今回はブランド品を買い集めてしまう人に向けて、ブランド品を求めてしまうときの心理状態について解説します。「自分はブランド品には興味が無い」という人も、意外と自分の地位を高めるための購買をしている可能性があります。(「カッコいいから」という理由でAppleウォッチを買うなど)
ステータス商品を求めるときに、隠れた無力感を知ることで、自分の衝動買いをコントロールできるようになります。
「無力感」を感じるとブランド品に惹かれる!?
2008年にノースウエスタン大学の研究者たちが発表した論文によると、無力感を味わっているときには高級品に意識が向かいやすくなることが示唆されています。
内容
無力感を味わうことが消費行動に変化を与えるかを調べた。被験者に対してあるシナリオを想像してもらった後、オークション品を用意して、その商品に支払ってもいいと思える金額を提示してもらった。その際、被験者を2つのパターンに分けて比較。
- 自分が強い権力を持つ状況を想像させる。
- 無力感を感じる状況を想像させる。
結果
- 無力感を感じている状態だとステータス商品に対してより高い金額を提示した。
- なお、この現象は金額ステータス商品(ブランド商品など)だけに限定しており、そうではない商品の場合には見られなかった。
考察
つまり、無力感を味わっているときにはステータス商品を買いたくなるということが示されました。理由としては、無力感が生じるとそれを解消するために地位を示す商品を得ようとするからだと考えられます。
ただし、これは「その瞬間に無力感を感じている人」の傾向を捉えたもので、「ブランド好き=無力感が強い人」という人格レベルの断定ではありません。
【実践】ステータスのための買い物を減らそう!
ステップ1:惹かれがちなステータス商品をリストアップしよう
具体的にステータス商品となりそうなものをピックアップしてみました。「確かに自分も買ってしまう」と心当たりのあるものが見つかるかもしれません。
研究でピックアップされたステータス商品
- シルクのネクタイ:シルクは高級素材で、単なる布より高価。ビジネスの場で着用することで「自分は成功している」「他者から認められている」という印象を与えるアイテム
- 毛皮のコート:高価で希少性がある素材。着ることで富裕層や特別な地位の人を連想させる。
- エグゼクティブペン(高級筆記具):普通のペンより高価で、会議や契約の場で使うと「成功者・信頼できる人物」という印象を与える。
- 大学の限定写真: 高学歴や特定の社会的地位を象徴するもの。所有することで社会的なステータスをアピールできる。
その他のステータス商品
また、研究に直接登場してはいませんが、一般的にステータス消費だと考えられるものも挙げてみました。
- 高級腕時計(高級ブランドのもの、例:「ロレックス」など)
- 洋服やアクセサリー(デザイナーズブランド)
- 高級万年筆や筆記具、レザーグッズ
- 高級車(ブランド重視の自動車)や高価格帯の家具・インテリア
- デジタルでのステータス商品:NFT(ブロックチェーン技術を採用することでデジタルのデータに固有の価値を保証する技術)、限定版スマホなど
また、ステータス消費は高価格のブランド品だけとは限りません。中価格でも見栄や評価のために購入している商品も振り返ってみましょう。
- Apple Watch、スマートウォッチ、限定ガジェット
- ブランドロゴ入りスニーカーやカジュアル服(Nike、Supremeなど)
- 高級コスメや限定化粧品
- 限定コーヒー豆やおしゃれな家電
- イベントや限定体験(特別席の映画鑑賞、話題のカフェでの写真撮影)
ステップ2:自分が感じやすい無力感リストを作っておこう
次に、自分がどんなストレスをかけられたときに商品を買いたくなるかというトリガーをリストアップしてみましょう。
例:
- 上司や同僚に評価されない、認められないと感じたとき
- プロジェクトでうまくいかず自己効力感が下がったとき
- SNSで他人の成功やブランド品を見て自分が劣っている気分になったとき
- デートや飲み会で注目されない・褒められない
- 外見やライフスタイルに自信が持てないとき
- 過去の失敗や後悔を思い出して落ち込んだとき
- 日常に刺激や楽しみがなく、気分を上げたいとき
ケース①:仕事での評価不足 → 衝動的なブランド購入
- 上司からのフィードバックが少なく、自分の貢献が認められない
- 「自分は価値がないのではないか」という無力感が湧く
- SNSで同僚が新しいブランド腕時計やバッグを見せているのを目にする
- 「自分もこれを持てば価値を示せるのでは」と短絡的に考える
- 結果、腕時計やバッグを買うことで一時的に満足感や自尊心を取り戻す
ケース②:人間関係の摩擦 → 見栄のためのガジェット購入
- デートや友人との集まりで、自分が注目されていないと感じる
- 「自分は魅力がない」と落ち込む無力感が生じる
- 他人から褒められる可能性があるApple Watchや限定ガジェットを思い浮かべる
- 購入することで「人の目に映る自分」を一時的にコントロールできた気になる
ケース③:日常の退屈感 → 消費による自己価値の確認
- 毎日のルーチンで刺激が少なく、気分が沈みがち
- 「何か特別なことをしていない自分」に無力感を覚える
- 店頭で見かけた限定スニーカーやカフェの限定体験が目に入る
- 「これを手に入れれば特別になれる」と考え、衝動的に購入
ステップ3:ステータスのための買い物の基準を作ろう
ステータスのためだけに買ってしまうものの共通点として、以下の点が当てはまっていないか考えてみるといいでしょう。
- 高価である必要はないもの
- 他人に見せて認められる欲求につながっているもの
- 所有すること自体で満足感が得られるもの
これらのモチベーションに気付いた時には「本当に必要か?」と振り返る習慣をつけてみましょう。
そして、他人に見せて満足感を得るための購買なのか、本当に自分のための購買なのかを見極める基準を設定しておきましょう。
例:
- 分厚い専門書→
- 家の本棚に置いておくだけなら他人に見せて賢さを誇示するためのステータス消費。
- 知識として身につけているなら自己投資。
- 高級腕時計→
- 人に見せるために飾るだけならステータス消費。
- 自分の気分を高めるために着用しているなら自己投資。
まとめ
ブランド品を求める心理の背景には、意外と「隠れた無力感」があることがあります。無力感を感じていると、社会的地位や他者からの評価を象徴するステータス商品に意識が向きやすくなり、衝動的に購入してしまうことがあるのです。
ぜひ自分自身のステータス消費を振り返り、衝動的な購買を抑えつつ、本当に自分に価値をもたらす行動にお金や時間を使う習慣をつけてほしいところです。

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