若い時のトラウマには楽しい思い出の想起が効果的
思春期の頃の心が敏感な時期には、いじめや挫折といったネガティブな記憶がトラウマとして残りやすいです。また、そのトラウマを度々想起することによって、うつ病などのメンタルの病につながることもあります。鬱症状とまではいかなくても、過去の暗い記憶がよみがえってきて、嫌な気分になってしまうという経験はあるでしょう。
そこでストレスを感じた時には、過去の楽しい思い出を思い出すワークに取り組んでみましょう。
ケンブリッジ大学の研究では、楽しい過去の思い出を思い出すことで若いときのトラウマの苦しみの軽減できると示されています。
根拠となる研究
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/329409v3.full
介入
427人の若者(平均年齢14歳)に対して、1年間の追跡調査を行い、朝目覚めた際に楽しかった過去のエピソードを具体的に約1分間思い出す介入を行った。
結果
- 早朝のコルチゾールの値が軽減していた
- ネガティブな自己認知が軽減していた
- 調整媒介分析によると、被験者が報告した嫌な記憶があってからの一年を通じて、ポジティブな記憶の想起によってネガティブな自己認知を変えることによって、抑うつ症状の軽減にも関わっていた
考察
つまり、トラウマの記憶によるうつ病への対策として、過去の楽しい思い出を思い出すワークが有効だということです。
また、この研究ではネガティブな気分の指標として、早朝のコルチゾールの値が調べられています。というのも、朝はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が最も高くなるからです。コルチゾールは体にスイッチを入れる上で欠かせませんが、よくない気分のときには増えすぎてしまいます。そこでコルチゾールが高くなる朝に前向きな気分にさせることで若者のうつ病の対策とされているのです。
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