「目標はみんなの前で公言すると自分を追い込むことになって達成率が上がるよ」というアドバイスを聞いたことがあるかと思います。
実際に心理学でも公表効果(パブリックコミットメント)として認められています。
ですが、「目標を公言するのは逆効果なのでは?」という研究もあるそうです。ある心理実験を見てみましょう。
- 被験者を集めて目標に向かう作業を45分間してもらう。その際に被験者を2つのグループに分ける
- ①目標を宣言してもらってから作業してもらう
- ②目標は言わずに作業してもらう
- 結果、①の人は作業時間の45分間を使い切らずに作業を早々に終わらせ自分の成果に満足してしまった。
- 対して②の人は45分間をめいっぱい使った上、「まだまだ努力が足りない」と評価した
つまり、目標を公言した人は少ない努力で満足してしまったわけです。理由としては目標を語ることで目標に近づいた気がして満足してしまったのだと思われます。
サプライズで達成する快感を味わえ!
目標を言わないことにはもうひとつメリットがあります。それは達成感が高いということです。
周りの人に目標を宣言して「今はここまで達成したよ」と小出しにすると、目標にとどいたときの達成感は低いでしょう。
逆に密かに努力を続け、完成品をドンと出したらみんなはすごく驚くので達成感も高いはずです。高い達成感を味わうとまた別の目標も頑張ろうという気持ちになります。
つまり、高い達成感の喜びを求めて努力することが癖になるのです。ですから自分の目標をベラベラ喋るのではなく、サプライズするつもりで内密にすすめることが重要です。
公表効果を使い分けることが大事
さて、次に解消しなければいけないのが「目標は言わないほうがいいなら心理学で有名な公表効果は嘘っぱちだったの?」という点です。
結論を言うと、公表効果は毎日の習慣を定着させることには利用できます。例えば、毎日ブログを続けたいという場合なら誰かにURLを送って更新を確認してもらったりするといいでしょう。サボってしまうと「あれ?今日は更新していないの?」と思われるので強制力が働きます。
対して、長期的なビジョンは胸に秘めておいたほうがいいです。例えば、「書きためたブログをまとめて1冊の本にしたい」というビジョンは内密にしておいたほうがサプライズ感があります。
「ブログを書き溜めていつか本を出したいんだよね」と語ってしまうと、語っただけで満足してしまう危険性があるので注意しましょう。
まとめると、
- 毎日の「習慣」は公表する
- 長期的な「野望」は公表しない
といった使い分けをするのがいいかと。
【今日のクエスト】大きな野望を胸に秘めよう
【獲得経験値】
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