- 学校・職場でいじめや嫌がらせを受けている
- やり返したいけど勇気がなくてできない
- 「自分が悪いのだろう…」と自分を責めている
今回はいじめを攻略する方法です。「面と向かって立ち向かう必要はないけど、心の中でちょっと強くなった気になろうよ」というお話をします。
心のなかでは常に優位に立ったつもりで。
「コイツら暇なんか?」と見下しておけ。
いじめの加害者に面と向かって立ち向かうのは恐らく無理でしょう。
それでも心のなかで反撃することが大事です。
というのも、いじめなどに対して心の中で反撃することは実際に反撃するのと同じぐらいの効果があると分かっているからです。
ある研究では、困難に対して心のなかで立ち向かっていた人は心を保つことができたと示されています。
介入
- 被験者:81人の成人。東ドイツで政治犯として収監され、殴られる・脅かされる・暗い部屋に閉じ込められる…など心身の虐待を受けた人
- 観察:虐待を受けていてもトラウマにならず普通に暮らしている被験者について調べた
釈放されてから数十年後には被験者の約2/3がPTSDを発症していたが、残りの1/3はそうではなく普通に暮らしていました。普通に暮らしていたグループについて、収監中に受けた扱いと彼らのストレスに対する戦略を調べてみました
結果
PTSDやトラウマを残すかどうかは、虐待の激しさや日々の生活の中で抱く恐怖心よりも、心の中でどれほど諦めずにいられるかが大きく影響していた。具体的には以下の違いが見られた。
- 心の中で敗北感を抱いている人たちは、釈放してから何十年経っても苦しむ傾向が見られた
- 対して心の中で密かに立ち向かっていた人たちは、その傾向が見られず心身が健康だった
考察
つまり、辛いときでも「なんだクソ!」と密かに立ち向かう戦略が有効だったと言えます。
というのも、いじめられているときには、「自分が悪いんだ」と思い込んでしまうことがありますよね。例えば、「自分が空気が読めないからいじめられるんだ」とか「自分が場を盛り下げてしまってるんだ」とか。
しかし、どんな理由があってもいじめられる理由にはなりません。いじめを受けたときに「自分が悪いのかもしれない」と思うのは100%錯覚です。
心のなかで敗北感を抱くのではなく「なんだクソ!負けねぇぞ!」と思うのが大事です。「人をいじめるなんて、コイツらよっぽど暇なんだな」で心の中であざ笑ってやるのもいいでしょう。
面と向かって言えなくても、怖がっているように見えても、周りから見てカッコ悪くても心は常に優位に立ったつもりになりましょう。
「怒り」は最強のエネルギー
怒りが前向きな行動と組み合わせると莫大なエネルギーに変わります。
例えば、「人をいじめるような人は許せない!自分は将来弱い立場の人を救う人間になるぞ」という感じで、怒りをエネルギーに変えてみるといいです。
脳のなかでも、怒りを行動に移すエネルギーにすると望ましい反応が起こります。
まず、怒りを感じると脳の「扁桃体」が反応します。扁桃体が活性化しているのは「とにかくここから逃げろ!」と警報を鳴らしているような状況です。この状態では冷静で計画的な思考はできません。
しかし、怒りを意図的に活用する段階へと移行する時、脳の活動は「前頭前野」へと移ります。
前頭前野はより思考力や創造性を発揮するための領域です。怒りによって前頭前野が活性化するということは、怒りは思考力を動かすエネルギーとなるのです。
怒りは最大の防御
怒りは受けるストレスも低下することが分かっています。
92人の成人を対象とし、ウェクスラー成人知能検査の数学の難しい問題(※)を解いてもらう
その際、参加者は間違いを指摘されたり、「もっと早く計算するように」「もっと頑張るように」と追い立てられたり、「他の人から遅れるぞ」と脅されるなどしてストレスをかけられる
※ウェクスラー成人知能検査の数学の課題とは、「6233から13を引く作業を繰り返すなど
その結果、参加者の「ストレスへの考え方の違い」により、脳のストレス反応に違いが出た
- 「不安」や「恐れ」を感じた参加者は血圧や心拍数コルチゾール分泌量が増加した
- 一方、「怒り」を感じていた参加者の場合はこれらの数字は低いままだった
つまり、怒りを感じている人は強さと自信の深まりを感じることができ、ストレスに強くなれる
つまり、逆境に直面したとき「なんだクソ!」と怒りを感じる人は、ストレスに強いということです。「攻撃は最大の防御」ならぬ、「怒りは最大の防御」と言えるでしょう。
【今日のクエスト】「落ち込み」はただの無駄、「怒り」を燃やせ
パターン1:いじめられたら心のなかで密かに反撃しよう
【関連知識】

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