- モチベーションが上がるような目標の立て方をマスターしたい
- 簡単な習慣なら毎日取り組めるぐらいになっている習慣化中級者
- 英検などの3~4ヶ月で狙える目標を達成したい
今回は、目標設定するときには基準・手順・目的意識の三つを意識すると良いぜ~というお話です。
予備知識
今回の内容はWOOPの法則という目標設定法を補う形で実践すると効果的です。先にWOOPの法則について知っておいて、「目標達成シート」の使い方も知っているとスムーズに読めます。
「基準・手順・目的意識」を決めるとモチベーションが高まる
アイントフォーヘン工科大学などの研究では、目標設定するときには大事な要素が三つあるということが示されています。
- 目標達成の基準があるか
- 目標達成までの手順が明確か
- 目標を達成することの目的意識があるか
この三つの質問を取りかけることによってモチベーションをアップさせることができます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
目標達成の「基準」があるか
まずは、どこまでいったら目標が達成と判断していいのかという基準を設定しましょう。
例えば、「プログラミングをマスターする」といったざっくりした目標ではなく、「診断した結果を保存して共有できるアプリを作れるようになる」といった具体的な目標の方がいいでしょう。また、最終ゴールだけでなく1日あたりのノルマを設定するのも大事です。
目標達成の「手順」が明確か
次に手順です。具体的に、どのような手順を踏んで目標に近づくのかが明確でないとやる気も起きません。
例えば、先ほどの「診断した結果を保存して共有できるアプリを作れるようになる」というゴールなら…
- ボタンを押して質問項目に答えていく画面をつくる
- 画面を遷移する処理をする
- データ保存を実装する
- SNSで共有できる機能をつける
…といったように分解できます。大きな最終ゴールを分解して、サブゴールをいくつもつくるイメージです。
↑実際、僕はアプリをつくる勉強をしたときにアプリの完成ずや動きのイメージを目標達成シートの裏に書いていました。アプリ完成までに何が足りていないのかがすぐに確認できたので、モチベーションを保ちやすかったです。
目標を達成する「目的意識」があるか
最後に目的意識です。ようするに、「その目標を達成したらどんないいことが待っているのか?」ということです。
例えば、「診断した結果を保存して共有できるアプリを作れるようになって、性格診断のアプリをつくりたい。そしてみんなに自分のパーソナリティに興味をもってほしい」といった感じでいいかと。
【今日のクエスト】基準・手順・目的意識
今回は例として「英検2級に合格する!」というのを最終ゴールにして、解説してみたいと思います。
↓こちらが使う目標達成シートです。ダウンロード・印刷しておくと便利。
ステップ1:まずは最終ゴールを達成する期限を決める
まずはざっくり見通しを立てます。目標を達成するための期間を設定してみましょう。「英検2級 合格 期間」などで Google 検索をかけてみたところ、英検2級を基礎から英語学習を始めるとしたらおよそ2ヶ月から3ヶ月かかるとのこと。
受験日程も考えて4か月後に設定することとします。
目標達成シートの「最終ゴール」に書き込んでください。また、英検受験のように、英単語・リスニング・スピーキングなどいくつかの要素を持つ目標はそれぞれに目標シートをつくるのもおすすめです。
ステップ2:電卓アプリを用意しよう
簡単な計算をしていくのでご用意を。
ステップ3:【基準】1日あたりのデイリーゴールを決める
↓こちらが完成形。最終ゴールを達成するためのデイリーゴールと最低ノルマの2つを書き込んでいます。
ここでは英単語から日程を考えていきましょう。英検2級の単語帳を見てみると単語数は1700語。会話表現や作文表現も含めると1838語覚える必要があるみたいです。
ページ数にすると、単語のページだけで256ページありました。間に見出しとなるページや真っ白なページが6ページあった(※僕調べ)ので実質250ページです。
単語は試験の1ヶ月前には終わらせたいので、3ヶ月で250ページと考えます。すると1日あたりは250÷90=約2.7。3ページ進めれば間に合いそうです。1日3ページをデイリーゴールとしましょう。
攻略ポイント:デイリーゴールは少し余裕を持たせて。
ステップ2で設定したデイリーゴールをもう少し具体的にシミュレーションしてみます。
250ページを1日あたり3ページずつやっていくと、250÷3=83日で完遂することになります。つまり3ヶ月を目標にすると7日は余裕があります。極端な話、もしも83日のどこかで完全にサボってしまっても7日以内であれば90日の間には目標達成できるわけです。基準の設定はギチギチにせずこのぐらいの余裕を設定しておくのがポイントです。
余裕が作れない場合、そもそも最終ゴールの期日を見直した方がいい場合もあります。
ステップ4:【基準】1日あたりの最低ノルマを決める
完全にサボる日は作らない方がいいです。そこで1日あたりのデイリーゴールに届かなかったとしても、「これぐらいならできそう」という最低ノルマをつくってみましょう。
例えば、「3ページもやる気が起きなかったとしても1ページやったらOK」とか、それも無理なら「単語帳を開いたらOK」といった基準を用意しておくといいでしょう。
デイリーゴールと最低ノルマの二段構えにしておくことによって、より粘り強く習慣化できます。
攻略ポイント:「少しでもやる」がどれだけ強力なのかをシミュレーションして実感する
「少しでもやろう」マインドを養うために、まったくサボった場合と、少しでも着手した場合でシミュレーションしてみるといいです。
- 仮に83日中の13日は3ページに届かなくても、1ページは着手した場合、70日×3ページと、13日×1ページを合わせれば223ページは終わります。250ページまで27ページ足りませんが、3ページずつ余計に9日増やせば、到達できます。合計92日かかってしまいますが、ギり(?)3ヶ月で終わるのです。
- それに対し、83日中の13日まったくやらない場合、70日×3ページと、13日×0で合計210ページ(残り40ページ)。残り7日でやろうと思えば5~6ページもやらないといけなくなるのです。
まったくやらない日をできるだけ減らし、1ページでも取りかかる日を増やすことは非常に強力と言えます。面倒くさいように思えますが、「基準」をより具体的にするためにここまでシミュレーションしておくといいでしょう。
ここまで設定できたら、目標達成シートの「1日あたりの最低ノルマ」及び「1日あたりのゴール」というところに書き入れましょう。
ステップ5:【基準】1日あたりのデイリーゴール・最低ノルマを決める②
英検の場合、単語以外の対策について考えないといけません。先程と同じように…
- テキストのページ総数がどれぐらいあるか見積もる
- 期限から逆算して1日あたりどれぐらいやればいいか割り算する
- 本当に1日でやれるか、余裕があるかどうかをチェックする。ないなら期限を見直す
- 最低でもこれだけやる!という最低ノルマを決める
…といったことを繰り返せばいいだけです。
ちなみに、英検の総合的な対策教本があったので、僕はこちらも3ヶ月(試験の1ヶ月前)を目安に攻略を目指すことに。
目次からページ数を確認してみると、一次試験までの内容で220ページだったので、1日3ページをデイリーゴールとして設定しました。
ステップ6:【手順】大きな流れを明確にする
次に目標に取りかかる手順を具体的にします。まずは大きな流れから。
4ヶ月で英検合格というのが最終ゴールですが、具体的には…
- 3ヶ月で英単語をパス単で覚える。
- 平行して、教本で一次の対象となるリーディング・リスニング・ライティングを攻略する
- 1ヶ月で問題演習をメインにする
…といった流れにしようかと。
ステップ7:【手順】勉強の流れを明確にする
次に勉強の手順を明確にしていきます。
↓こちらは英単語攻略の目標たっせーシートの裏側。
英単語を勉強する手順として、「パス単を開いて→隠しながら日本語の意味を考える→一瞬で分かるならOK。分からないものだけ暗記アプリに入れる→暗記アプリには英語の音声入力で入れる」といった手順を書いておきました。
勉強の流れを明確にしておくことによって、「さて、今日は何から取りかかろうかな?」という迷いを感じずに、ストレスなく勉強を始めることができます。習慣化する上で地味に大事なポイントです。
ステップ7:【目的意識】どんないいことがあるか?を考えよう
ご褒美を設定するのもありです。例えば、「4ヶ月間やり遂げて英検に合格したらポケモンの新しいゲームを買う」などでもいいでしょう。
ステップ8:それぞれ修正しながらデイリーゴールクリアを目指していく
ここまで設定したら、目標達成のための設定は完了です。後はゲームのようにノルマクリア・デイリーゴールクリアを目指して頑張ってください。
【獲得経験値】
☑️テキストのページ総数がどれぐらいあるか見積もった
☑️期限から逆算して1日あたりどれぐらいやればいいか割り算した
☑️本当に1日でやれるか、余裕があるかどうかをチェックした。ないなら期限を見直した
☑️最低でもこれだけやる!という最低ノルマを決めた
☑️勉強の手順を決めた
☑️ご褒美を設定した
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