今回はSNSやアイドル文化に熱中しすぎている人に向けた内容です。
- 「推しの情報を追うことに集中しすぎて、勉強や仕事中の集中力が続かない。」
- 「アイドルの握手券やランダムグッズを集めるために、同じCDやグッズを何度も買ってしまう。」
- 「推しの活動がモチベーションの中心になり、休止や炎上ニュースに過剰に落ち込む。」
このように、有名人にハマりすぎる傾向にはチェックが必要です。実は推し活に依存すると生活に支障が出るだけでなく、知能まで低下してしまうのではないかと考えられています。
有名人を追いかけすぎると知能が低下!?
2021年にパズマニー・ペーテルカトリック大学などの研究者たちが発表した論文によると、有名人に対して崇拝したり執着したりする人々は、知能がわずかに低い傾向にあるようです。
内容
オンライン調査を通して1763人(平均年齢37.2歳)の男女を対象。有名人の崇拝の度合いと、結晶性知能(語彙力や知識などの豊かさ)や流動性知能(情報を処理する能力)の関係性を調べた。
- 有名人の崇拝度合い:有名人に対して強い賞賛の感情を持っているか、その有名人に対して私生活への過剰な関心を持っているかなどを調べる23項目のテストに回答してもらった。
- 結晶性知能:語彙力を測るテストで測定。
- 流動性知能:情報処理の正確さやスピードを測るテストで測定。
結果
- 有名人を崇拝する傾向があるほど、知能テストの成績がやや低い傾向が見られた。
- なお、結晶性知能でも流動性知能でも低い傾向が見られた。
- しかし、いずれも弱い相関にとどまっている(相関係数は-0.05 ~-0.12程度)。
- また、性別・年齢・学歴・自尊心などの影響を取り除いた分析では、娯楽レベルで有名人に興味を示している程度なら、語彙テストの成績は低下していなかった。
考察
つまり、有名人を崇拝する傾向があるほど知能テストの得点がやや低くなることはわかったものの、その効果は小さいと言えます。
しかし、有名人を追いかけるとなぜ認知能力が下がってしまうのでしょうか。
- それは、有名人の私生活などのことばかり考えてしまい、他のことに集中する能力が制限されるのではないかと考えられます。
- また、研究チームによると知能が高い人ほど偶像化を避けやすい可能性があるとも考えられています。つまり、知能が高い人は有名人を見ても「メディアが作り出している偶像であり、マーケティング的な戦略に過ぎない」と冷静に理解するため、過度な感情移入をしづらいと考えられます。
ともあれ、もともとの知能が低い人が有名人を崇拝しやすいのか、有名人にはまることによって知能が下がってしまうのかは判定できないという結果になります。
ただ、あくまでも効果は小さいため有名人の熱狂的なファンだからといって、「この人は知能が低いのだろう」と判断するのは偏見になりますのでご注意ください。もしもその人の知能の程度を見抜きたいなら、他の手がかりも合わせて考慮することでより正確な判定ができるでしょう。
知能以外にも影響!有名人を過度に追いかける3つのデメリット
有名人を過度に追いかける傾向は以下のような望ましくない行動にもつながります。
- インターネットやSNSの問題使用:
- SNSで有名人の投稿を一日中チェックし、更新がないと落ち着かない。
- 自分の時間の大半を推しの情報収集に費やし、他のことに集中できなくなる。
- 強迫的な買い物:
- アイドルの握手券や限定グッズ、コラボ商品のために必要以上にお金を使い、生活費を圧迫する。
- コンサートやイベントのために借金をしてまで遠征する。
- ギャンブル依存:
- 推しに関するオンライン抽選や課金型コンテンツに繰り返し参加し、ギャンブルのように興奮や依存を感じる。
他にも、有名人の発言や評価に強く感情を左右され、日常生活の気分が落ち込んでしまうといった影響もあります。
このように、有名人にハマりすぎてしまうと仕事や学業に影響するだけでなく、ストレスや金銭的な負担を抱えることにもなりかねません。どちらにせよ、ハマり過ぎには注意が必要だということです。
【実践】推し活を調整&アップデートしよう!
有名人の崇拝と知能の低下の関係は限られたものです。しかし、有名人を過度に追いかける傾向は望ましくない結果をもたらすので、見直しておいた方がいいでしょう。
ステップ1:自分のハマり込み度合いを探ってみよう
紹介した研究では、有名人の崇拝度合いについて3つの側面で測定されました。
- 娯楽・社会的レベル:もっとも軽度の段階で無害とされる。娯楽や話題作りのために有名人に関心を寄せる。(例:友人と好きな有名人の話をする。)
- 情動的・個人的レベル:やや注意が必要な段階。有名人に対して強迫的で個人的な感情を抱く段階。(例:有名人のことを考えずにはいられない。)
- 境界性病理レベル:もっとも極端な段階。有名人への崇拝が病理的な態度や行動にまで及ぶ。現実と空想が曖昧になる。(例:有名人の頼みなら違法なこともするかもしれないと感じる。)
情動的・個人的レベルや境界性病理レベルに発展していくと注意が必要です。それぞれ詳しく確認して、自分に当てはまっていないか見てみましょう。
情動的・個人的レベル→注意!
- 有名人のSNS投稿を一つ一つ自分宛てのメッセージだと感じてしまう。
- 毎日その人のことを考えずにはいられず、他の活動に集中できない。
- 恋人や友人よりもその有名人を優先してしまう。
- 「あの人も私のことを特別に思っている」と根拠なく感じる。
- 有名人の交際報道に激しい嫉妬や怒りを覚える。
- ファンレターやコメントに返事がないと強い落胆や不安に襲われる。
- その人の成功や苦境に、自分のことのように一喜一憂する。
境界性病理レベル→危険!
- 「自分とその有名人は特別な絆で結ばれている」「実は付き合っている」と信じる。
- 有名人がSNSに投稿したメッセージや写真を「自分へのサイン」「隠れたメッセージ」と解釈する。
- 他のファンがその有名人を応援することに強い嫉妬や怒りを覚える。
- 「その人のためなら何でもする」と思い込み、違法行為や危険行動に及ぶことさえある。
- 有名人の評価や行動で感情が極端に上下する。
- 「その人のようになりたい」という同一化が進み、自分の服装・話し方・生き方まで模倣する。
ステップ2:「推し以外の刺激」にも意識的に触れる
音楽・映画・本などを通して、推しとは関係ないジャンルを1日1つ取り入れてみましょう。さまざまな分野の情報に触れることで、知識や語彙力を強化できます。
例
- 今日は推しと関係ない曲を聴く。
- 別の国の映画を観てみる。
- まったく別分野(心理学、旅、科学、料理など)の読み物を読む
ステップ3:推しを自分のモチベーションにしてみよう
推しを過度に追いかけることは集中力や知能の低下につながりかねません。そこで「推しも頑張っているから!」とモチベーションを高める材料にしてみましょう。
例
- 推しが毎朝トレーニングしているなら、自分も10分だけストレッチする。
- 推しがパフォーマンス(歌、ダンス、演技など)の向上に向き合っていることを励みにして、自分は仕事で活躍するための研鑽に励む。
推しの習慣をまねる必要はなく、「推しを見習って自分なりに頑張ってみよう!」と考えるのが健全でしょう。
まとめ
- 有名人を過度に崇拝する傾向は、知能の低下と関連がある可能性が示されている。
- SNS依存や浪費、ギャンブル的な課金行動など、推し活が日常生活に支障をきたすケースもある。
- 「推し以外の刺激に触れる」「推しをモチベーションに変える」ことで、より健全で創造的な推し活ができる。
有名人やアイドルに夢中になること自体は悪いことではありません。しかし、依存的にならない工夫が大切です。推しを自分の人生を豊かにする力として活用できれば、知的にも感情的にも成長につながることでしょう。
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