今回はビタミンDの健康効果と増やし方を解説します。
ビタミンDの健康効果
骨を強くする
ビタミン D は腸からのカルシウム吸収率を高める役割があります。
ビタミン D をしっかりと体内で生成することによって骨粗しょう症の防止に繋がるのではないかとも言われています。
ビタミン D は高齢者の運動能力にも影響していると言われています。
55歳以上の男女2000人以上を対象に行われたオランダの研究を見てみましょう。
- 被験者に階段の上り下り・椅子から立ち上がる・足の爪を切るといった簡単な日常動作能力のテストを行った
- それからビタミン D の血中濃度を測定
- ビタミンD濃度と運動能力のテストの結果と比較した
その結果、ビタミン D の大幅な欠乏は 動作障害との数と関連していることが分かった
つまり、ビタミンDが足りていない人ほど日常生活の簡単な運動に問題が生じやすいということですね。
いつまでも自立した生活をしたいならビタミンDを生成することが重要みたいです。
風邪やインフルエンザを予防する
年をとってくるとどうしても免疫力は落ちてしまいます。ビタミンDはそんな悩みも解決します。
栄養学の専門誌である「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」 に掲載された2010年の日本の研究↓ではすごいことが分かっています。
354人の子供達を対象にビタミンDと風邪やインフルエンザの関係性を調べた。被験者の子供達を2つのグループで比較
- 一般的な予防接種を受けてもらう
- 1日あたり1200 IU ビタミン D を摂取してもらう
その結果、グループ1の予防接種を受けた子供達は風邪やインフルエンザの罹患率が10%低下した。それに対して、グループ2のビタミン D を摂取した子供達は50%低下した
つまり、ビタミンDは予防接種よりも免疫力を高める!ということが分かったのです。すごいっすね。
認知症予防する
ビタミンDが不足してしまうと認知症のリスクが上がってしまいます。
血中ビタミンD濃度と認知症のリスクの関係性について調べた研究では、以下のことが分かっています。
- 血中ビタミン D 濃度が低いグループは正常濃度のグループに比べて何らかのタイプの認知症を発症するリスクが1.7倍ほど増加する
- また、著しく低いグループでは2倍以上増加する
理由としては、ビタミンDにはアルツハイマー病の原因物質を除去する効果があるからではないかと考えられています。
アルツハイマーの原因の1つとされているのが、「アミロイドベータ」です。アミロイドベータは脳内に溜まるゴミみたいなものです。ビタミンD3は、アミロイドベータを取り除く免疫機能を高めると言われています。
認知症とまでいかなくても、ビタミンDが不足すると認知機能が低下しやすくなる可能性は高そうです。↓
内科の専門誌である 「アーカイブス・ オブ・インターナル・メディシン」にも掲載された、エクスター大学が2010年に行なった研究。
高齢者858人を6年間追跡調査した結果、以下のことが示されています。
- 血中ビタミン D 濃度が最低のグループは、全般的な認知機能の低下を示す割合が60%高い
- また、「実行機能※」の低下を示す確率が31%高かった
※「実行機能」というのは、タスクの優先順序を決めたり、計画をしたりする能力のことです。
ボケたくないならビタミンDは必須ですね。
他にも様々な健康効果が!
この他にもビタミンDは様々な健康効果があるとされています。
- がんのリスクを下げる
- 糖尿病を予防する→「ビタミン D が1ml あたり 5ng 増加することに糖尿病の発症リスクが 13%ずつ低下していた」という研究結果も!
- 高血圧を予防する→減塩するよりも血圧を下げる効果が高いという報告も!
ビタミンDの増やしかた
日向ぼっこするだけ
日の光を浴びることによって生成することができます。
肌の色や環境にもよりますが、夏場なら20分間、冬場なら30分間程度で1日の目安量は生成することができるでしょう。
最適なレベルは?
アメリカ国立衛生研究所によると、71歳までは600 IU 、それ以降は800IUで十分とされています。
70歳以降の推奨量が増えている理由は、年を取るとビタミンDが増えにくくなるからです。
というのも、年をとってから肌が薄くなり、代謝が減っていくのでビタミン D を体内で生成することが難しくなります。
ちなみに、上限は4000IUでそれを越えると逆にデメリットもあるので気をつけましょう。とは言っても1日中日に当たっているようなことがない限り、過剰に生成されることはないでしょう。サプリメントなどでビタミンDを摂取する場合は注意です。
コメント