- 「何もしてないのに疲れる…」が改善して、テキパキ動けるようになる
- 各食品にカフェインがどれぐらい含まれるかが分かるので、すぐに実践できる
- コーヒーを別の食品に置き換えるので我慢しなくて済む
1日3杯のコーヒーは「カフェイン耐性」ができてしまう!
「カフェイン耐性」をつけたくないならコーヒーは1日3回以下にした方がよさそうです。
カフェイン耐性とは、カフェインを頻繁に摂取することによってアドレナリンやコルチゾールの反応が弱くなってしまうことです。というのも、カフェインを過剰に摂取すると副腎に負担がかかり、副腎が自分の力で十分な量のコルチゾールを作れなくなってしまうからです。
カフェインはコルチゾールを出すために副腎を酷使する
副腎とは、二つある腎臓の上にちょこんと存在する小さな臓器です。大きさはくるみほどです。副腎の働きはストレスから体を守り、生命維持のために必要なホルモンを分泌することです。分泌するホルモンの種類には50種類にも及びます。副腎には副腎皮質と副腎髄質があり、それぞれ分泌されるホルモンが異なります。
- 副腎髄質ホルモン:アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン
- 副腎皮質ホルモン:コルチゾール・アルドステロン・DHEA
カフェイン関連で特に重要なのはコルチゾールです。コルチゾールの働きは以下のようなものです。
- 体の緊張状態を保つ。具体的には、交感神経を刺激して脈拍や血圧を上昇させ脳を覚醒状態にする
- ストレスによる体のダメージを防ぐ
そして、カフェインには副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促す働きがあるからです。なので、カフェインを取りすぎるとコルチゾールが分泌される状態が続き副腎が疲れ果ててしまいます。
実際に、副腎疲労の人にはカフェイン依存症の人が多いです。というのも、副腎が疲れていることでコルチゾールの出が悪くなり疲労感に襲われてしまうからです。疲労感に襲われると、またカフェインを摂取したくなるので悪循環に陥ってしまいます。
カフェインによって副腎が酷使される
↓
副腎が疲れてコルチゾールが出づらくなる(=カフェイン耐性)
↓
コルチゾール不足で身体の覚醒が保てず、疲労感が溜まる
↓
さらにカフェインを摂ろうとする
↓
よりカフェインへの耐性がつく
↓
…
実際に、オクラホマ大学が行った研究によると多量のカフェイン摂取でコルチゾールの反応が悪くなることが示されています。
介入
- 0mg(カフェイン断ち)
- 1日あたり合計300mgを3回に分けて摂取
- 1日あたり合計600mgを3回に分けて摂取
結果
- 5日間のカフェイン断ちをしたグループ1においては、6日目のカフェイン摂取でしっかりとコルチゾールの分泌が見られた。
- 5日間カフェインを1日3回の頻度で摂取し続けた場合(グループ2,3)、6日目の午前9時のカフェイン摂取のタイミングではコルチゾール反応が見られなかった。
- しかし、午後1時の2回目のカフェイン摂取のタイミングでは、午後7時までにかけてコルチゾールレベルが高くなった
考察
副腎疲労によって様々な不調が…
副腎が疲労してしまうと体の不調に影響します。なぜなら、副腎が担当している様々なホルモン分泌が滞ってしまうからです。例えば、コルチゾールと同じく副腎皮質から分泌されるDHEAです。DHEAはホルモンの母と呼ばれ体内で男性ホルモンや女性ホルモンを作ります。DHEAが分泌されなくなるとテストステロンやエストロゲンが作られなくなり、美容トラブルや性欲の減退が起こります。
他にも、副腎疲労するとさまざまなホルモンの分泌が滞る影響で以下の症状が現れます。
カフェイン耐性による不調の例
- 慢性的な疲労感
- 朝の起床困難
- ストレス耐性の低下
- 免疫機能の低下
- 気分の不安定
- 血糖値の不安定
コーヒーなら1日3杯が限度
カフェイン耐性を作らないためにはコーヒーの摂取を一日3杯以下にするのが目安になります。というのも、コーヒー1杯にはおよそ90mgのカフェインが含まれていると言われます。
なので、一日3回コーヒーを飲むと270mgのカフェインを摂取することになります。研究では300mgのカフェインを3回に分けて摂取した場合でも、コルチゾールの感度は下がるとのことでした。ですので、コーヒーを三杯以上飲むとカフェイン耐性ができるボーダーラインにかかる可能性があるのです。
また、カフェインはコーヒーだけでなくお茶やチョコレートなどにも含まれます。以下のリストを参考にしましょう。
カフェインが含まれる製品のカフェイン含有量(量は目安)
- ドリップコーヒー:1杯(150ml)で90mg
- インスタントコーヒー:1杯(150ml)で80mg
- ピュアココア:粉末5gで10mg
- ミルクココア:粉末20gで微量(数値として表せないぐらい少ない)
- 煎茶:1杯(150ml)で30mg
- ほうじ茶:1杯(150ml)で30mg
- ウーロン茶:1杯(150ml)で30mg
- 紅茶:1杯(150ml)で45mg
- 玉露:60mlで160mg。
- コーラ:1缶(355ml)で46mg
- ミルクチョコレート:板チョコ1枚(50g)で14mg
- 高カカオチョコレート:板チョコ1枚(50g)で42mg
- 缶コーヒー:ショート缶1本(190から250ml)で100~150mg
- エナジードリンク:一本で22~142mg
- 栄養ドリンク:一本で30~50mg
- 眠気覚ましドリンク:一本で100~150mg
1日の摂取目安の例(無難なライン)
- 仕事の合間にインスタントコーヒー1杯:80mg
- 昼食でウーロン茶1杯:30㎎
- 間食に高カカオチョコレート板チョコ1枚分:42mg
合計:152mg
少なくとも、1日あたりカフェイン量が300mgを超えないように調整するといいでしょう。
【実践】コーヒーを飲むタイミングと量をコントロールしよう
カフェインを飲むタイミングと量をコントロールする上で以下のポイントを押さえておきましょう。
- 朝一番のコーヒーは飲まないようにする
- 午後3時以降のコーヒーは飲まないようにする
- コーヒーの代わりにハーブティーやカフェインレスコーヒーなどを飲む
朝:朝一番のコーヒーは飲まない
具体的には起床から90分~120分は空けた方がいいです。なぜなら、朝はカフェインの力を借りなくてもコルチゾールの分泌が自然に高まるからです。
昼:コーヒーを飲みたくなるタイミングで「置き換え」を実践しよう
例:
- 仕事疲れた時の休憩中
- テレビを見るとき
- お菓子を食べるとき
これらのタイミングでは、コーヒーの代わりにカフェインが少なめの食品に置き換えて、カフェインの量を調節してみましょう。
例:
- ハーブティー:ハーブティーは茶葉などを使っていないのでカフェインを含みません。甘いものにも合いますし、疲れた時や寝る前のリフレッシュにもなります。コーヒーの置き換えとしてもっともおすすめです。
- カフェインレスコーヒー:とにかくコーヒーを飲みたい人にはおすすめです。しかし、カフェインを全く含まないわけではないので飲みすぎには注意です。
- お茶:コーヒーと比べると全体的にカフェイン量が少なめです。
夕:午後3時以降はカフェインを摂らないようにする
睡眠の質に影響するからです。仕事から帰るときの車や交通機関の中でもコーヒーが欲しくなりますが、ハーブティーなどで置き換えてみましょう。
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