今回はスタートアップや中小企業の経営者向けに、理想のチームの構築の仕方を解説します。みんなが安心して働ける環境を作り、斬新なアイデアが飛び交うような環境を目指しましょう。
GoogleやGitLabなどの有名企業も注目!「心理的安全性」で創造性が31%アップ!?
「心理的安全性」とは、チームの他のメンバーが自分の発言にネガティブな反応しないという安心感のことです。エイミー・エドモンドソンが提唱しました。
具体的には、チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり罰したりしないと確信できる状態を指しています。
2012年に行われた「プロジェクトアリストテレス」という調査では、心理的安全性がチームのパフォーマンスを高める上で一番重要だと指摘しています。心理的安全性が高いと、メンバーの離職率が低くなり、パフォーマンスは高くなり、クリエイティブな発想もよく起きるとされているのです。

内容
「PROJECTARISTOTLE」という調査。2012年に開始され、約2年間にわたってGoogle社の180チームを対象。チームのパフォーマンスに影響しそうな約250の要素を分析し、一番重要な要素は何かを調べた。
結果
- 心理的安全性はチームのパフォーマンスの43%を説明した。
- 心理的安全性が高いチームほど、生産性は19%高く、イノベーションが起きる確率は31%高く、離職率は27%低かった。
- メンバーのエンゲージメントが平均3.6倍高かった。
考察
つまり、数ある要素の中で心理的安全性はチームの業績を上げる上で一番重要だと示されたのです。理由としては、心理的安全性があることで質問や失敗の共有が積極的に行なわれたからだと考えられます。また、新しいアイデアを「周りから批判されるかも」という心配なしに積極的に提案することもできます。
「心理的安全性=対立をしない」ではない
しかし、心理的安全性を守るのは、メンバーと対立せずに仲良くしようという意味ではありません。例えば、ときにはネガティブなフィードバック(メンバーの悪いところを指摘)をすることは重要です。重要なのは、その人を「攻撃している」という印象を与えずに、成長のために指摘することを目指します。
実際のケースを見てみましょう。心理的安全性は、GoogleだけでなくGitLab(ギットラボ)などでも重要視されています。
GitLabでは心理的安全性を保つため、メンバーにネガティブなフィードバックをする際にある工夫をしています。それは普段からポジティブな指摘をして関係性を構築しておくことです。普段からその人を褒めたり認めたりして関係性を作っておくことによって、ネガティブなフィードバックも受け入れてもらえるからです。
具体的には、普段から雑談を通じてお互いのことを知っておく、カジュアルにやり取りできる場を設けて本音でコミュニケーションできるようにするなどの取り組みが必要でしょう。
心理的安全性の例:
あるチームで、毎回「先にタスクを細かく割り振ってから実行に入る」スタイルが定着していました。しかし、実際に動き出してみると予想外の課題が出てタスクが無駄になることも多く、時間のロスが発生していました。そこで、心理的安全性がある環境だったため、メンバーの一人が「まずざっくり進めてみて、問題が出てきた時点でタスクを調整する方式の方が効率的では?」と提案しました。
この意見が受け入れられたことで、計画に時間をかけすぎず柔軟に改善できる体制が実現しました。
ある社員は、自分は営業よりも裏方の分析業務の方が得意だと感じていました。
心理的安全性がない環境なら「営業が苦手」と言うと評価を下げられるのではと不安で黙っていたかもしれません。
しかし、信頼できる上司に安心して相談できたことで、「分析に強みがあるなら、営業チームのデータ活用を支える役割をやってみないか」と新しいポジションを提案されました。
その結果、本人は強みを活かして貢献でき、チーム全体も成果が上がることにつながりました。
【実践】心理的安全性を強化してアイデアが飛び交う環境を作ろう!
ステップ1:日常的な会話が生まれる環境を作ろう
例
- オフィスにコーヒーマシンを設置し、朝や昼休憩に自然と人が集まる環境を作る。
- 朝のスタートや昼休憩時に人が自然と集まり、5分程度の雑談から始まる関係構築が可能になる。
- 週末の話題や趣味の話などから始める
- そこから「そういえばプロジェクトの件はどう?」と自然に業務の話題&情報共有。
ステップ2:「フィードバックは学び」という文化を作ろう
- ネガティブなフィードバックでは、「間違っているかどうか」を指摘するよりも「どうすればもっと良くなるか」を一緒に考える。
- アイデアに対しての意見を言う際には、否定的な言葉を避け、「さらにこうしたらどう?」を意識する。否定的な意見は「◯◯という制約があるけど、それを解決するなら…」という形で返す
ステップ3:意見を出しやすい「場」をデザインしよう。
- アイデア出しのときは、形式ばった会議室ではなく、スタンディングスタイルで短時間行う。立ったまま話すことでスピード感とカジュアルさが生まれ、発言のハードルが下がる。
- esaを活用し、「未完成のアイデア」を共有する仕組みを整える。アイデアに「検討中」「メモ」などのラベルをつけ、完成度が低い状態でも安心して公開できるようにする。

例
- プロダクト開発チームでは、esa上に「草案フォルダ」を作った。
- メモレベルでもアップしてよいと決めた。
- その結果、以前は個人の頭の中に留まっていた小さな着想が表に出るようになり、複数人の知恵で発展したアイデアが新機能の開発に結びついた。
まとめ
心理的安全性は、チームのパフォーマンスやイノベーションを高める上で最も重要な要素であることが示されています。安心して発言できる環境があれば、メンバーは失敗や未完成のアイデアも積極的に共有し、チーム全体の創造力が向上します。
スタートアップや中小企業の経営者は、日常会話やフィードバック文化、アイデア共有の場を意図的にデザインすることで、心理的安全性の高いチームを作ることが可能になることでしょう。

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