記憶する前に右の拳、思い出す前に左の拳を握ると記憶力がアップ!?
勉強の前に拳を握るエクササイズを行うと記憶力がアップするかもしれません。
モントクレア州立大学の研究では拳を握ることによって記憶力が高まることが示されています。
- 被験者:18歳から48歳の右利きの51名(最終被験者50人)
- 内容:72個の単語を記憶し思い出す課題をこなしてもらう
- 計測:思い出すことができた単語の数と正答率
介入
記憶する時と思い出す時にそれぞれの手を握ってもらう。その際、被験者を五つのグループに分けて比較
- 覚えるときに左・思い出すときに左
- 覚えるときに右・思い出すときに右
- 覚えるときに左・思い出すときに右
- 覚えるときに右・思い出すときに左
- 左左握る動作をしない
具体的な手順は以下の通りでした。
- 単語を覚えるセッションと、思い出すセッションに分けて学習。
- 覚えるセッションの前に45秒×2セット(間に休憩を15秒)に渡って、直径5㎝のゴムボールをできるだけ強く握りしめる
- 覚えるセッションでは、コンピューターのモニターに5秒ごとに単語が表示され、1つずつ覚えていく
- 思い出すセッションの前にも、2と同じ手順でゴムボールを握る運動を行う
- 思い出すセッションでは、紙と鉛筆を使って3で表示された単語の中からできるだけ多く思い出す
結果
覚える時に右の拳を握り、思い出す時に左の拳を握ったグループ4は、他のグループと比べて思い出した単語の数が多く、正答率も高かった
考察
つまり、右手を握りながらインプット(記憶)し、左手を握りながらアウトプット(想起)することで記憶力が上がるのです。
理由としては、記憶するときや思い出すとき脳の活動に左右の差があるからだと考えられます。脳のうち、左側の前頭葉は起こった出来事をエピソード記憶として記憶する時に特に働きます。それに対して、右側の前頭葉はエピソード記憶を思い出す時に特に働くとされています。そして、左脳は右半身が司り、右脳は左半身が司っています。
ですので、右の拳を握ることで記憶する働きを強め、左の拳を握ることで思い出す働きを強めることができると考えられます。
【今日のクエスト】覚えるときと思い出すときに握力を発揮しよう
ステップ1:握力グッズを買ってみよう
握力トレーニング用のゴムボール
百均のハンドグリップ
↑手軽に取り入れるなら百均でゲットできる握力グッズがおすすめです。
ステップ2:自分の学習をインプットとアウトプットに仕分けて考えよう
まずは自分が行っている学習のうち何がインプットで、何がアウトプットなのかを把握しておきましょう。
インプットの例:
- 教科書を読んでノートにまとめる
- 本を読む
- 講義を聴く
- 単語カードに情報を書く
アウトプットの例:
- 教科書を読んだ内容を見ないで思い出しながらノートにまとめる
- 後日、ノートにまとめた内容を見ないで思い出す
- 問題集を解く
- 単語カードを学習する
ステップ3:握力トレーニングを確認しよう
研究で行われた運動を参考に握力トレーニングを行ってみましょう。
- 45秒間ゴムボールやグリップを握る
- 15秒休憩する
- 同じ手で再度45秒間握る
片方の手につき、合計105秒(1分45秒)で実践できます。インプットとアウトプットの前にそれぞれ行ってみましょう。
ステップ4:インプットの前に右手で、アウトプットの前には左手で握ろう
例:
↓
運動を行うテキストを読んでノートにまとめる(インプット)
↓
左手でグリップを握る
↓
まとめたノートの内容を見ないで思い出す(アウトプット)
↓
単語カードを書く作業をする(インプット)
↓
左手でグリップを握る
↓
単語カードをめくって復習する(アウトプット)
このようなルーティンを実践することによってインプットとアウトプットそれぞれを強化することができるでしょう。
【関連知識】
↑拳を握りしめるなどの筋肉を緊張させる動作によって意志力がアップすることを解説。やる気が起きないなという時には、とりあえず拳を握ったりゴムボールを握ったりなどしてみましょう。意志力と記憶力アップの相乗効果を狙うことができるでしょう。
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