今回は、今のところ僕が実践している読書術を紹介できたらなと思います。
個人的にやりやすい方法なので参考にするかは自由ですが、一応科学的知識も取り入れているのでそっくり真似しても効果が期待できると思います。
僕的読書術は、
- 読む準備
- 1周目(結論読み)
- 2周目(メモ読み)
- 2と3を繰り返す
という4つのステップに分けて行っています。それぞれ概要をまとめておくと、
- 読む準備:好奇心を刺激したり、内容を予測する。アウトプット寄り。30分程度
- 結論読み:結論だけを追っていき6割理解を目指す。詳しく読む部分を絞る。インプット寄り。30分
- メモ読み:詳細を読んで頭に残しながらノートをとっていく。インプット+アウトプット。30分
- 結論読み→メモ読みを繰り返す
という感じ。
読む前の準備
読む前の準備は大事です。なぜなら読む前の準備によって、読みきるためのモチベーションを保てるかどうか、読んだ内容が記憶に残るかどうかという2点が決まるからです。
僕が実践している読む前の準備は2つあります。
- 読む目的を決める
- 書いてある内容を予測する
好奇心がやる気と記憶力を高める
まずはモチベーションに関してです。本を読むモチベーションと言えばやはり好奇心でしょう。
本を読むときにただ機械的に読むよりも、好奇心いっぱででワクワクしながら読む方が有意義な学習ができます。
というのも、人間は好奇心が掻き立てられると脳の中で「報酬系」と呼ばれる部分が活性化します。報酬系が活性化するとやる気がアップさせてくれます。また、報酬系に隣接している「海馬」もよく働くようになり記憶に定着しやすくなります。
僕は好奇心を活かした読書をするために、「なぜこの本が気になったのか?」「一番の目的は何なのか?」を考え、記録するようにしています。
例えば、「2Dゲームの作り方」という本なら、「カードゲームのアプリを作れる知識が欲しい!」といった目的をハッキリとさせておくのです。目標は具体的であればあるほどいいでしょう。
実践アイデア:しおりに読む目的を書いておく
手頃な紙やインデックスカードにその本を読む目的を書いておき本に挟んでおくといいでしょう。
しおりとして使えるだけでなく、その本を読むためのモチベーションを維持し続けることができます。
実践アイデア:普段から「疑問リスト」をまとめておこう
僕は日常生活で抱いた疑問や関心を記録するようにしています。
なぜなら、疑問を記録しておけばその分野の本を読むときに「そうだ!○○が気になっているんだった」と思いだすことができるからです。
例えば、「勉強をしていて机が狭いな…でも買うと高いし。自分で作る方法ってないのかな?」と興味を抱いたらすぐにメモします。図書館で本を借りたりするときには「DIY関連の本を探してみようかな」と探すことができます。
また、僕たちは普段から何気なく好奇心を抱いていますが、それを忘れてしまってはもったいないです。
例えば、何かが気になって図書館で本を予約するのですが、本が自分の手元に来る頃には「あれ?何でこの本読もうと思ったんだっけ?」と忘れていることが多いです。
もちろん好奇心が沸いたときにすぐに本が買えたりするのがベストなのですが、お金がないと好奇心の赴くまま本を買うことはできません。(いつかそういう暮らしをしたいですが。)
ですから、好奇心を記録することは大事だと思います。
実践アイデア:Evernoteを活用して好奇心を記録しよう
僕は「Evernote」というアプリのなかにジャンル別に疑問を記録しています。
そして1つ1つのノートをホーム画面に追加していつでも記録できるようにしています。
↑こういう感じですね。例えば「ポリフェノールとファイトケミカルって何が違うんだろう?」と疑問を感じたら、『栄養』というノートに書き残しておきます。
こうすると、栄養学関連の本を読むときには、「ポリフェノールやファイトケミカルについて気になっているんだった。その記述がないか注目して読もう!」と目的を決めやすくなります。
読む前の予測で効率と記憶アップ
本を読む目的が決まったら、もう1つ読む準備をします。
内容の予測です。読む前に本に書いてある内容を予測するのは2つの理由があります。
- 自分が読むべきところが分かるから
- 記憶に残りやすくなるから
まず1についてです。先に内容を予測しておくと、その分野において自分が知っていることと知らないことがハッキリわかります。
例えば、予測ができるところは自分が知っているところですから優先度が低いです。逆に予測できないところや、知っているはずなのに思い出せないところは注目して読むべきだと分かりますよね。
次に、予測した方が記憶に残りやすくなる理由についてです。
理由としては、予想外のことが起こったとき脳のなかで「ドーパミン」という物質が分泌されるからです。
ドーパミンは基本的に「報酬が得られる!」と期待した時に報酬系を活性化させ、行動に向かわせたり記憶に残したりする役割があります。
それに加えて、自分がした予想と違った時にもドーパミンが分泌されるのです。その理由は予想外のことが起こったときにはしっかりと記憶しておく必要があるからです。
というのも、脳ができ上がった大昔の人間の暮らしのなかでは予想外なことを記憶しておかないと生存の危機を伴うことだったのです。
例えば、見るからに危なそうな動物に対しては「危ないから気をつけないと」という危機感が高まります。ですが見た感じ大人しそうな動物の場合はなめてかかることでしょう。だけど戦いを挑んでみたら意外と凶暴で危険なやつだったとします。
ならば、次に出くわすときに備えて、「この動物はどんくさそうに見えるけど意外と凶暴だ」ということを記憶しておかなければなりません。
そのため人間の脳は 当初の予測とは違った事が起きた時、それを強く記憶するように働きかけるのです。
ですから、読書をするときにも人間の脳の習性を活かしましょう。そこで読む前の予測なのです。
例えば、目次をパラッと読んだとき「糖質制限について」という項目があって、「糖質制限はケトン体ダイエットなら知っているぞ。この本でもケトン体ダイエットが薦められているんじゃないかな?」と予測したとします。
しかし実際の内容には「ケトン体ダイエットなどの炭水化物を極度に制限するダイエット法は数ヵ月は効果が出るが、1年後にはリバウンドする傾向が高い」と書いてあったと。
すると、「今まで間違った認識をしていた!」というインパクトが残るので内容を覚えやすくなるわけです。
内容を予測:「ケトン体ダイエットがオススメ!ってことが書いてあるんじゃないかな?」
実際の内容:「ケトン体ダイエットは数ヵ月は効果が出るが、1年後にはリバウンドする傾向が高い」
「予測が間違ってた!覚え直さないと!」→記憶に残りやすい
なお、予測したことと実際の内容が合っていたときには、「よし!ちゃんと分かってたな」と自分の知識を確認することができます。
予測していれば当たっていても外れていても読書が有意義になるのです。読む前の予測をしない理由はないのです!
読む前の準備まとめ
- 疑問リストを作って好奇心を記録しよう
- タイトルや目次を見て読む「目的」を決めよう
- 目次を読んで内容を「予測」しよう
目的を決めるのと予測は30分ぐらいを目安にやっています。
1周目の読み方:結論読み
読む準備が終わったら、いよいよ本を読んでいきます。
僕は1周目に読むときには「目を早く動かそう!」とか余計なことは考えません。集中して普通に読みます(笑)。
1周目に読むときにはいきなり100%理解しようとせず6割理解を目指すといいです。詳細までは深追いせず結論だけを追っていくので「結論読み」と名づけています。
「つまりこういうことが書いてあるんだな」ぐらいでOK
1度目の読解では話の結論だけを追うようにしてみましょう。
基本的に文章は「結論・根拠・具体例」の3つの要素で構成されていると考えて大丈夫です。
- 結論:著者が一番いいたいところ。「つまり・しかし・ですから・そして・ようするに」に続くことが多い
- 根拠:結論に信憑性を持たせる。「なぜなら」「~大学の研究によると」などに続く
- 具体例:結論をより分かりやすくする。著者の経験談やエピソード。「例えば」などに続く
例として、以下の文章に目を通してみてください。(結構しんどいですが(笑))
私たちは未来の課題の所要時間を予測するとき、過去に同様の課題に要した時間を思い返す。しかしその際、過去の所要時間を実際より短く考え、課題達成の過程でつぎ込んだ努力と直面した障害を軽く考えてしまう。この計算違いにより、先延ばしの弊害にますます拍車がかかる。(中略)重要なのは、マイナス思考の悲観主義と能天気な楽観主義の適度なバランスを取ることだ。モチベーションを研究しているオハイオ大学の心理学者ジェフリー・バンクーバーは、モチベーションを最大限に高めるうえで最適な楽観主義の水準があることを見いだした。
「ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」より引用
こうした文章を読んだときにもいきなりすべてを理解しようとせず、結論だけを追っていくといいです。文章を結論・根拠で分けて考えてみましょう。
私たちは未来の課題の所要時間を予測するとき、過去に同様の課題に要した時間を思い返す。しかしその際、過去の所要時間を実際より短く考え、課題達成の過程でつぎ込んだ努力と直面した障害を軽く考えてしまう。この計算違いにより、先延ばしの弊害にますます拍車がかかる。(中略)重要なのは、マイナス思考の悲観主義と能天気な楽観主義の適度なバランスを取ることだ。モチベーションを研究しているオハイオ大学の心理学者ジェフリー・バンクーバーは、モチベーションを最大限に高めるうえで最適な楽観主義の水準があることを見いだした。
「しかし」「重要なのは」「ですから」「そして」「つまり」と言った単語の後には筆者が一番言いたい部分(=結論)が来ることが多いです。
ですから(ここが僕の言いたいところ(笑))、1度目の読解ではこういった単語に注目して「結局何が言いたいのかな?」と考えていきましょう。
この文章だったら、
1周目は付箋を張るだけ
結論読みのまとめ
1周目の読み方「結論読み」のポイントは、
- 「結論」に注目しながら読む
- 詳しく読みたい部分は付箋を貼っておく
2周目の読み方:メモ読み
結論読みのあとはノート(ノートアプリ)を活用しながら深く読んでいきます。
- ノートとして記録を残すこと
- 理解し残した部分を理解すること
の2つが目的です。
1文読んだらノートにとる
ノートを取るときには本を見ながら書き写すのでは芸がありません。
後々記憶に残しやすくするためには、1文読んだら頭のなかに残して書き取るようにしましょう。
紙が面倒なら音声入力がオススメです。僕はメモアプリに音声入力する方法を取り始めてから多くの知識を集められるようになりました。また、自分の声に出すことで理解力も高まります。
なお、音声入力するときにも自分の頭に残しながら行いましょう。
手や口を動かすと理解が進む
最初からキレイにまとめなくてOK
結論読み30分→メモ読み30分→…
僕は、本を一気に読んで後から一気にノートにまとめるという方法は取りません。
結論読みとメモ読みを30分のインターバルで繰り返します。理由は2つです
- その方が理解しやすいから
- ノートに残すのが面倒になる
世の中の読書術のなかには「1ページ1秒ぐらいで全体を先に読みましょう」なんてことが書かれています。
しかしどうやら僕には合わないみたいです。「1ページ1秒で何が分かるん?」って思うからです。それよりは
- 6割理解を目指して30分読む
- 読んだ部分をノートを取りながら理解し直す
- 1の続きから読む。6割理解を目指して30分読む
- 読んだ部分をノートを取りながら理解し直す
…といったインターバルを繰り返した方が合理的かと思います。別に1日で本の最後まで行く必要はないのです。
インプット完了!
音声入力できた部分は付箋(※)を剥がしていきます。
※付箋は結論読みのときに貼ったやつ
付箋が全部剥がれたら「自分がその本で気になった部分はすべて熟読した」というサインになります。これで読書は完了です。
しかし、作ったノートはまとまりのないものになっていると思います。ですから復習するときにノートを整えてまとめ直していきます。効果的な復習に関してはこちら↓
【今日のクエスト】自分の読書術に以下の要素を取り入れてみよう
- 読む前に目的を定める
- 読む前に内容を予測する
- 結論・根拠・具体例という文章の構造を意識して読む
- 自分の頭に残しながらノートにメモをする
- 普段から好奇心が沸いた瞬間をメモする
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