- 自分がどれぐらい休息をとれているか分からない
- 休みの日はダラダラと過ごすことが多い
- 仕事と休みのメリハリをつけるのが苦手
突然ですが、皆さんは1日のうちどれぐらい休んでいるかを明確に答えられますか?
今回は「意思的な休息」と名づけたテーマで書いていきたいと思います。
本当に優秀な人は「自分がどれだけ休んでいるか」を知っている
本当に優秀な人はよく努力しているだけでなく、自覚的に休息をとっているということが明らかになった研究↓があります。
心理学者のアンダースエリクソンたち 1990年代に行った研究(※)。
世界のトップレベルのバイオリニストたちの習慣を調べた結果、以下のことが分かりました。
- 優秀なバイオリニストほど より練習時間を確保しており18歳までに7500時間ほど練習に費やしていた
- ほどほどに優秀なプレイヤーは5300時間に止まっていた
また、一般的なプレーヤーとトップレベルで優秀なプレイヤーを比べた結果自分の休憩時間の認識に差がありました。
- 一般的に優秀なプレイヤーは、「週に20時間ほど休憩した」という風に答えたが、実際には35時間の休憩をとっていた
- 一方でトッププレイヤーは「一週間で25時間の休息を取った」と答え、実際の休息時間ともほぼ一致していた
つまり、トップレイヤーは自分がどれぐらい休息をとっているか?をよく把握しているのです。
理由としては、「今からは休憩の時間だ」という区切りを意識的にとっているからだと思われます。
ですから、今回は優秀な人たちに習って、自分がどれぐらい休んでいるかを即答できるぐらい意識的に休息をとることを目指していきましょう。
「意思的な休息」を実践する3つのメソッド
メソッド1.休息モードに入るルーティンを決めよう
「仕事モード」と「休息モード」の切り替えは重要です。
なぜなら、仕事と休息の合間が曖昧になるとしっかりと休むことができないからです。
例えば、仕事中にダラダラスマホを見てしまったり、休息中なのに仕事のことを考えてしまったりするとどちらも中途半端になってしまいますよね。
そこで、仕事が一段落したときには「今から休息モードだぞ!」と自分自身に分からせるための合図を決めておきましょう。
例えば、「仕事が終わったら1分間瞑想して休息モードに入る」というルーティンを作っておき、脳に刷り込んでいきましょう。すると、だんだんと瞑想をするのが急速ードのスイッチとして定着し「今から休息モードなんだな」と切り替えやすくなります。
ダラダラ過ごすのは本当に自分が決めた過ごし方?
「ダラダラテレビやYouTubeを見る」「スマホゲームをする」といった休息はそのときには楽しいかもしれませんが、後から何となく虚しい気持ちになります。
「もう休み終わり!?まだ全然休めてないよ」となってしまいがちですよね。
その理由は、自分の行動を自分の意思で決められていないからです。
こう言うと「ん?何言ってんの?スマホゲームが好きでやっているんだから、自分で決めた過ごし方じゃないか」といった反論もあがりそうです。
しかし、スマホゲームやYouTubeの視聴は本当に自分が決めた行動でしょうか?というのも、ゲームもテレビもYouTubeも利用者がいかにハマるかを計算して作られています。
例えば、YouTubeで「見る気がなかった動画だけどオススメに表示されたので見てしまった」ということはよくありますよね。スマホゲームにしても「今は気分じゃなかったけど、通知が来たのでついつい開いてしまった」ということがあるでしょう。
つまり、クリエイターの手の平の上で踊らされているだけで、自分で決めた時間の過ごし方ではないのです。他人に自分の時間を搾取されているわけですから休んだ気がしないのは当然です。
メソッド2.しっかり休むには「アクティブな休息」をとろう
携帯会社やゲームクリエイターに時間を搾取されないために、休息をするときには「何のための休息なのか」と意識してみましょう。
例えば、
- 自分が成長するために新しい本を読んでみよう
- 気分転換するためにスポーツをしよう
- アイデアが降りてくるのを待つために散歩にいこう
- 面白いアイデアを思い付いたから創作活動をしよう
- 脳を休めるために電子機器はシャットダウンしてぼんやりする
といった自分の意思で選んだ過ごし方を意識してみましょう。
「休息するのにわざわざ目的を作ってたら気が休まらなくない?」といった反論も上がりそうですが、別に仰々しい目的である必要はないのです。
ポイントは「いつもの習慣で何となくスマホを触る」「何となくテレビのスイッチを入れる」などのもったいない時間の過ごし方を避けることです。
スマホやテレビのリモコンは離れたところにおいて「今から何をしようか?」「何がしたいか?」と自分に問いかけてみましょう。
別にゲームやテレビが悪いわけではなく、「友だちとワイワイゲームするのが楽しいからゲームをしたい!」というなら思い切り楽しんでください。
メソッド3.頭を使わない作業が創造性を発揮する
仕事のことを忘れて休息することが苦手な方もいるかもしれません。しかし休息をとることは仕事にもつながる大事なことです。
なぜなら、仕事から離れて休息しているときこそ創造性が高まりアイデアが湧いてくるからです。
創造性を高める休息を行おうと思ったら、ただボ~っとするのではなく頭を使わない程度の作業に取り組むのが有効です。
というのも、頭を使わない簡単な作業をしている時間こそアイデアが生まれやすいからです。
2012年にカリフォルニア大学で心理学者であるベンジャミン・ベアード達が行った研究(※)では、休憩時間にそんなに頭を使わない作業をすることによって創造力が高まるよ~ということが示されています。
介入
被験者には、レンガ・爪楊枝・ハンガーと入った日用品を意外な方法で使うアイデアを考えてもらう課題に取り組んでもらう。
なお、課題の途中では12分間休憩時間が設けられるが、その際被験者を4つのパターンに分ける
- 12分間、集中力が必要な作業を行う
- 12分間、集中力が必要ない簡単な作業を行う
- 12分間、まるまる休憩を与えられる
- 全く休憩を与えられない
結果
4つのグループを比較したところ、休憩時間中に集中力を必要としない作業を行ったグループ2が最も独創性が高いと評価された。
ですので、休息モードの際には単にダラダラと過ごすよりも頭を使わない簡単な作業を行う方がいいでしょう。例えば、
- 編み物
- ガーデニング
- 美術館での絵画鑑賞
- 絵を描く
- 料理をする
- DIYや工作をする
- 散歩する
といった感じ。これらの作業が創造性を高める理由としては単純作業の途中に夢想状態に入れるからだと考えられています。
同じことを繰り返すような作業をしていると、脳が勝手に別のことを考え出したり精神がトリップしたりすると思います。その夢想時間が思いも寄らないアイデアを生んでくれるのです。
ゲームやテレビは休憩では効果なし?
「頭を使わない作業だったらゲームやテレビを見て過ごすのはダメなの?」と思われたかもしれません。僕の考察になってしまいますがゲームやテレビでは創造性アップは期待できないかと思います。
というのも、簡単な作業を行うことによって創造性が刺激されるのは夢想する余地があることがポイントだからです。
ゲームは結構集中力が必要ですし、夢中になっている間は他のことを考える余裕がありません。ですので創造性を高める効果は期待できないでしょう。
テレビも同じように様々な情報を次から次へと処理しなければいけないので夢想の余地はなさそうです。
その点、庭いじりなどの単純な作業は同じことを繰り返すだけなので脳がトリップしやすいのです。
【今日のクエスト】週に25時間(1日4時間~)を目安に意思的休息を取ろう
YouTuberやゲームクリエイターが手軽な楽しみを量産している時代では本当に自分がやりたいことを見つけるのが難しくなります。
「自分の意志で休む」は意外と難しいのです。意思的な休息を実践するために自分の休み方を振り返ってみましょう。
- 何となく手にとってしまう手軽な娯楽を見直す(例:ゲーム、テレビ、スマホなど)
- 「自分がやりたくてやっている?」と自問する
- Noなら他の休息法に変えてみる(例:散歩、スポーツ、工作、パズル、庭いじり…など)
自分の意志で休息をとれるようになれば自然と「自分がどれだけ休めているか」が把握できるようになってきます。そうなれば一握りの優秀な人の仲間入りですぜ。
【獲得経験値】
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