お酒が健康に与える影響はさまざまです。しかし、「コミュニケーションやストレス発散のためにお酒を飲みたい!」という人も多いでしょう。今回はお酒の楽しみと健康のバランスをとるための飲酒量の目安を知っていきましょう。
1日1杯ごとの飲酒で肺炎のリスクが8%上昇!
喫煙が肺に負担をかけるというのは周知の事実です。加えて、実は飲酒は肺炎の原因にもなるということが分かっています。
2018年に発表されたイギリスのノッティンガム大学の系統的レビューによると、お酒を多く飲む人ほど肺炎にかかりやすいことが示されています。

方法
18歳以上を対象にしたアルコールの摂取と肺炎のリスクの関係性を調べたピックアップ。1985年から2017年に発表された14件(スクリーニング後)の論文をまとめて分析。
- アルコールの摂取量:自己申告(インタビューや質問票を通じた)や医療記録によって判断した。なお、一日当たりのアルコールの消費量は0.6オンス(14g)の純アルコール量を基準に計測された。
- 肺炎の発症:胸部のエックス線や血液検査などの臨床診断や医療記録によって判断した
結果
- アルコールを摂取しない人や少ない人と比べて、アルコールの摂取量が多い人では肺炎のリスクが1.8倍高かった。
- 1日あたりの純アルコール量が10~20g増えるごとに肺炎のリスクが8%上昇していた。
要約・考察
研究では、1日あたりで摂取する純アルコール量が10gから20g増えるごとに肺炎のリスクが増えるということがわかりました。なので、お酒飲んでいる人は純アルコール量で換算して20gずつ減らすことを目的とすると良いでしょう。これはだいたいお酒を1杯減らすと達成できます。
【実践】「お酒は1日1杯まで」から少しずつ減らしていこう
ステップ1:お酒は1日1杯(=純アルコール量20g)までにしよう
まずは一日当たりの飲酒量を一日一杯までにすることを目指しましょう。
2杯、3杯と増えていくことに健康リスク(少なくとも肺炎のリスク)が高くなってしまうからです。
ステップ2:お酒の種類ごとの適度な量を把握しよう
厚生労働省でも、適度な飲酒量は純アルコールで一日当たり平均20g程度とされています。純アルコール20gをさまざまなアルコール飲料に換算すると以下のような量になります。
- ビール(5%):中瓶一本(500ml)
- 日本酒(15%):一合(180ml)
- 焼酎(25%):ロック1杯(100ml)
- ウイスキー(43%):ダブル1杯(60ml)
- ワイン(14%):1/4本もしくはグラス2杯(約180ml)
- チューハイ(5%):ロング缶一缶(500ml)
- チューハイ(7%):レギュラー缶一缶(350ml)
ちなみに純アルコール量の計算式は以下の通りです。
例えばビール中瓶一本であれば、アルコール度数5%で500mlなので以下の計算になります。
ざっくりまとめると、どのお酒に関しても1日1杯までなら純アルコールで20g前後になるといえるでしょう。
ステップ3:少しずつ減らしてリスクを下げていこう
日常的にお酒を飲んでいる人がいきなり禁酒をするのは難しいでしょう。一日一杯に抑えられている人は、お酒を飲まない日を作るなどして週あたりの摂取量を少しずつ減らしていくといいでしょう。
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