- 部下と密にコンタクトを取っていくために、チームとしての意識を高められる
- リーダーとして信頼性をアピールして自分の指導に説得力を出せる
- お互いの意見に耳を傾けあい、集団の知識やアイデアを最大化できる
信頼できない人からの情報は、「正しくても」信じたがらない
仕事をする上で部下からの信頼があることが重要です。なぜなら、チームの中で信頼性が芽生えていないとお互いの意見を尊重することもできないからです。
実際に、イスラエルのベン=グリオン大学とアムステルダム大学の研究では、信頼できない人からの情報はたとえ内容が正しくても信じてもらえないと示されています。
介入
被験者は、車の購入を検討している場面を想定し、二つの車からベターな方をチョイスする課題を出される。
その際、二つの車の種類の燃費について販売員に尋ねる。ただし、販売員が当てずっぽうで話していると感じた場合や、報酬を得るための目的で偏った情報を提供していると感じた場合、アドバイスに従わないこともできる。そして、実験者はあえて販売員に関しての不審な情報を与える(例えば、「販売員には報酬がある」「過去にもしばしば間違っていたことがある」といったもの)
結果
販売員に対して不信感を抱いた被験者は、実際には正確な情報であってもアドバイスに従わない傾向があった
要約・考察
つまり、「この人は自分の利益のために自分にアドバイスしているのではないか?」「この人の情報は間違っているのではないか?」と不信感を持たれると耳を傾けてもらえないということです。
ですから、組織の中でメンバーがお互いに信頼を寄せ合っていない環境では、コミュニケーションが上手くいかず生産性が下がってしまうことが考えられます。お互いの意見に耳を傾け合うチームを目指すなら、まずはリーダーが信頼できる人間であることをアピールするのが重要です。
信頼される人の3つの特徴
立場を超えて接する
信頼感を築くためには上司や部下という垣根を越えてそのままの自分で接することが重要です。具体的には、「自分の部下はまだ成果を出していない。経験も自分には劣る。それでもこの人が知っていて自分が知らないことはある」という姿勢を持つことが重要です。
例えば、仕事を任せるときでも「この資料、明日までに仕上げといて!」と一方的に押し付けるのではなく、「君なら明日中には仕上げられると思うけど、何時ぐらいなら提出できそう?」と意見を聞いてみるといいです。
リーダーがメンバーに対して意見を求める姿勢を見せることによって、他のメンバー同士でも意見を聞き合う雰囲気を作ることができます。
言葉と行動を一致させる
どんなに小さな約束であっても、自分が言ったことは守る習慣をつけましょう。なぜなら、信頼されるためには、日常から言っていることとやっていることを一致させることが大事だからです。
例えば、メンバーと趣味の話になったとしましょう。「最近~~の本を読んでいます」といった話題で、「面白そうですね!私も読んでみます」と社交辞令で言うことはないでしょうか。しかし、「自分も読んでみます」と言った上で、いつまでたっても読んだ感想が聞けなかったら、相手は「この人は言うだけの人だな」という印象をもってしまいます。
仕事においても自分の言ったことはできるだけ早く行動に移すことが重要です。例えば、「作ってくれた資料、目を通しておくよ」と言ったのならば、なるべく早く目を通しましょう。そして、「受け取った」という返事をしたり、資料に対して反応を示してあげたりするのが重要です。
部下との小さな口約束であっても、破れば信頼を失うきっかけになります。なぜなら、約束をいつまでも果たさないことは「あなたの優先順位が低いです」と暗に伝えることになるからです。口に出した約束は必ず守り、できるだけ早く実践して報告するのを習慣にしましょう。もしも行動に移す時間や余裕がないのならば、下手に約束をしないのが無難でしょう。
意志力をアピールする
意志力があり、自分のことをきちんと管理できる人の方が信頼されやすい傾向にあります。実際に、2011年のユトレヒト大学の研究では、自制心にかけているように見えると信頼が大きく損なわれることが示されています。
なので、「この人は自制心が足りないな」と思われるような行動は控えるべきです。例えば、喫煙・食べ過ぎ・衝動買い・遅刻…といったものでしょう。前述したように小さな約束をきっちり守る習慣も意志力をアピールする材料になります。「資料に目を通しておくよ」と言ったのに、いつまでたっても報告がなければ、「この人はタスク管理ができない人なんだな」と思われ、信頼を落としてしまいます。
もちろん、親近感を演出するためにルーズな一面を見せることも大事です。例えば、雑談のなかで「最近通販にハマって、気になったものはすぐ買ってしまうんだよね」と言うぐらいなら問題ありません。しかし、ルーズな一面を見せすぎるのも考えものでしょう。
【実践】セルフコントロール威力をアピールして信頼性を高めよう
具体的に意志力をアピールする戦略を考えてみましょう。例えば以下のような言動を取ることで意思のある人間だと周りにアピールすることができます。
- スキマ時間や休憩時間を使って勉強に取り組む
- 毎日お弁当を作って持っていく
- 髪型を整えて清潔感を出すようにする
- 服装はしっかりとアイロンをかけて整える
- 体型を維持する
これらの行動は意志力の高さがにじみ出ます。なぜなら、「私生活でもきちんとしているんだろうな」という印象を与えるからです。例えば、常に知識をアップデートしようと勉強を続けることや、自分の身の回りのことをきっちり管理することができていることをアピールすれば、「仕事だけでなく私生活でもきちんとしている人なんだろうな」と思ってもらうことができるでしょう。
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