が長生き説」の統計的なミスとは?
2016年に ヴィクトリア大学 が発表した87件のデータをまとめメタ分析によると、アルコールで長生きというデータには 統計的なミスがあり、実際にはお酒を飲まない人の方が長生きであったということが示されています。

「お酒を飲まない人」にもともと飲酒していた禁酒者が含まれていた!
この研究では、適度な飲酒が死亡率を下げるという考え方について本当かどうかを精査するために行われました。
仮説としては、少しの適量の飲酒が健康を促進しているように見えるのは禁酒している人(パッと見ではお酒を飲まない人)が不健康な状態に偏っているからではないかというもの。
というのも、これまでの研究で分析に使われているのはもともと飲酒をしていた人や時折飲酒をする人がお酒を飲まない人として誤って分類されていた可能性があるからです。そこでこの研究では2つの条件を分析しました。
- これまでの研究で扱われたお酒を飲まない人=もともと飲酒をしていたが何らかの原因で禁酒を始めた人なのではないか
- 禁酒者においてお酒以外に何らかの死亡に関わる原因があるのではないか
もしも、これまでの研究がこれらの条件に当てはまるならば禁酒者よりも適度に飲酒をしている人の方が健康的であるという仮説は否定されるわけです。
分析
87件のデータから、分析対象として計3,998,626人の集団を調査(そのうち367,103人の死亡が確認)。
先に挙げた2つの条件の調整をなしで分析した結果…
- 少量の飲酒(1日あたり1.3から24.9グラムのエタノール)で死亡リスクが減少
- 時々の飲酒(1日あたり1.3グラム未満のエタノール)で死亡リスクは同様に減少

ここまでなら、以前の仮説通り少量の飲酒によって死亡リスクが下がると言えるのですが…
しかし、2つの条件を加味して調整したところ、
- 少量の飲酒者において死亡リスクの低下は見られなかった
- なお、時々飲酒をする人のリスクにおいても、少量及び中量の飲酒する人と同様のリスクがあった

適度なお酒の摂取が健康度合いを上げるという事実はなく、むしろ少量の飲酒でも中量の飲酒と同じ位の死亡リスクがあったと言うわけです。
分析の考察
確かに赤ワイン や ブランデー などの抗酸化物質が豊富なお酒にはメリットもあるかもしれません。ただし、健康効果を期待して積極的にお酒を飲むということはしなくてもよさそうです。
僕は20歳を超えてからも、お酒を飲むということに全く興味が湧かず今の今まで一滴も飲んでおりません。「お酒を飲んだことがないよ」という人は 特に必要がなければ飲まないことを継続するのがいいでしょう。
【今日のクエスト】水を飲もう!
1日2杯以上 お酒を飲んでいるやや多めの摂取量の人は、お酒を少なくする工夫をするといいでしょう。
具体的には水を飲むことです。水分の摂取量を増やすことによってお酒の欲求が抑えらるからです。実際に、ある研究でも水を多めに飲むとお酒への欲求も減り、お酒を求める体内の物質の減少が見られたと示されています。
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