今回は、空間認識が苦手でも機械や数学に関わりたい人に向けて、ジェスチャーが空間認識の助けになることについて解説します。
手という思考ツールを使いこなすことによって、苦手を克服して職業の選択肢を増やしてみましょう。
空間認識が苦手な人は頭しか使っていないから
「空間認識」とは空間にある物体や関係性を理解する能力です。例えば、地図を読んで道順を理解する、家具の配置を考える、立体図を頭の中で想像するなどです。
今回紹介する研究には、空間認識のうち「メンタルローテーション」という能力が注目されています。
メンタルローテーション(心的回転)とは、空間認識の能力の1つで、頭の中で物体のイメージを回転させて理解する能力です。
研究で用いられるメンタルローテーションタスクは、一般的に2つの角度の異なる図が表示され、それらの物体が同一であるか鏡写しになっているかを判断するタスクです。なお、メンタルローテーションタスクは男性の方が女性よりも若干成績がいい傾向があります。一般的な感覚でも、女性は男性と比べて空間を認識するのが苦手というイメージがあるかと思います。
2024年にコチ大学などの研究者たちが発表した論文によると、ジェスチャーをすることがメンタルローテーションの課題の成績アップさせることが示されています。

内容
被験者は平均年齢22歳の59人。メンタルローテーションタスクが用意され、難易度の異なる24問を解いた。その際、被験者を二つのパターンに分けて比較。
- 問題に取り組む間、ジェスチャー(身振り手振り)を使うように指示される。
- 問題に取り組む間、ジェスチャーの使用を促されない。(禁止されているわけではない)
また、自分の回答に対する自信度合いを評価してもらうように求めた。
結果
- ジェスチャーをしたグループは回答の正答率と回答への自信が高まる傾向がみられた。
- ジェスチャーによる向上の効果は性別や課題の難易度によって違いがあり、
- 女性では特に難易度が高い課題においてジェスチャーの効果が高かった。
- 男性ではジェスチャーを促される方が正答率や自信が低下した。
考察
勉強する時に頭の中だけでなく手を使うというのはシンプルながら強力なテクニックだとわかります。特に女性において効果が高かったのは、女性が苦手な空間認識の能力を補う効果があるのかもしれません。
【実践】ジェスチャーを使って勉強してみよう!
日頃の勉強でも積極的にジェスチャーを活用することで、空間認識を補い理解を促すことができます。
例:
- 展開図の問題→実際に紙を折るときのジェスチャーをしながら考えてみる。
- 数学の座標問題、建築・工学の配置図→x軸・y軸・z軸を手で作り、ベクトルや点の位置を空中で示しながら理解する。
まとめ:「苦手だから…」と選択肢を捨てる必要はない
空間認識が苦手だからといって、数学や工学、建築などをあきらめる必要はありません。頭の中だけで考えるのではなく、手という「思考ツール」を活用することで、理解を深められます。特に女性にとってはジェスチャーが有効な補助となる可能性が高く、職業の選択肢を広げるきっかけにもなります。

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