- サッカー・野球・バスケなどのスポーツでほかの人をぶっちぎる!記憶力も底上げして文武両道!
- 間違ったやり方で時間を無駄にすることを防げる
- 具体的なトレーニングのメニューやおすすめのラダーを紹介!読めばすぐに自宅で始められる
アジリティトレーニングとは?
「アジリティ」とは、方向転換や切り返し動作を行う時の俊敏さのことです。アジリティはあらゆるスポーツにおいて必須の能力です。例えば、相手をドリブルで抜き去ったり、相手のドリブルに反応してディフェンスしたりする動きに必要になります。
アジリティトレーニングにはいろいろな種類があり、ミニハードルを使って行うもの、ラダーを使って行うもの、コーンやボールを使って行うもの、自分の体一つで行えるもの…などさまざまです。
アジリティトレーニングの1種に、ラダートレーニングがあります。ラダートレーニングとは、はしごのようなマス目のラダーを地面においてステップを踏むトレーニングです。
アジリティトレーニングで記憶力までアップ!?
アジリティトレーニングを行うことによって以下のような効果が得られます。
- 敏捷性の向上
- 体力(最大酸素摂取量)の向上
- 記憶力(視覚的ワーキングメモリ)のアップ。
実際に、2013年の研究によるとアジリティトレーニングによって敏捷性や体力だけでなく、記憶力や注意力が向上したことが報告されています。
つまり、アジリティトレーニングによって、たくさんの情報を処理することが得意になったり、注意力が向上したりするメリットが得られるのです。理由は、複雑なステップを踏むことによって情報処理能力が向上するからだと考えられます。また、シンプルに運動は脳にいいという側面もあります。
研究で実施されたラダートレーニングは、シャッフルやラテラルランなどの基本的なラダー動作(後述)が含まれていました。
なお、研究ではラダートレーニングの他にミニハードルやコーンを使ったトレーニングも含まれています。しかし、プログラムを全て網羅するのは難しいので、今回は初心者でも取り組みやすいラダートレーニングを中心に紹介して行きたいと思います。
【実践】基本的なラダートレーニング10種に取り組んでみよう
ステップ1:ラダーを購入しよう
HappyJumpのラダー
筆者が実際に使っているラダーです。長さは6m、プレート(黄色い部分)の厚さは10mm、幅の調節はいらず展開するだけで簡単にトレーニングが始められます。
自分でラダーを選ぶときは以下の基準を意識して選ぶようにしてみましょう。
- 長さは5m程度が最適:集中してトレーニングを行うのに適しているため。長すぎず短すぎない大きさ。
- プレートの厚さは約5mmが最適:踏んだ時にプレートの感覚がわかりやすいため、踏まないように意識して動作を行える。ただし、収納や持ち運びはやや不便になる
- 幅の調整が必要なく、固定式のもの:展開が楽にできるため。マス目からマス目の幅の調整ができれば、より応用的なトレーニングも出来るが基本的なトレーニングでは必要ない。
特に、ラダーの長さは自分がトレーニングしようとしている場所のスペースも考慮しましょう。ラダーを使う場所は家の庭、公園、体育館などで充分に実践することができます。がっつり有酸素運動として行いたいなら7mから9m程度の長い間もいいですが、短期間で集中して行いたい場合は5m程度がおすすめです。5m程度ならそこまで広いスペースがなくても実践することができます。
ステップ2:簡単!10種のラダートレーニングをやってみよう!
- ワンステップラン
- ツーステップラン
- ラテラルラン
- クロスオーバー
- シャッフル
- バックシャッフル
- インアウト
- シングルレッグインアウト
- ラテラルインアウト
- クロスカントリー
※動画は「前田のまいにちセルフケア!byGronG」さんより。
ステップ3:ラダートレーニング10種のポイントを意識しよう
それぞれのステップのポイントを簡単にまとめてみました。最初のうちは、前述したポイントを確認しながら取り組むのがおすすめです。
ワンステップラン
- ラダー1マスに一歩ずつ足を置く
- 地面に接地する時間をできるだけ短くすることを意識
- 腕をしっかり振ることによって足の動きも連動しやすくなる
ツーステップラン
- ラダー1マスに二歩ずつ足を置く
- ワンステップランよりも細かい動きが必要になる
- 地面に接地する時間をできるだけ短くすることを意識
ラテラルラン
- 横方向に移動しながらラダー1マスに2歩ずつ足を置く。左右への重心移動の強化
- ステップを踏みながら常に次のマスに意識を向けておく
- 体の向きを変えて、右足から踏むのと左足から踏むのを両方行う
クロスオーバー
- 体が進んでいく方向側の足を、もう片方の足でまたぐようにして踏む
- 横方向への動きと方向転換の強化
- 股関節のひねりの強化
シャッフル
- ラダー1マスの中と外に二歩ずつ足を置く。「中中→外外→中中→外外…」という感じ。
- 1回目に左足から始めた場合は、2回目は右足から始める
- 慣れないうちは「中中→外外→中中→外外…」と声に出しながらやってみる
バックシャッフル
- シャッフルを後ろ向きで行う。後ろ方向に進みながら、ラダー1マスの中と外に二歩ずつ足を置く。
- 重心が後ろに倒れてしまうとバランスを崩してしまうので前傾姿勢を保って行う
- 1回目に左足から始めた場合は、2回目は右足から始める
インアウト
- 両足でラダー1マスの中と外に足を置く。
- 重心は体の真ん中に置き、前傾姿勢を取りながら行う
- 着地した瞬間に次の動作を意識し、接地時間をできるだけ短くする
シングルレッグインアウト
- ラダーの外側に沿って前に進みながら、片足でラダー1マスずつに足を置く
- 重心は体の真ん中に置き、前傾姿勢を取りながら行う
- 左右両方から行う
ラテラルインアウト
- 横方向に移動しながら、ラダー1マスずつ前後に2歩ずつ足を置く
- 上半身の重心が変わらないようにしながら、股関節から下だけを動かすイメージで行う
- 左右両方から行う
クロスカントリー
- 横方向へ移動しながら足を入れ替えて前後に足を置く
- 腕を振りながら行って、上半身と下半身を連動させる
- ステップを踏みながら常に次のマスに意識を向けておく
基本的なラダートレーニングに慣れてきたら応用的なラダートレーニングや、ほかのアジリティトレーニングに挑戦してみるのもいいでしょう。新しい動きを取り入れることによって脳への刺激も高まっていくはずです。
参考文献
Lennemann LM, Sidrow KM, Johnson EM, Harrison CR, Vojta CN, Walker TB. The influence of agility training on physiological and cognitive performance. J Strength Cond Res. 2013 Dec;27(12):3300-9. doi: 10.1519/JSC.0b013e31828ddf06. PMID: 23442271.(論文、解説))
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