学校で友だちがいなくて寂しく感じる
友だち0人から一気に増やしたい
「自分と話したい人なんているだろうか」と悲観的になって話せない
今回は科学的に分かっている「孤独感」の恐ろしいデメリットと、友だちのネットワークを一気に広げる方法を解説していきます。
「孤独感」で集中力・思考力・忍耐力がすべて低下する
心トレでは、ひとつのことに熱中するための集中力や、誘惑に惑わされず自分をコントロールする能力などが大切だと説いてきました。
しかし、それらをいくら鍛えても吹き飛ばしてしまう諸悪の根元があります。それが「孤独感」です。
研究では、孤独感によって思考力が下がり、知能テストの成績が落ちてしまうことが示されています。
心理学者のロイ・バウマイスターと ジーン・トゥウェンジ の研究。
大学生を被験者として「人格調査票」というテストに答えてもらった。(実際にはインチキのテストで、人格調査票の内容は意図的にコントロールする。)
偽の人格調査票の結果によって被験者を3つのグループ「将来孤独群・将来帰属群・不幸対照群」に分けて比較する。
- 将来帰属群:「おめでとうございます。あなたはこれからの人生でずっと他人と実りある関係を作っていけるタイプの人です。 友情は長続きし結婚生活も幸せ続きます 。」という結果を伝える
- 将来孤独群:「テストの結果によるとあなたは孤独になってしまう人です。 今や友人や恋人がいるかもしれませんが、 20代の半ば頃までには疎遠になってしまうでしょう。 結婚は何度かするかもしれませんが、どれもうまくいかないでしょう。 どうしても人との関係が続かず歳を重ねるほど孤独になっていく可能性が高いです。」と伝える。
- 不幸対照群:「あなたはもともと事故に遭いやすいタイプです。 これまでこの傾向が目立つなかったとしても 腕や足を何度も骨折すると思って間違いないでしょう。」と伝える
※不幸対照群を用意するのは、単純にネガティブな予測が影響するのではなく、「孤独」が影響することを明らかにするため。
3グループに行う実験の内容
次に「大学院入学適性テスト」の中の「一般知能テスト」の一部を受けてもらう( 数学的能力・空間把握能力・言語的推論力 などが含まれる)
その結果、2の将来の社会生活について悪い予測を聞かされたグループは認知能力の低下を示した。不幸対照群と比べても成績は有意に悪かった。
※実験の内容は実際のものとまったく同じではなく、趣旨が変わらない程度に省略している箇所があります。
つまり、「将来孤独になりそうだ」と一時的に思っただけでも、自己調節が困難になり 思考力の低下につながってしまうのです。
また、この実験はその後同じような実験スタイルで研究を重ねられています。その結果、将来孤独になると告げられた人たちは、将来幸せになると告げられた人よりもさまざまな点で劣ることが分かりました。
- 栄養価が高く健康にはいいが、味はまずい飲料を飲んでもらう実験では、将来孤独群の方が自発的に飲んだ量が少なかった(つまり孤独な人は将来の利益のために苦痛を耐える能力が低い)
- 中程度に難しい数字の問題を解いている被験者の脳をスキャンした結果、将来孤独群の被験者では 集中力の維持を可能にする実行制御に関連した領域の活動が低下していることが分かった。(つまり孤独な人は脳スキャンでも能力の低下が確認されている)
- 幾何学模様を一筆書きでなぞるという(実は解けない)課題に取り組ませた実験では、将来孤独群の被験者はもっとも諦めるのが早かった(つまり孤独な人は粘り強く取り組む能力が低い)
つまり、孤独を感じている人は集中力や思考力が下がるだけでなく、自分の誘惑をコントロールして粘り強く取り組む能力も低下してしまうようです。
「孤独」の時間と「友だち」との時間を使いこなそう
孤独の話をすると、いつも言っていることですが、「孤独」と「孤独感」は違います。
「孤独」は一人でいても寂しさを感じておらず、一人を楽しめている状態です。孤独には様々なメリットがあります。
- 一人で熱中して何かに熟達できるメリットがある
- 誰からも邪魔されない安心感で創造性が発揮しやすい
- そもそも知能が高い人は友だちがいない方が幸福度が高い
「別に友だちがいなくても気にしない」という方は、孤独ではあるけど孤独感はないのでしょう。その場合は孤独感によるデメリットもないのかもしれません。
しかし、自分が心を許せる友だちを作っておくに越したことはありません。友だちがいても孤独を楽しむことはできます。対人関係を楽しむ時間と自分の時間をうまいこと操れるようになれれば無敵です。
内向的な人のための友だちの作り方
内気な人ほど外向的な人を狙って会話しよう
内向的な人が友だちをつくるポイントは、外向的な人とうまく会話をすることです。
外向的な人はこちらから話しかけなくても話しかけてくれます。自分から勇気を出す必要がないので、友だちになるにはもってこいなのです。
また、外向的な人は当然のことながら話すのが上手です。ですから僕たちのような会話に苦手意識を持つ人には絶好の相手です。もしも会話する相手も内向的で口下手なら、シーンとしてしまいます。
ですから、意外と外向的な人と仲良くなることはハードルが低いのです。最初は自分の方から話しかけようと思わなくていいです。向こうから話しかけられたときにうまく対応して会話が続けられるように準備しておきましょう。
外向的な人と話す自信がない?勇気の出る事実を教えよう
外向的な人は純粋に話したがっている
内向的な人は会話に自信がないことから、外向的な人を避けがちです。僕も学生の頃にはクラスの明るいキャラクターの人に話しかけられたりしても、まったく対応することができませんでした。
避けてしまう理由は「こんな人が自分に話しかけてくるなんておかしい!からかってるに違いない!」と思い込んでいたからです。
しかし今となっては自分の思い込みが間違えていたなあと考察しています。外向的な人というのは、僕たちのような陰キャをからかうために話しかけているわけではありません。だからといって親切で話しかけているのとも違うと思います。
外向的な人というのは、人と話していないと気がすまない人種なのです。内向的な人間からすると会話はエネルギーの消耗ですが、外向的な人にとってはエネルギーの回復になります。
ですから、外向的な人が話しかけてくれているときは、極めて純粋に話したいから話しかけているのです。
ですからもしも明るい人に話しかけられたときには、「からかっているのか?」と変に警戒せず、「誰かと話しとかないと落ち着かないんだな」と思って話を聞いてあげましょう。
外向的な人は内向的な人と話すのは退屈するのでは?
もうひとつの心配事が、「外向的な人は自分みたいな暗い人と話しても退屈するんじゃないか?」という疑問です。
結論をいうと、大丈夫。カリフォルニア大学サンタクルーズ校の実験では、外向的な人は意外にも内向的な人物との会話を好意的に評価したそうです。
変に心配せず話しましょう。「つまらない話題を回避したい」という方はこちらも参考に↓
外向的グループに染まったら逆に「孤独感」が強くなる
最後に伝えておきたいのが、たとえ外向的な人と仲良くなれて人脈が広がっても、決して本来の自分を忘れて無理をしてはいけないということです。
ここまでの話を頭に入れていただき、外向的な人とも仲良くなると、段々ネットワークが広がってきます。それほど人脈が広い外向的な人と仲良くなるのは効果が高いということです。
しかし、自分が本来内向的な性格だという場合は、ずっと外向的な人と一緒にいるのは疲れます。
「外向的なグループに混じってもついていくことができない」「自分が苦手なノリに付き合わされる」と思ったら、少し距離をとるようにしましょう。友だちだからといって、いつも一緒にいる必要はないのです。
外向的な世界に疲れてしまったときには「孤独」を楽しむ心を思い出してください。
孤独感というのは、「一人でいること」ではなく、「思い通りの人間関係が育めないこと」です。孤独の時間と友だちといる時間をうまく使うようにしましょう。
【今日のクエスト】外向的な人に話しかけられたときのテンプレートを用意しておこう
「自分から話しかけて友だちをつくろう!」とするのはハードルが高いかもしれません。ですので明るい人に話しかけられたときに、会話を弾ませるための準備をしておきましょう。内向的な人はアドリブに弱い分、準備するのが得意です。
相手と打ち解けやすい会話のテーマについてはこちら↓
【獲得経験値】
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